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『2021 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望』まとまる(2021/11/29発表 第21115号)
ディスプレイデバイスや関連部材の世界市場を調査 2020年下期から2021年上期にかけて大型TFTの需要が急増 AMOLEDはスマートフォン向けなどで堅調な需要を獲得
- ■2026年世界市場予測(2020年比)
- ■大型TFT 8兆2,329億円(21.7%増)
2021年は12兆円を超えるも、2022年以降は価格低下もあり縮小傾向- ■マイクロディスプレイ 2,511億円(19.8倍)
スマートグラスやヘッドマウントディスプレイ用途の伸びがけん引
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う、ステイホームの長期化によるテレビ需要やテレワーク普及を受けたノートPC・PCモニター需要の増加、また、一時落ち込んだ自動車生産の回復などの影響から、大きな動きがみられるディスプレイデバイスの世界市場について調査した。その結果を「2021 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望」にまとめた。
この調査では、大型・中小型TFT、大型・中小型AMOLED、マイクロディスプレイなどのディスプレイデバイスの世界市場の現状を調査し、将来を予想した。加えて、それらを構成する部品材料や関連するアプリケーション機器の市場についても捉えた。
- ■調査結果の概要
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■ディスプレイデバイスの世界市場
2021年見込 2020年比 2026年予測 2020年比 大型TFT 12兆2,093億円 180.5% 8兆2,329億円 121.7% 中小型TFT 2兆4,015億円 111.8% 2兆6,704億円 124.3% 大型AMOLED 4,344億円 153.9% 7,072億円 2.5倍 中小型AMOLED 2兆3,460億円 112.0% 2兆6,908億円 128.4% マイクロディスプレイ 160億円 126.0% 2,511億円 19.8倍
2021年上期は、需要の継続により大型TFTの需給がさらにひっ迫したため、パネル価格が大幅に上昇した。下期に入っても、旺盛な需要は続いている。また、テレビセット需要は縮小に向かうものの、テレビ向けパネルは在庫の正常化に向けて、当面生産ラインの高い稼働率が継続するとみられる。中小型ディスプレイは、5G通信端末への買い替えが進むスマートフォン向けのAMOLED、自動車生産が回復に向かっている車載ディスプレイ向けのTFTなどが好調である。
2021年は、価格上昇に伴い大幅に伸びる大型TFTは、価格が徐々に低下するとみられ、2022年以降は市場縮小が予想される。AMOLEDは、スマートフォンやOLEDテレビ向けの需要増加から、2022年以降も順調に市場は拡大するとみられる。
大型TFTは、2020年は上期に大きく需要が落ち込んだが、下期はテレワークやステイホーム需要を取り込んだアプリケーション機器の好調により一転して需要が大幅に増加した。2021年も引き続き需要は高止まりしている。特に上期は、テレビ向けパネルを中心に需給がひっ迫する状況となった。また、世界的な半導体不足によるドライバーICの価格高騰を受けて、価格が大幅に上昇している。下期は、テレビ需要は落ち着くものの、パネルの在庫水準を通常レベルに引き上げるため、2021年末までは生産ラインの高稼働が続くとみられる。
中小型TFTは、主力用途であるスマートフォン生産が減少したため、2020年の市場は縮小した。2021年は5G通信端末への買い替えによりスマートフォン市場は好調であるが、AMOLEDの採用が増えているため、中小型TFTは苦戦している。一方、車載ディスプレイや産業用・汎用ディスプレイ向けの出荷は好調なため、市場は前年比11.8%増が見込まれる。2022年以降はヘッドマウントディスプレイ(HMD)や車載ディスプレイ向けは安定して伸びるが、スマートフォン向けは横ばいで推移するとみられる。
大型AMOLEDは、新型コロナ流行により大手メーカーのOLEDテレビ生産が計画を下回ったものの、大型生産ラインの本格稼働や歩留まり改善により生産量が増加し、2020年の市場は前年比17.1%増となった。2021年は、上期からOLEDテレビの需要が増加し、店舗販売も拡大していることなどから、テレビ向けが大きく伸びるとみられる。2021年以降QD-OLEDテレビが本格展開され、市場拡大が予想される。
