プレスリリースプレスリリースPress Releases

  • HOME
  • プレスリリース
  • 『2021 次世代カーテクノロジーの本命予測』まとまる(2021/10/28発表 第21104号)

『2021 次世代カーテクノロジーの本命予測』まとまる(2021/10/28発表 第21104号)

『CASE』関連技術の搭載車台数を調査

2040年搭載新車台数予測(2020年比)
水冷式バッテリー冷却システム 8,220万台(91.3倍)
EVシステムを中心に搭載が進み、EVの普及に伴い増加
統合コックピット 1,900万台
2030年以降、技術開発の進展により多くのハイエンド車に搭載

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、各国の環境規制の厳格化を背景に、「電動化」を中心に注目度が高まる『CASE』関連技術搭載車の世界市場を調査した。その結果を「2021 次世代カーテクノロジーの本命予測」にまとめた。
 この調査では、環境技術28品目、コックピット技術19品目、その他6品目、計53品目の搭載新車台数をエリア別に調査し、将来を展望した。
 自動車産業では、新型コロナウイルス感染症の流行以前から『CASE』(「コネクテッド(Connected)」「自動運転(Autonomous)」「シェアリング&サービス(Shared&Services)」「電動化(Electric)」)に対応するためにさまざまな開発が進められてきた。近年は特に、環境問題に関連する「電動化(Electric)」の注目度が高まっている。

注目市場
水冷式バッテリー冷却システム(搭載新車台数ベース)
2021年見込2020年比2040年予測2020年比
191万台2.1倍8,220万台91.3倍
 バッテリー冷却システムは水冷式と空冷式、ペルチェ素子式に大別され、xEV用の二次電池の温度を20〜40℃の適温に保つために搭載される。水冷式は、水−グリコール混合液や冷媒を循環させバッテリーの適温を維持する方式であり、主にエアコンシステムやクーラントシステムと連動する。現在、普及しているリチウムイオン二次電池(LiB)は、40℃を超える高温下では熱暴走を起こし、20℃を下回る低温下では出力されるエネルギー密度が低下する特性があることから、温度の変化による負荷を抑制することで安全性を担保し、バッテリーセルの耐用年数を維持することが可能となる。
 水冷式は、バッテリー容量が大きく急速な冷却による温度管理が必要とされるEVシステムを中心に搭載が進められている。2021年時点では、Teslaをはじめとした北米系自動車メーカーや、欧州、中国系自動車メーカーのEVシステムに採用されており、新車における搭載率は前年より1.1ポイント増加し、2.3%が見込まれる。EVシステムに駆動用バッテリーとして搭載されるLiBは高温下において、最悪の場合発火する可能性があり厳密な温度管理が求められることから、今後EVシステムの搭載率上昇に伴い、搭載車数は増加するとみられる。2040年の新車における搭載率は67.4%が予測される。
電動ウォーターポンプ(搭載新車台数ベース)
 2021年見込2020年比2040年予測2020年比
エンジン冷却用1,624万台125.4%5,591万台4.3倍
インバーター/バッテリー冷却用1,079万台144.4%9,380万台12.6倍
 ウォーターポンプはエンジンやインバーター、バッテリーを冷やすクーラント(冷却水)を循環させる部品である。電動式と機械式に大別され、電動式はクーラントの流量をエンジンの作動状態と関係なく設定でき、暖気時間の短縮や駆動損失の低減が図れることから近年採用が増加している。
 2021年の新車における搭載率はエンジン冷却用が19.4%、インバーター/バッテリー冷却用が12.9%と見込まれる。電動ウォーターポンプはHV、PHVにほぼ100%搭載されることから、これらの普及に伴い、搭載車数は増加するとみられる。特に、欧州や中国では各自動車メーカーがxEVのラインアップを強化しており、先行して搭載車が増加している。日本ではトヨタやホンダ、北米ではGMやFordなどの主要自動車メーカーが、xEVのラインアップを2020年以降強化していることなどから、搭載車も増加するとみられる。2030年以降、内燃車からxEVへの移行が進むことなどから搭載車はさらに増加するとみられる。2040年の新車における搭載率はエンジン冷却用が45.8%、インバーター/バッテリー冷却用が76.9%と予測される。
統合コックピット(搭載新車台数ベース)
2021年見込2020年比2040年予測2020年比
1,900万台
 ナビゲーション機器を含む複数の車載機器(車載メーター、エアコンなど)を一つのECUで制御するシステムを対象とする。現在、通信技術を利用して地図情報をリアルタイムで更新したり最新の渋滞情報や渋滞予測など走行時に利便性が高い情報を迅速に供給したりすることが可能なIVI(In-Vehicle Infotainment system)や、スマートフォンで利用されるナビゲーションアプリを車載ディスプレイに表示させることでナビゲーション機能を実現するシステムの普及が進んでいる。将来的にはIVIを発展させ、統合コックピット型の製品が登場すると予想される。
 システムの実用化には技術開発に時間を要し、2025年頃のモデルから一部のハイエンド車を中心に搭載されるとみられる。ナビゲーション機能への親和性が高いユーザーの多い日本や、運転席周りの機器統合化への意欲が高い欧州自動車メーカーが先行して搭載を進め、徐々に北米や中国などにも広がるとみられる。2030年以降、技術開発の進展により多くのハイエンド車に搭載されることから、2040年には新車における搭載率が15.6%になると予測される。
内容の詳細につきましては『2021 次世代カーテクノロジーの本命予測』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

ページトップ