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『車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2022 下巻』まとまる(2022/5/20発表 第22053号)

車載ECUやその構成デバイスの世界市場を調査 電動化や自動運転化の進展を受けてECUの搭載数が増加

2035年世界市場予測(2020年比)
車載ECU 21兆198億円(2.9倍)
xEV系が拡大をけん引。自動運転関連で情報系なども大きく伸びる
ECU構成デバイス 24兆7,334億円(2.1倍)
半導体、回路部品が好調で市場をけん引。センサーの需要も増加
イメージセンサー 2,900億円(3.0倍)
自動車1台当たりのカメラ搭載数の増加で大きく伸びる

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、高度な協調・統合制御が要求されるxEVシステムや自動運転システムの実現に向けて注目される車載ECUと関連デバイスの世界市場について調査した。その結果を「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査2022《下巻:ECU関連デバイス編》」にまとめた。
 この調査では、車載ECUについては6領域(パワートレイン系、xEV系、走行安全系、ボディ系、情報系、スマートセンサー/アクチュエーター)に分けて国・地域別に分析し、加えて、それらを構成するデバイスについては29品目の動向を捉えた。
 なお、車載電装システムやその構成デバイスの市場については「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査2022《上巻:システム/デバイス編》」でまとめており、3月31日に発表している。

