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『自動車用ケミカル&マテリアル市場調査総覧 2020』まとまる(2020/1/20発表 第20003号)
自動車用材料45品目の世界市場を調査
- ■2030年予測
- ■自動車用材料45品目の世界市場 1億3,358万トン/23兆4,251億円
軽量化、高機能化、次世代技術などに対応できる材料の需要が増加- ■PPS…9万8,005トン/853億円 SPS…2万5,000トン/200億円
EV、HVの電装部品での採用増加と、一台当たりの電装部品搭載個数の増加に伴い伸長
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、従来のニーズである軽量化、低燃費化に加え、「CASE」化が進むことで車内における快適性の向上が求められるなど、要求の多様化により採用動向に変化がみられる自動車用材料の世界市場を調査した。その結果を「自動車用ケミカル&マテリアル市場調査総覧 2020」にまとめた。
この調査では、汎用樹脂6品目、エンプラ・熱硬化性樹脂14品目、合成ゴム/エラストマー12品目、鉄・非鉄金属・セラミック5品目、加工品・応用素材8品目計45品目を調査・分析した。
- ■調査結果の概要
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■自動車用材料45品目の世界市場
2019年見込 2018年比 2030年予測 2018年比 汎用樹脂 799万トン 96.5% 1,029万トン 124.3% 1兆7,780億円 94.3% 2兆1,962億円 116.5% エンプラ・熱硬化性樹脂 456万トン 98.1% 657万トン 141.3% 2兆7,501億円 96.9% 3兆6,839億円 129.8% 合成ゴム・エラストマー 264万トン 96.0% 374万トン 136.0% 1兆687億円 97.6% 1兆4,763億円 134.8% 鉄・非鉄金属・セラミック 9,363万トン 97.6% 1億1,092万トン 114.6% 11兆5,542億円 97.6% 14兆2,350億円 120.3% 加工品・応用素材 152万トン 97.4% 206万トン 132.1% 1兆3,705億円 98.1% 1兆8,337億円 131.3% 合計 1億1,034万トン 96.7% 1億3,358万トン 117.1% 18兆5,214億円 97.2% 23兆4,251億円 123.0% -
2030年の市場は1億3,358万トン(2018年比17.1%増)、23兆4,251億円(同23.0%増)と予測される。特に伸長率が高い分野はエンプラ・熱硬化性樹脂、合成ゴム・エラストマーで、今後も軽量化、高機能化、次世代技術などに対応できる材料の需要が増加するとみられる。
汎用樹脂分野はすでにさまざまな用途で利用が進んでおり、新たな用途開拓が難しくなっているものの、長期的には新興国を中心とした自動車の生産台数増加の影響を受けて堅調に市場は拡大していくとみられる。
エンプラ・熱硬化性樹脂分野は耐熱性や機械的強度を保ちながら軽量化を実現する素材として採用が増加している。特にPPS・SPS、高耐熱樹脂が伸長している。非常に高い性能を背景に、従来であれば金属を使用することが一般的であった部品についても樹脂化が進んでいる。
合成ゴム・エラストマー分野では、特にS−SBRやTPV・TPOの伸びが高い。S−SBRは低燃費タイヤ、TPV・TPOは内装材などで採用されており、全体的にも燃費や意匠性・快適性といった、今後の自動車差別化要因に関わる部品に使用される材料が多い。
鉄・非鉄金属・セラミック分野では、最も市場規模の大きい軟鋼が他の材料への移行が進むことから、今後緩やかに縮小していくとみられる。一方、軟鋼以外は自動車の軽量化、高機能化が進むことで伸長していくと予想される。
加工品・応用素材分野は自動車用放熱材や高周波対応部材の伸びが高く、自動車制御の高度化や5G通信の導入が進められる中で、急速に市場は拡大するとみられる。 - ■注目市場
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■PPS・SPS
2019年見込 2018年比 2030年予測 2018年比 PPS 6万580トン 100.1% 9万8,005トン 162.0% 537億円 99.8% 853億円 158.6% SPS 1万1,865トン 101.4% 2万5,000トン 2.1倍 95億円 101.1% 200億円 2.1倍
PPSは主要用途である電装部品の自動車一台当たりの搭載個数は増加しているものの、2019年は自動車生産台数の減少が影響し、市場は横ばいが見込まれる。2021年以降は自動車生産台数が増加に転じ、自動車一台当たりに使用されるセンサーやコンデンサーなどの増加や新規採用も進むことから市場は拡大していくとみられる。
SPSは2018年に需要が低迷したものの、2019年は電装部品向けを中心に回復し、微増が見込まれる。2020年以降はPPSと同様に電装部品の搭載個数増加などから伸長していくとみられる。 -
■アルミニウム合金板
2019年見込 2018年比 2030年予測 2018年比 409万トン 100.0% 530万トン 129.6% 2兆6,590億円 100.1% 3兆4,281億円 129.1% -
■マグネシウム合金
2019年見込 2018年比 2030年予測 2018年比 11万9,260トン 100.0% 26万5,430トン 2.2倍 425億円 100.2% 917億円 2.2倍 -
■自動車用放熱材
2019年見込 2018年比 2030年予測 2018年比 2万315トン 114.1% 7万5,470トン 4.2倍 382億円 113.4% 1,240億円 3.7倍
自動車用放熱材料はEVの市場拡大による放熱ニーズの増加に伴い、市場は拡大している。放熱ポッティング材はECU、インバーター、コンバーター、ヘッドライト周り、センサー(油温センサー、バッテリー残量センサー)などで使用されており、今後も車載電装化やEV、HV市場の拡大に伴い需要が増加するとみられる。放熱ギャップフィラーは、放熱シートや放熱グリースなどで対応が難しい用途で需要が増加しており、特にECU周りで採用が増加している。筐体タイプは、2018年時点ではモールドコイル向けに一部展開されているのみであるが、EV市場の拡大に伴い、ワイヤレス給電システムやバッテリーケースなどでの新規採用が期待される。
内容の詳細につきましては『自動車用ケミカル&マテリアル市場調査総覧 2020』をご覧ください。
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