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『2020 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧』まとまる(2021/2/5発表 第21014号)

ネットワークセキュリティビジネスの国内市場を調査

2025年度市場予測(2019年度比)
調査結果の概要
  • ネットワークセキュリティビジネス 7,864億円(47.8%増)
    サイバー攻撃の増加、高度化により需要が高まり、市場拡大
注目市場
  • EDR(Endpoint Detection and Response) 740億円(7.7倍)
    エンドポイントのセキュリティ対策の重要度が高まっていることから幅広い業種へ導入が進む

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、サイバー攻撃の増加、高度化でセキュリティ対策の必要性が高まり企業の投資が増加していることから拡大しているネットワークセキュリティビジネスの国内市場を調査した。その結果を「2020 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧 市場編」 「同 ベンダー編」にまとめた。
 市場編では、セキュリティサービス19品目、セキュリティ製品27品目の市場を分析し、将来を展望した。ベンダー編では、セキュリティソリューションベンダー28社、セキュリティツールベンダー18社の分析を行った。

調査結果の概要
ネットワークセキュリティビジネス市場
2020 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧:ネットワークセキュリティビジネス市場規模推移グラフ
 2020年度の市場は、5,792億円(前年度比8.9%増)が見込まれる。マルウェア「Emotet」による大規模な被害や、大手企業に対するサイバー攻撃の被害が増加しているのに加え、特定の企業をターゲットとする標的型攻撃や、セキュリティ対策が手薄なグループ会社や取引先を経由し大手企業などに攻撃するサプライチェーン攻撃など攻撃手法も高度化、複雑化が進んでいることからネットワークセキュリティビジネスの需要は高まっている。今後も市場は拡大を続けていくとみられ、2025年度には7,864億円(2019年度比47.8%増)と予測される。
注目市場
EDR(Endpoint Detection and Response)
2020年度見込前年度比2025年度予測2019年度比
180億円187.5%740億円7.7倍
 ネットワークに対する脅威の侵入後対策を目的に、ネットワークに接続された端末などエンドポイントを監視し、不審な挙動の検知および調査をするためのツールを対象とする。
 これまでエンドポイントのセキュリティとしては、侵入前の対策に重点が置かれており、アンチウイルスやふるまい検知などの標的型攻撃対策ツールが需要の中心であった。しかし、高度化する脅威の侵入を完全に防ぐことは難しいことから、侵入後の対策が重要となってきている。
 2020年度の市場は、前年度に引き続き拡大するとみられる。要因としては、標的型攻撃の高度化により脅威の侵入後対策の重要性が認知されてきたことや、テレワークの増加でゼロトラストセキュリティ(ネットワークの内部と外部を区別せず、すべてのアクセスを疑い監視するという考え)への注目度が高まり、境界型防御であるゲートウェイセキュリティからエンドポイントセキュリティへ切り替えが進んでいること、また、大規模な企業グループで子会社を含む広範囲な導入が広がっていることなどがあげられる。未導入企業は依然として多いため、2021年度以降も幅広い業種へ導入が進み市場は拡大していくとみられる。
NDR(Network Detection and Response)
2020年度見込前年度比2025年度予測2019年度比
45億円136.4%145億円4.4倍
 NDRとは、ルーターやスイッチなどのネットワーク機器に流れるトラフィックを収集、分析し、外部からの攻撃や内部不正などを可視化し検知するものである。
 2010年代後半から徐々に認知され始め、市場は拡大してきた。EDRに加え、追加対策としてNDRを導入するケースや、EDRの導入は難しい中堅企業などでNDRの導入が増加している。今後はゼロトラストセキュリティなどへの関心が高まっていることから需要が増加し、市場拡大していくと予想される。
CASB(Cloud Access Security Broker)
2020年度見込前年度比2025年度予測2019年度比
40億円166.7%130億円5.4倍
 CASBとは、SaaSを中心としたクラウドサービス向けのセキュリティ対策ツールであり、利用状況の監視、データ漏えい防止、コンプライアンス監査、セキュリティ脅威への防御などを行う。
 働き方改革の一環としてテレワークなどの新しい勤務形態の導入や運用負担軽減を目的にクラウドへの移行が増加している。企業でクラウドサービスの活用が進む中、企業のIT部門が把握していないクラウドサービスが利用されているケース(シャドーIT)が増えているため、利用するクラウドサービスの安全性や、誰が、どこから、どの情報にアクセスしているのかといった利用状況の把握が困難になっている。このようなセキュリティの課題を解決するソリューションとしてCASBの注目度は高まっており、近年導入が進み市場は拡大している。
 2020年度の市場は、在宅勤務などの機会が増えた結果、テレワーク時のシャドーITのリスクが高まり、大手企業を中心に普及が進んだことから拡大するとみられる。
DDoS攻撃対策サービス
2020年度見込前年度比2025年度予測2019年度比
90億円115.4%135億円173.1%
 DDoS攻撃を無力化、あるいは軽減するサービスを対象とする。
 2019年度の市場は、DDoS攻撃への対策の重要性がさらに認知されたことに加え、国際的なイベントの開催に関連して増加するDDoS攻撃への対策を目的とした導入が進み市場は拡大した。
 2020年度の市場は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、一時的にセキュリティに関する予算を削減する企業が出てきたため大規模案件の一部が延期したが、半ばあたりから案件が再開していることで、市場は拡大するとみられる。
 今後は、中堅企業以下においてもデジタルシフトの実現に向けた取り組みが活発化することで、DDoS攻撃対策の必要性が高まり、新規導入が進み市場は拡大していくと予想される。
セキュリティスコアリングサービス
2020年度見込前年度比2025年度予測2019年度比
9億円2.3倍33億円8.3倍
 企業のセキュリティ状況を最新パッチの適用、セキュリティ対策の状況などの観点からスコアリングしてセキュリティの脆弱性などを可視化するサービスを対象とする。
 サプライチェーン攻撃の拡大から、徐々に認知度が高まっており、超大手・大手企業などで利用が増加している。2020年度の市場は、新型コロナウイルス感染症の影響から上半期は引き合いが限定されたものの、テレワークの普及に伴うセキュリティ対策として需要が増加したことにより、市場は拡大するとみられる。今後も、サプライチェーン攻撃は拡大していくことから、超大手・大手企業は、自社のセキュリティ対策は維持しつつ、グループ会社や取引先のセキュリティレベルを高める取り組みを進めていくとみられることで、市場は拡大すると予想される。
内容の詳細につきましてはこちらのページ(市場編ベンダー編)をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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