プレスリリースプレスリリースPress Releases

  • HOME
  • プレスリリース
  • 『2021 IoT×産業用ネットワーク関連ビジネス市場総調査』まとまる(2021/10/26発表 第21103号)

『2021 IoT×産業用ネットワーク関連ビジネス市場総調査』まとまる(2021/10/26発表 第21103号)

産業用ネットワーク関連製品/サービスの国内市場を調査

2025年度市場予測(2020年度比)
産業用ネットワーク関連製品/サービス 4,340億円(145.4%)
産業用ワイヤレス、モバイル、IoT関連製品や通信サービスがけん引し、市場拡大
IoTゲートウェイ/IoTルーター 237億円(145.4%)
設備、施設の監視やネットワーク化が進むほか、LTEモデルへの移行により拡大が予想される

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、IoT化やDX化、5G通信などテクノロジーの進化によって今後、導入・活用の広がりが予想される産業用ネットワークを構成する主要な製品やサービスの国内市場を調査した。その結果を「2021 IoT×産業用ネットワーク関連ビジネス市場総調査」にまとめた。

調査結果の概要
産業用ネットワーク関連製品/サービスの国内市場
 2021年度見込2020年度比2025年度予測2020年度比
産業用スイッチ、ルーター製品182億円113.8%262億円163.8%
産業用ワイヤレス、モバイル、IoT関連製品549億円122.5%719億円160.5%
I/O、コンバーター関連製品337億円119.1%581億円2.1倍
産業用セキュリティ製品63億円123.5%123億円2.4倍
通信サービス2,153億円105.4%2,656億円130.1%
合計3,284億円110.1%4,340億円145.4%
市場データは四捨五入している
 2021年度の産業用ネットワーク関連製品/サービス市場は、新型コロナウイルス感染症の流行や働き方改革の影響によるテレワークの浸透などで、スイッチや無線LAN関連機器の需要が増加している。また、IoT化に向けたネットワーク構築やDXなどにより、工場やプラントなどで、遠隔監視や産業用ネットワークへのニーズが高まっており、市場は前年度比10.1%増が見込まれる。
 カテゴリー別では、産業用スイッチ、ルーター製品は、産業用スイッチで生産現場やリモート業務、遠隔監視などへの投資が増加するとみられる。特に、屋外利用や高温・低温下、ノイズや振動などの耐環境性が求められる用途での拡大が予想される。スイッチやルーターは、中堅、中小企業ではオフィス向けの汎用品や民生用を利用しているケースも多いが、ネットワーク停止や遅延などのトラブルが多いため、産業用の需要が増加している。
 産業用ワイヤレス、モバイル、IoT関連製品は、センサーを内蔵する機器からデータを受信し移動体通信を介して送信するほか、OSを搭載しアプリケーション開発やデータのエッジ処理を行うIoTゲートウェイ/IoTルーターや、有線LAN構築が困難な環境でのネットワーク化を実現する産業用ワイヤレスが中心である。今後は、IoT/IoH(Internet of Human)やスマートファクトリーの実現に必須であることから伸長するとみられる。
 I/O(Input/Output)、コンバーター関連製品は、外部とデータや信号を入出力するリモート・ワイヤレスI/Oが、工場やプラントなどの設備を制御・運用するOT(Operational Technology)ネットワーク関連機器のデータ収集を目的に導入されている。多くの企業がIoT化によるデータ利活用を進めており、より多くのデータ収集のためにI/Oユニットを追加する動きが増えている。コンバーター関連製品は、汎用製品から産業用途に特化した耐環境性のある製品への置き換えや既存設備を生かしたイーサネット接続、工場間やプラント間のデータ連携接続などを目的とした利用が増加しており、2025年度は2020年度比2.1倍が予測される。
 産業用セキュリティ製品は、工場やプラントの制御システムでサイバー攻撃による被害が増加し、生産ラインの停止などセキュリティリスクが深刻化していることを受け、拡大している。特に、産業用ファイアウォールや産業機器で不正プログラムの稼働を防止するホワイトリスト型の組み込み機器向けセキュリティ製品などの導入が進められている。また、OTネットワーク内のセキュリティ監視に加え、通信環境を可視化する需要が増加しており、産業用ネットワーク監視ツール市場が本格化しているため、2025年度は2020年度比2.4倍が予測される。
