プレスリリースプレスリリースPress Releases

  • HOME
  • プレスリリース
  • 『車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査2022 上巻』まとまる(2022/3/31発表 第22032号)

『車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査2022 上巻』まとまる(2022/3/31発表 第22032号)

車載電装システムの世界市場を調査 自動運転システムやADASの伸びに注目

2035年世界市場予測(2020年比)
ADAS 2兆2,852億円(65.7%増)
AEBの搭載義務化により拡大
自動運転システム 2兆5,381億円(976.2倍)
2025年以降は一般車両向けでも搭載が広がる
車載電装システム 54兆1,726億円(2.7倍)
HV/PHV/EV/FCV系システムがけん引。情報系や走行安全系もシステムも大きく伸長

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、自動車メーカー各社が目指している高度な自動運転化やゼロエミッション車の実現に欠かせない要素として注目される、車載電装システムの世界市場について調査した。その結果を「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査2022《上巻:システム/デバイス編》」にまとめた。
 この調査では、パワートレイン系、HV/PHV/EV/FCV系、走行安全系、ボディ系、情報系の車載電装システム計24品目の世界市場を国・地域別に調査・分析した。また、それらを構成するデバイス&コンポーネンツ18品目の市場についても捉えた。
 なお、システムを制御するECUとその構成デバイス市場については「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査2022《下巻:ECU関連デバイス編》」でまとめ、今後発表する。

注目市場
ADAS
2022年予測2020年比2035年予測2020年比
1兆6,448億円119.3%2兆2,852億円165.7%
 ADASはAEB(オートノマス・エマージェンシー・ブレーキ)やACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)、LKA(レーン・キープ・アシスト)などの走行支援機能を制御するシステムである。システム構成は、センシングカメラのみで制御するエッジコンピューティング型のシステムや、センシングデバイスをADAS―ECUで集中制御する中央集権型のシステムなど組み合わせがある。市場はECUおよびセンサーの組み合わせを一つのシステムとして捉えた。なお、SAE自動運転レベルの定義ではレベル1〜2のシステムを対象とし、HDマップとLIDARが両方搭載されていないシステムも含む。
 2019年の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)会合で、乗用車などのAEB国際基準が成立したことを背景に、市場は拡大している。AEBの搭載義務化が欧州や日本をはじめ各国で広がっており、2021年は前年比9.0%増の1兆5,033億円が見込まれる。
 地域別にみると、AEB搭載の国際基準に署名した日本や欧州などでは新車への搭載が義務化されているため、自動車生産台数に伴い順調な市場拡大が予想される。北米や中国はAEB搭載基準に署名はしていないが、安全走行支援機能の需要は高まっているため、ADASの搭載率は堅調に上昇していくとみられる。
自動運転システム
2022年予測2020年比2035年予測2020年比
113億円4.3倍2兆5,381億円976.2倍
 カメラおよびミリ波レーダー、LIDAR、高精度位置センサー、HDマップで構成されたシステムを対象とする。SAE自動運転レベルの定義ではレベル3〜5のシステムとなる。
 現状、ロボットタクシーなどMaaS向けの自動運転車が先行して展開されている。市場はまだ黎明期であるが、2021年は自動運転車の投入が進んだことから、前年比2.2倍の57億円が見込まれる。
 一般車両では、2025年までにレベル4の自動運転車が市場へ投入されるとみられる。レベル3システムでは事故が起きた際のドライバー側とシステム側の責任の所在があいまいであるが、一般車両向けではシステム側の責任が想定されるレベル4の搭載を目指す自動車メーカーが多い。
 地域別にみると、欧州での展開が先行しているが、今後は中国が市場をけん引するとみられる。中国では2021年にロボットタクシーのサービスが開始されており、2025年頃から一般車両向けの展開が進むと予想される。また、いち早く自動運転車が投入された欧州では、欧州自動車メーカー各社が2022年に自動運転車を発売する予定であり、堅調な伸びが期待される。また、北米や日本でも自動車メーカー各社が開発に注力していることから、2025年までには市場が立ち上がるとみられる。
電子インナーミラー、電子サイドミラー
 2022年予測2020年比2035年予測2020年比
電子インナーミラー1,312億円2.5倍7,499億円14.1倍
電子サイドミラー62億円2.0倍900億円29.0倍
 光学インナーミラー、あるいは光学サイドミラーを、カメラとディスプレイを用いてデジタル化した製品を対象とする。
 電子インナーミラーは、オプション搭載が中心であるが、高級車だけでなく大衆車でも対応車種が増えている。前後方録画機能が付いた製品の投入、また、電子インナーミラーを標準搭載した車種が登場しており、今後も大幅な市場拡大が予想される。
 電子サイドミラーは、搭載が一部の車種にとどまっており需要は限定的である。現状は光学サイドミラーの搭載が義務化されている地域があることや、故障時の安全性確保、消費電力やコスト高などの課題があるため、当面は欧州や日本自動車メーカーの一部車種での搭載に限られるとみられる。
調査結果の概要
車載電装システムの世界市場
 2022年予測2020年比2035年予測2020年比
パワートレイン系6兆8,564億円103.4%6兆4,280億円96.9%
HV/PHV/EV/FCV系6兆403億円188.5%28兆1,390億円8.8倍
走行安全系5兆1,882億円110.2%9兆1,538億円194.4%
ボディ系2兆8,390億円112.1%4兆1,332億円163.3%
情報系3兆4,929億円113.6%6兆3,186億円2.1倍
合計24兆4,167億円121.2%54兆1,726億円2.7倍
市場データは四捨五入している
 2021年は下半期に自動車生産台数が停滞した影響を受けたが、2022年は堅調な自動車生産に伴い、市場は前年比21.2%増が予測される。今後、車載電装化の流れは益々強まるため、2035年には54兆円を超える市場が予測される。
 特に伸びが期待されるのは、HV/PHV/EV/FCV系である。xEVの普及に伴い、各システムの需要増加が予想される。情報系も順調な伸びが予想される。中でも、コネクテッドサービスを強化する車外通信システムやIVIシステム、電子ミラー、乗員モニタリングシステムなどが大きく伸長するとみられる。また、走行安全系はADAS/自動運転システムの搭載増加、ボディ系はヘッドランプシステムの需要増加などにより、それぞれ順調な伸びが期待される。一方、パワートレイン系は、電動自動車の普及により、長期的には縮小が予想される。
デバイス&コンポーネンツの世界市場
2022年予測2020年比2035年予測2020年比
14兆9,726億円157.6%47兆3,740億円5.0倍
 HV/PHV/EV/FCV関連デバイス、センサーモジュール/アクチュエーターモジュール、入出力系デバイスに分類される。
 HV/PHV/EV/FCV関連デバイスは、電動化の進展により、急速に伸びている。今後、順次強化されていく環境規制に向けて、各自動車メーカーは電動自動車のラインアップ拡充に注力しており、堅調な伸びが続くとみられる。センサーモジュール/アクチュエーターモジュールは、ADASや自動運転システムの搭載ニーズの増加を追い風に堅調に拡大している。中でも、LIDARは自動運転車で採用が増えるため、大幅な伸びが期待される。入出力系デバイスは、2021年は微増にとどまるものの、2022年以降は自動車生産台数の増加に伴い、堅調に伸びるとみられる。
内容の詳細につきましては上巻下巻をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

ページトップ