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『車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2021 上巻』まとまる(2021/4/5発表 第21040号)
車載電装システムの世界市場の調査結果 2020年は縮小するも、以降は順調に回復・拡大し、2030年には40兆円を超える市場に
- ■2030年世界市場予測(2019年比)
- ■車載電装システム 42兆5,545億円(88.9%増)
HV/PHV/EV/FCV系が拡大をけん引、走行安全系やボディ系も伸びる- ■ADAS 2兆3,951億円(2.1倍) 自動運転システム 1兆4,881億円(647.0倍)
自動運転システムは官民一体で開発を強化する中国が最大の需要エリアに- ■ドライバーモニタリングシステム 2,785億円(87.0倍)
ドライバー監視機能がEuro NCAPの適用対象となることから搭載が急増
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、2020年においては自動車生産台数減少の影響を受けるものの、グローバル規模での環境規制強化に伴う電動自動車の伸びによる早期の回復・拡大、また、自動運転やAI化に伴う新たな需要増加が期待される車載電装システムやデバイスの世界市場について調査した。その結果を「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2021《上巻:システム/デバイス編》」にまとめた。
この調査では、パワートレイン系、HV/PHV/EV/FCV系、走行安全系、ボディ系、情報系の車載電装システム計22品目の世界市場を国・地域別に調査・分析した。また、それらを構成するデバイス&コンポーネンツ20品目の市場についても捉えた。
なお、システムを制御するECUとその構成デバイス市場については「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2021《下巻:ECU関連デバイス編》」でまとめ、今後発表する。
- ■調査結果の概要
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■車載電装システムの世界市場
2020年見込 前年比 2030年予測 2019年比 パワートレイン系 6兆1,419億円 79.8% 8兆8,931億円 115.6% HV/PHV/EV/FCV系 2兆9,280億円 110.4% 15兆7,955億円 6.0倍 走行安全系 4兆1,796億円 82.4% 8兆3,516億円 164.6% ボディ系 2兆4,047億円 82.2% 4兆669億円 139.0% 情報系 3兆4,028億円 81.4% 5兆4,474億円 130.3% 合計 19兆570億円 84.6% 42兆5,545億円 188.9%
2020年に各分野が縮小する中、HV/PHV/EV/FCV系は前年比10.4%増が見込まれる。各国で環境規制対策が進められる中、内燃自動車の生産は落ち込むものの、電動自動車は順調に増加しているためである。今後、各自動車メーカーは電動自動車の構成比を高める方針であり、それに伴い大きな成長が予想される。
走行安全系は、2020年は前年比17.6%減となるものの、2021年以降は自動車生産台数の回復と単価の高い自動運転システムの増加によって、回復・拡大が予想される。2025年以降、自動運転システムが大きく伸びることで、2030年には2019年比64.6%増が予測される。
パワートレイン系や情報系、ボディ系は2020年に大きく落ち込んだが、2021年以降は回復に向かい、2024年までには2019年の実績を超えるとみられ、以降は順調な伸びが予想される。中でも、情報系のドライバーモニタリングシステムや電子ミラーは、現状の市場規模は比較的小さいものの、大幅な伸びが期待される。 -
■デバイス&コンポーネンツの世界市場
2020年見込 前年比 2030年予測 2019年比 9兆5,870億円 92.7% 33兆3,978億円 3.2倍
2021年以降はHV/PHV/EV/FCV関連デバイスがけん引し、市場拡大が予想される。また、センサーモジュール/アクチュエーターモジュールはADASの高機能化や自動運転車両の増加、電動化を背景としたセンシングデバイスやモーター駆動アプリケーションの増加などで伸びるとみられる。入出力系デバイスはHMI(ヒューマンマシンインターフェース)の増加や、ドライバーへの伝達情報量の充実化に伴う表示機器の増加により、採用拡大が予想される。 - ■注目市場
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■ADASの世界市場
2020年見込 前年比 2030年予測 2019年比 1兆179億円 88.9% 2兆3,951億円 2.1倍
2020年は自動車生産台数の減少に伴い、市場は前年比11.1%減が見込まれるものの、2021年以降は拡大が予想される。ADASを構成するセンサーの搭載個数は、エリアや車種によって異なるためシステム単価は上下するが、システム販売数の増加に伴い市場は拡大し、2030年は2019年比2.1倍が予測される。 -
■自動運転システムの世界市場
2020年見込 前年比 2030年予測 2019年比 20億円 87.0% 1兆4,881億円 647.0倍
市場は立ち上がりつつあり、2021年にはレベル3のシステムが搭載された車両が新たに投入される予定である。2025年頃からレベル4の車両が投入され、本格的に市場は拡大していくとみられる。エリア別では、当面は自動運転技術に注力する自動車メーカーの拠点が多い欧州がけん引するが、長期的には官民一体で自動運転技術の開発を進める中国が最大の需要エリアになるとみられる。
現状、自動運転システムの単価は、LIDARなど多くのセンサーや高度なAIチップを搭載したECUを採用しているため、ADASの約10倍となっている。今後、LIDARの低価格化は進むが検知精度向上のための複数搭載、また、他センサー類も高機能製品の搭載が増えるとみられ、システム単価が維持されることも市場拡大の要因となる。 -
■ドライバーモニタリングシステムの世界市場
2020年見込 前年比 2030年予測 2019年比 81億円 2.5倍 2,785億円 87.0倍
2020年頃からドライバーの疲労検出を目的とした搭載が増えており、今後はドライバー監視機能の評価がEuro NCAPの適用対象となるため、今後も需要増加が期待される。
自動運転車両では、現状ハンズオフ運転機能を有する自動運転レベル2の車両に搭載されている。また、自動運転レベル3から4の高度自動運転では、システムからドライバーへの運転タスク権限委譲の際にドライバーが運転可能な状態にあるかを確認するため搭載が必須になることが、市場拡大の追い風になると期待される。今後は技術開発も加速し、ドライバーだけでなく助手席や後部座席で顔認識や状態検出を行う高機能システムの導入も想定される。
内容の詳細につきましては『車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2021 上巻』をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)