 通信サービスは、高い割合を占める携帯電話サービスが、ハンドセットの端末契約を中心に構成され、現場でのスマートデバイスの活用やIoT対応の産業機器の増加により伸長すると予想される。また、長距離の無線通信を低電力で行えるLPWAは、大口案件獲得などにより認知度が向上しており、ノンセルラーLPWAサービスを中心に伸びている。今後はIoT向けの5G通信サービスにおいて、データ伝送量や収集頻度、活用目的などに応じたソリューション提案が進むと予想され、拡大するとみられる。
注目市場
産業用スイッチ
2021年度見込2020年度比2025年度予測2020年度比
155億円114.8%225億円166.7%
 L2スイッチとL3スイッチ(ネットワークの機能を7つの階層に分類したOSI参照モデルのうち、データリンク層とネットワーク層でMACアドレスやIPアドレスの中継を行う機器)のうち産業用と産業用途向け汎用スイッチを対象とする。
 2021年度の市場は、IoT化の進行で導入数が増加しているほか、新型コロナ流行を背景に生産現場の設備やリモートワーク、遠隔監視などへの投資が増加していることから、前年度比14.8%増が見込まれる。
 新型コロナが収束した後もIoT化やDX化の流れは続くとみられ、今後も市場は拡大すると予想される。工場をはじめとした製造業中心の需要に加え、遠隔監視などの自動化や運行状態をリアルタイムに把握したい鉄道での需要も増加するとみられる。また、監視システムと接続して障害発生時にも通信の切り替えを行えることから高速道路での需要や、制御用ネットワークの構築ニーズから変電所などで新たな需要が顕在化してくるとみられ、2025年度に市場は2020年度比66.7%増が予測される。
産業用ワイヤレス
2021年度見込2020年度比2025年度予測2020年度比
168億円112.0%259億円172.7%
 電波の送受信を行う機器やシステムのうち、無線LANアクセスポイントや無線LANコントローラーを対象とする。PCなどに装着される無線LAN子機や、特定小電力無線に特化したワイヤレス製品は対象外とする。
 2021年度は、ネットワーク接続を希望する製造業やプラントなどの施設で、配線やスペースの都合から有線でのネットワーク構築が困難なケースやスマートデバイスを用いた現場業務のデジタル化のためのWi-Fi構築の際に需要を獲得しており、市場は前年度比12.0%増の168億円が見込まれる。
 今後は、多品種小ロット生産の増加を背景に柔軟な生産ライン変更に対応するため、有線接続からワイヤレス接続に移行するケースが増え、需要が高まるとみられる。また、可動範囲が広い製造業・物流業の機械やロボットでは、有線接続が困難なため需要が増加していくとみられ、2025年度には2020年度比72.7%増が予測される。
IoTゲートウェイ/IoTルーター
2021年度見込2020年度比2025年度予測2020年度比
176億円108.0%237億円145.4%
 センサーを内蔵するデバイスや制御機器からの情報を受信し3G/LTE通信を介してデータを送信するほか、OSを搭載してアプリケーション開発やデータのエッジ処理を可能とするIoTゲートウェイと、IP通信で受信し3G/LTE通信を介してデータを送信するIoTルーターを対象とする。
 IoTゲートウェイとIoTルーター共に、機器やセンサーの遠隔監視や制御を目的に導入が進んでいる。2021年度の市場は、IoTへの取り組みが浸透してきたことに加え、新型コロナ流行の影響によりOT領域においても遠隔監視の需要が増えているため、前年度比8.0%増が見込まれる。
 今後は、製造業における生産設備や電力/ガスなどエネルギー分野における産業機器、空調やエレベーターなどビルファシリティ、鉄道など交通インフラの車内、河川や山間部における災害などさまざまな場面での監視やネットワーク化が進むとみられる。また、ISDNや3G通信の終了の前にLTE搭載モデルへの移行が進んでおり、2023年度頃まで移行が活発化することで、2025年度の市場は2020年度比45.4%増が予測される。
内容の詳細につきましては『2021 IoT×産業用ネットワーク関連ビジネス市場総調査』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

ページトップ