中小型AMOLEDは、主力のスマートフォン向けでAMOLEDへの需要シフトが進んでおり、特にハイエンドスマートフォン向けの需要が着実に伸びている。2020年は「iPhone」シリーズでの採用増加もあり、市場は堅調だった。2021年は「iPhone」シリーズでのさらなる採用増加が寄与し、順調な市場拡大が予想される。2022年以降は引き続きスマートフォン向けの伸びが期待されるほか、タブレット端末やノートPCなど中型アプリケーションでも採用が増えるとみられる。
マイクロディスプレイは、Near Eye用としてデジタルカメラの電子ビューファインダー(EVF)やHMD、スマートグラスで使用されるマイクロOLED、LCOS、HTPSのディスプレイデバイスを対象とする。
2020年は、主力用途であるデジタルカメラの販売が落ち込んだため、マイクロディスプレイの市場は小幅ながら縮小した。2021年は前年の反動もありミラーレス機などが好調なため、市場は拡大するとみられる。2022年以降はカメラ向けの需要は減少するが、スマートグラスやHMDでの採用増加により、市場拡大が予想される。スマートグラスは遠隔コミュニケーションニーズの高まりを背景に主にBtoB用途で、HMDは有力メーカーによる採用により、それぞれ大幅な伸びが期待される。特にマイクロOLEDの需要増加が市場をけん引するとみられる。 -
■LCD・OLED関連部品材料の世界市場
2021年見込 2020年比 2026年予測 2020年比 LCD関連部材 1兆3,792億円 106.3% 1兆4,066億円 108.4% OLED関連部材 2,338億円 134.1% 3,482億円 199.7% 共通関連部材 1兆213億円 114.4% 1兆812億円 121.1%
LCD関連部材は、新型コロナ流行の影響により上期を中心に需要が減少し、2020年の市場は前年比微減となった。2021年は大型TFTの出荷増加に伴い、液晶材料や偏光板、偏光板保護フィルム・位相差フィルム、QDシートなどが伸びるとみられる。QDシートはQLEDテレビの生産増加や、PCモニターやノートPCでミニLEDバックライトの採用が増えるため、伸びが期待される。
OLED関連部材は、2020年はスマートフォンの生産が減少したものの、大型AMOLEDの堅調な需要を受け、市場は前年比4.3%増となった。2021年はテレビやスマートフォン向けのOLEDの伸びに伴い、前年より大幅な増加が予想される。中でも、円偏光板やOLED用封止材、OLED用バンク材・平坦化材料、蒸着型発光材料などの主要部材が大きく伸びるとみられる。OLED用封止材では、特に膜封止材料であるフィル材の採用増が想定される。また、IJ-OLEDに使用される塗布型発光材料は2022年以降の伸びが期待される。
共通関連部材は、2021年は特に大型TFTの需要が増えており、前年比10%以上の伸びが期待される。特にガラス基板、表面処理フィルムが大きく伸びるとみられる。 - ■注目市場
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■テレビセット
2021年見込 2020年比 2026年予測 2020年比 LCD 2億1,900万台 96.9% 2億1,660万台 95.8% OLED 670万台 191.4% 1,410万台 4.0倍 マイクロLED 僅少 − 33万台 − 合計 2億2,570万台 98.3% 2億3,103万台 100.7%
LCDの占める割合が大きいが、2021年はOLEDが大きく伸びるのに対して、LCDは縮小するとみられる。OLEDは、パネル製造の大型ラインの本格稼働によるパネル低価格化や、テレビセットメーカー各社がOLEDテレビをフラグシップとして注力していることから、2021年は前年比91.4%増が見込まれる。OLEDテレビの展開が遅れていた一部メーカーも、QD-OLEDの技術を生かすなどして、OLEDを強化する動きがみられる。マイクロLEDは、2021年に110インチ製品が発売されたが、パネル低価格化の見通しが立っていないため、当面の市場は小規模にとどまると予想される。
内容の詳細につきましては『2021 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望』をご覧ください。
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