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『2019 次世代カーテクノロジーの本命予測と未来自動車像』まとまる(2019/9/17発表 第19076号)
世界の「CASE」関連技術搭載車を調査
- ■2040年市場予測(2018年比)
- ■自動運転システム(レベル3〜5) 新車搭載台数 4,112万台(4,112.0倍)
- 従来のADAS搭載車が自動運転システム搭載車へと移行し、拡大
- ■LIDAR 新車搭載台数 4,236万台(4,236.0倍)
- 完全自動運転の実現に向けたキーデバイスであるため、今後需要が増加
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、自動車業界のトレンドである「コネクテッド(Connected)」「自動運転(Autonomous)」「シェアリング&サービス(Shared)」「電動化(Electric)」に対応するためにさまざまな開発が進む「CASE」関連技術の世界市場を調査した。
その結果を「2019 次世代カーテクノロジーの本命予測と未来自動車像」にまとめた。
この調査では、コックピット/コネクテッド関連技術4分野9品目、自動運転/安全技術3分野8品目、シェアリング関連技術2品目、電動化関連技術3分野8品目の新車搭載台数をエリア別に調査した。また、次世代技術7品目の開発動向を捉えるとともに自動車メーカー10社における関連技術の搭載動向などを明らかにすることで、自動車業界の将来を展望した。
- ■注目市場
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■自動運転システム(新車搭載ベース)
2019年見込 2018年比 2040年予測 2018年比 ADAS 4,077万台 111.4% 8,475万台 2.3倍 自動運転システム(レベル3〜5) 7万台 7.0倍 4,112万台 4,112.0倍
ADASは各国で搭載義務化が段階的に進んでおり、今後搭載率はさらに上昇していく。自動運転システム(レベル3〜5)は2017年にレベル3のシステムが初めて量産車に搭載され、2018年には1万台となった。レベル3から徐々に搭載車台数が増加し、2030年以降レベル4のシステムが普及していくとみられる。従来のADAS搭載車が自動運転システム搭載車へと移行していき、2040年には自動運転システム(レベル3〜5)の新車における搭載率は29.4%になるとみられる。 -
■センシング技術(新車搭載ベース)
2019年見込 2018年比 2040年予測 2018年比 車載カメラ 2,526万台 119.9% 1億1,104万台 5.3倍 レーダーセンサー 1,854万台 118.6% 6,890万台 4.4倍 LIDAR 18万台 18.0倍 4,236万台 4,236.0倍 マルチセンサー 2,576万台 109.7% 1億692万台 4.6倍
センシングデバイスはADAS市場拡大に連動して搭載車台数が増加するとみられる。単一のデバイスでは、夜間や悪天候下での検出や分解能の向上など複数のADAS機能要求に応えることが難しいため、複数を組み合わせて要求性能を達成している。
車載カメラは各地域でAEB(衝突被害軽減ブレーキ)搭載義務化が進展しており、主要エリアでの搭載率が急速に高まっている。単眼カメラでは位置検出が難しく、屋外で使用する際に太陽光や風雨、温度変化などにより変質や劣化が起きるため、ミリ波レーダーとの組み合わせが主流になるとみられる。2030年代になると自動運転レベル3の普及に伴い、リアカメラ、フロントカメラが必須となり、さらにサラウンドセンシングカメラの搭載率が上昇していくとみられる。2040年の新車における搭載率は79.5%が予測される。
レーダーセンサーでは、ミリ波レーダーが天候や昼夜などの周辺環境に影響を受けず、また、積雪などの路面状況にも精度が左右されないことからカメラ機能の補助としてADASや自動運転システム用途で採用が拡大している。24〜26GHz帯は主に短距離から中距離における周辺環境の認識や衝突防止などに利用されている。76〜79GHz帯は主に中長距離における障害物検知用途で利用されているが、分解能を向上させることにより、短距離から対応可能なマルチレンジのレーダーシステムとして利用することが期待される。
LIDARは完全自動運転の実現に向けたキーデバイスであるため、今後需要が増加し、2040年の新車における搭載率は30.3%が予測される。 -
■飛行技術(空飛ぶクルマ)
空飛ぶクルマは試作機の開発およびデモ飛行を行う段階であり、機体の価格や走行距離、騒音、安全性・信頼性の確保などの課題が多いため、大規模な技術開発が必要である。さらに実用化・事業化の早期実現を目指して認証や制度の見直しなども必要だが、現状では大きな進展はない。空飛ぶクルマの事業は、最新技術や新しい発想を持ったスタートアップの活躍の場でもあるが、研究開発には数百億円規模の資金が必要となるため、スポンサーなどからの資金集めとは別に公共性や科学の発展への貢献を加味して公的な支援体制が整備されると開発のスピードが増すとみられる。 - ■調査結果の概要
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■「CASE」関連技術の動向
コネクテッド分野ではIVIシステムやHUD、電子ミラーなどの採用によりLCDの搭載車台数と車両1台あたりの搭載枚数が増加している。また、入力操作は音声認識が主流になるとみられる。車外通信ネットワークとしてセルラー通信の搭載が想定され、2030年以降日本、EU、北米では標準搭載が進む。
自動運転分野では、センサーデバイスの低価格化や機能搭載の義務化が進むことでADASの搭載が拡大するとみられる。2030年以降、日本、EU、北米においてはADASの搭載からレベル3の自動運転システムの搭載へと移行していくが、中国やその他地域では引き続きADASの搭載が拡大するとみられる。
シェアリング&サービス分野ではカーシェアリングやライドシェアリングなどが普及し始め、自動運転技術を搭載したMaaS車にて試験的な自動運転配送サービスが開始される。2030年頃から自動運転配送サービスが本格的に開始され、緩やかにMaaS車が増加するとみられる。
電動化分野ではEU、中国を中心にマイルドHVシステム(12V・48V)の搭載率が上昇していき、2040年には搭載率は26.8%になるとみられる。また、電池の大容量化と低価格が進むことでEVシステム、PHVシステムの普及も進む。特にEVシステムの搭載が急激に拡大していく。
内容の詳細につきましては『2019 次世代カーテクノロジーの本命予測と未来自動車像』をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)