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『IoMT(Internet of Medical Things)新市場の将来展望 2021』まとまる(2021/2/4発表 第21013号)

遠隔医療関連、スマートウェアソリューションなど医療・ヘルスケア分野におけるIoT関連の国内市場を調査

2025年市場予測(2019年比)
遠隔医療関連 432億円(79.3%増)
医師−患者間で利用されるオンライン医療ソリューションがけん引
スマートウェアソリューション 300億円(300.0倍)
てんかんや心房細動などの疾患で本格的な利用が増加し、拡大

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、遠隔医療関連、スマートウェアソリューションなど医療・ヘルスケア分野におけるIoT(IoMT)関連の国内市場を調査した。その結果を「IoMT(Internet of Medical Things)新市場の将来展望 2021」にまとめた。
 この調査では、医療の高度化や治療精度の向上、診断速度の向上、医療業務効率化、医療格差の是正、さらには新たな健康要素の発見、環境と疾病との関連性解明などを可能とし、将来的にはリアルタイムで医療・ヘルスケアデータの収集や解析を行うことで、予防医療を実現する医療・ヘルスケア分野におけるIoT(IoMT)に関連するソリューション30品目の市場の現状を分析し、将来を予想した。

注目市場
遠隔医療関連
IoMT(Internet of Medical Things)新市場の将来展望 2021:遠隔医療関連市場グラフ
 遠隔医療とはネットワークを介して行う医療行為、医療業務を指す。
 画像解析ソリューション(医師間でやりとりする遠隔画像診断サービスや遠隔病理診断システム)では、診断データを一元管理・共有することで遠隔地でも診断が可能になる。放射線科医/病理医など専門医が不足しており常駐していない場合でも、移動の必要がなくリアルタイムで診断を行え、業務効率化が可能となることから、需要が増加している。2020年はコロナ禍により来院を控えるケースがみられたことから診断件数が減少し市場は前年比11.6%減が見込まれるものの、今後は拡大し、2025年には204億円が予測される。データ容量の大きさから送受信が遅延するケースがあるため、大容量かつ低遅延な5Gインフラの整備に注目が集まっている。
 オンライン医療ソリューション(医師−患者間でやりとりするオンライン診療やオンライン服薬指導、オンライン医療相談)は、医学的情報の提供や助言などを行うオンライン医療相談が先行しており、大手ITベンダーの参入、健康経営に取り組む企業の増加により利用者が増えている。オンライン診療は、2020年の診療報酬改定に加え、新型コロナウイルス感染症の流行により時限的な措置として初診から適用が認められたことから大幅に伸びている。また、オンライン服薬指導は2020年9月から解禁が決まっていたが、4月に前倒しされたことや、大手調剤薬局で導入が進んだことにより、需要が増加している。これまではオンライン診療後でも対面の服薬指導が必要であったが、服薬指導もオンラインで受けることが可能となり、非対面での医療行為の完結が実現している。2020年は前年比38.3%増と大幅に伸び、2025年には197億円が予測される。
 遠隔医療システム(TV会議やWeb会議システム)は、病院間の連携やオンライン診療などを目的に導入される。新型コロナウイルス感染症の影響により、カンファレンスや研修などがWeb開催に移行したことで、需要が増加している。従業員300名以下の中小規模病院や診療所では、IT導入補助金の利用により導入しやすくなっていることもあり、普及が進んでいる。
 2020年の遠隔医療関連市場は前年比7.9%増の260億円が見込まれる。今後初診からのオンライン診療が恒久的に認められることで、オンライン医療ソリューションが拡大をけん引し、2025年には2019年比79.3%増の432億円が予測される。
スマートウェアソリューション
2020年見込前年比2025年予測2019年比
1.4億円140.0%300億円300.0倍
 ウェアラブル端末のうち、着衣によって生体情報を取得するスマートウェアを活用し医療機関で患者の状態を把握するソリューションを対象とする。民生向けやスマートウェア以外のウェアラブル端末によるソリューションは含まない。
 医療機器として承認取得を進めている段階であり、2019年は治験も兼ねた導入が主体であった。2020年はメーカーによる医療機関への訪問が制限されたことから、エビデンス構築を目的とした試験導入に遅れがでている一方で、新型コロナウイルス感染症に罹患した軽症患者の遠隔見守りを目的とした活用も開始されている。今後はてんかんや心房細動など特定疾患に対する本格的な利用が増加することで、市場拡大が期待される。
手術/治療支援ロボット
2020年見込前年比2025年予測2019年比
81億円92.0%183億円2.1倍
 医療施設において手術/治療支援を行うロボットを対象とした。2009年に薬事承認を得たことで、販売が開始された「da Vinci」(Intuitive Surgical)によって市場が形成され、2019年には手術支援ロボットの安全規格「IEC 80601-2-77」が発行された。
 2018年、2020年の診療報酬改定により手術支援ロボットの保険適用の範囲が広がったことから、今後の市場拡大が期待されるが、2020年は設備投資予算が減少している医療機関が多く、高価格な手術/治療支援ロボットの導入やリプレースが延期されており、市場が縮小するとみられる。
 2018年に「da Vinci」の特許が切れたことにより複数の企業が新たに参入しており、5GやAIなどの技術を用いた新規サービスの増加、リースや従量課金、サブスクリプションなどによる低コストでの導入提案なども期待され、2021年以降は市場の拡大が予想される。
調査結果の概要
医療・ヘルスケア分野におけるIoT(IoMT)関連市場
  2020年見込 前年比 2025年予測 2019年比
ニューメディカルソリューション※1 2,986億円 81.9% 4,500億円 123.4%
メディカル/ヘルスケアフュージョン※2 139億円 135.0% 596億円 5.8倍
ダスト&インフェクションコントロール※3 924億円 128.0% 1,151億円 159.4%
合計4,049億円90.5%6,247億円139.7%
※1:ネットワークで接続することで患者の医療データの取得/記録・管理/配信/表示/分析までシームレスに実現するサービス/システム/ハードウェア
※2:医療とヘルスケアが融合・連携し、新たな価値提供を可能とするシステム/サービス
※3:医療機器や空間の滅菌/殺菌を実現する機器/システムなど
 2020年は、感染症対策関連の投資が優先されたことにより、オンライン医療ソリューションなどのメディカル/ヘルスケアフュージョン、滅菌/殺菌関連装置の導入が進むダスト&インフェクションコントロールは伸びているが、ニューメディカルソリューション関連の導入やリプレースが先延ばしされており、市場は縮小するとみられる。
 2021年以降は先延ばしになっていた案件の進展によりニューメディカルソリューションが回復に向かうとみられる。メディカル/ヘルスケアフュージョンも新型コロナウイルス感染症を契機に必要性が認知されたオンライン医療ソリューション(特にオンライン診療やオンライン服薬指導)がけん引し高い伸びを示し、ダスト&インフェクションコントロールでは感染症対策として空間除菌脱臭装置の導入が増加することで堅調に推移し、2025年の市場は2019年比39.7%増の6,247億円が予測される。
内容の詳細につきましては『IoMT(Internet of Medical Things)新市場の将来展望 2021』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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