調査結果の概要
車載ECUの世界市場
 2022年予測2020年比2035年予測2020年比
パワートレイン系1兆1,182億円100.6%1兆344億円93.1%
xEV系1兆968億円182.7%4兆7,937億円8.0倍
走行安全系1兆8,122億円109.8%3兆247億円183.2%
ボディ系1兆3,201億円108.9%1兆9,414億円160.1%
情報系2兆556億円131.2%5兆6,565億円3.6倍
スマートセンサー/アクチュエーター1兆5,704億円145.0%4兆5,691億円4.2倍
合計8兆9,732億円124.2%21兆198億円2.9倍
市場データは四捨五入している
 2021年における自動車1台当たりのECUは平均で29.6個搭載されており、今後搭載数は年々増加し、2035年には46.6個になるとみられる。それに伴い、市場は順調に拡大し、2035年には2020年比2.9倍が予測される。
 今後の伸びが最も期待されるのはxEV系である。xEVの普及に伴い、インバーターECUや車載充電器ECUなどが伸びをけん引すると予想される。
 走行安全系は市場の約2割を占めている。横滑り防止のESC-ECUやEPS(電動パワーステアリング)-ECUなどのパッシブセーフティ系、ADAS-ECUや自動運転ECUなどのアクティブセーフティ系、足回り系ECUなどに分けられる。エアバッグシステムやESCなど搭載が標準化しているシステムに加えて、ADAS/自動運転システムの高度化に伴いECUの搭載が増加するため、アクティブセーフティ系を中心に順調に伸びるとみられる。
 ボディ系は、車内空間における快適性に関連するECUが多く、エアコンECUなどを中心に緩やかな伸びが予想される。
 情報系は自動車のコネクテッド化、およびADAS/自動運転システムなど他システムとの連動化を背景に、車外通信機能の追加やそれに伴う車内エンターテインメント機器の増加、出力系デバイスの増加によって拡大するとみられる。
 スマートセンサー/アクチュエーターは、ADAS/自動運転システムの高度化によるセンサー精度の上昇や、電動車の増加に伴いモーターの回転制御の高精度化・高出力化が可能な高機能製品の需要が高まり、数量ベース以上に金額ベースが伸びると予想される。
ECU構成デバイスの世界市場
 2022年予測2020年比2035年予測2020年比
センサー 1兆5,546億円 109.9% 2兆3,616億円 166.9%
半導体 3兆9,824億円 132.6% 9兆4,414億円 3.1倍
回路部品 1兆2,332億円 125.8% 2兆4,962億円 2.5倍
その他 8兆6,887億円 132.3% 10兆4,341億円 158.8%
合計15兆4,589億円129.2%24兆7,334億円2.1倍
市場データは四捨五入している
 ECUの搭載数増加に伴い、構成要素となる半導体や回路、基板などの部品の需要が増加しており、市場は堅調な拡大が期待される。2035年の市場は、2020年比2.1倍が予測される。
 車載ECUの構成要素として、多様なセンサーの採用が増えていることから、センサー市場は堅調な拡大が予想される。環境規制強化に向けた内燃機関の高度化ニーズや、ADASをはじめとした走行安全装置のニーズの高まりにより、普及車にも搭載が進んでいることが追い風となっている。
 車載ECUの中核となる半導体では、市場規模の大きいSoC/FPGAや車載マイコン、メモリー(DRAM/NAND)の伸びが、市場拡大をけん引するとみられる。また、電動車の普及に伴い、バッテリー監視ICやSiCモジュールは大幅な需要増加が予想される。
 回路部品も電動車の普及に伴い順調な伸びが予想される。特に、高電圧車両の増加により、フィルムコンデンサーや車載リレー(SMR)が大きく伸びるとみられる。
 その他では、ビルドアップ基板や半導体パッケージ基板などは順調に伸びるとみられる。ワイヤハーネスは車載機器の増加に伴い短期的には伸びが期待されるが、長期的には車体構成の変化やECUの統合、各種機器のユニット化などにより需要減少が予想される。
センサーの世界市場
 2022年予測2020年比2035年予測2020年比
全体1兆5,546億円109.9%2兆3,616億円166.9%
 イメージセンサー1,350億円140.2%2,900億円3.0倍
 電流センサー739億円189.5%2,864億円7.3倍
 磁気センサー1,252億円112.4%2,240億円2.0倍
イメージセンサー、電流センサー、磁気センサーは全体の内数
 現状、温度センサーやガス濃度センサー、圧力センサーの市場規模が大きい。今後、xEVの普及や自動運転技術の進展により、多様なセンサーの需要が増えるため、市場は堅調な拡大が予想される。
 イメージセンサーは、カメラから取り入れた光(映像)を電気信号に変換する半導体素子であり、さまざまなカメラなどで使用される。2021年のイメージセンサー市場は、2020年の需要減少の反動もあり、前年比20%以上の伸びとなった。今後も自動車1台当たりのカメラ搭載数が増えていくことから、順調な需要増加が予想される。具体的には、AEBの搭載義務化国の増加やADAS/自動運転車の普及によるセンシングカメラの増加、パーキングシステムなどで利用されるビューイングカメラの増加、電子ミラーや乗員モニタリングカメラ向けの搭載数増加などが挙げられる。
 電流センサーは、電動駆動システムで電流の向きや量を検出するセンサーモジュールを対象とする。2021年以降、電動車の生産増加に伴い、大幅な需要増加が予想される。現状はインバーターモジュール向けが中心で、駆動用モーターの回転数制御などで使用されている。今後、二次電池向けも大きく伸びるとみられる。現状、バッテリーパック単位で電流検知が行われているが、より厳格に出入力管理を行うためバッテリーモジュール単位での開発も進んでいる。また、高圧ジャンクションボックス向けは、HVへの搭載も進められているため、今後の伸びが期待される。
 磁気センサーは、ホール効果や磁気抵抗効果を用いた位置検出で利用される。エンジンの電動制御化ニーズの高まりを受けて伸びてきたが、長期的には電動化に伴いエンジン向けは減少が予想される。一方、電動シフトによってシャシー系システムが油圧制御から電子制御に変化することで最適な回生制御を目的とした位置検出ニーズが増加しており、磁気センサーの搭載が増えている。また、電動化によってボディ系の電装部品向け小型モーターの搭載数が増加することから、回転数検知を目的とした磁気センサーの搭載も増えるとみられる。
内容の詳細につきましては『車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2022 下巻』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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