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『2022 ワールドワイドエレクトロニクス市場総調査』まとまる(2022/6/13発表 第22065号)
情報通信機器やAV機器などエレクトロニクス製品の世界市場を調査
- ■2027年市場予測(2021年比)
- ■ワイヤレスイヤフォン/ヘッドフォン 6億3,000万台(77.0%増)
音質や電池性能の向上が進み市場拡大- ■SSD 4億4,000万台(22.6%増)
PC向けが市場をけん引
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、リモートワークやオンライン授業の普及に伴う需要増加が落ち着いたノートPCやタブレット端末、製品の高機能化が進み需要が増えているワイヤレスイヤフォン/ヘッドフォンなどのエレクトロニクス製品の世界市場を調査した。その結果を「2022 ワールドワイドエレクトロニクス市場総調査」にまとめた。
この調査では、AV機器11品目、白物家電5品目、情報通信機器・インフラ14品目、OA機器/産業機器5品目、モビリティ/車載電装機器9品目、ユニット製品・部品9品目について市場の現状を調査し、将来を予想した。
- ■注目の市場
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■ワイヤレスイヤフォン/ヘッドフォン
2021年 2020年比 2027年予測 2021年比 3億5,600万台 114.5% 6億3,000万台 177.0% -
Bluetoothが搭載されたワイヤレスイヤフォン/ヘッドフォン、スマートフォン向けヘッドセットを対象とした。
近年は価格帯や性能面でさまざまな製品が発売されており、ユーザーの選択肢が増えていることから市場が拡大している。2021年は半導体や部品不足の影響を受けて伸びが鈍化したが、True Wirelessタイプは好調で、市場は前年比14.5%増の3億5,600万台となった。
今後は、ミドルからハイエンドモデルで、音質の改善や電池性能の向上が進み、市場は拡大が続くと予想される。 -
■タブレット端末
2021年 2020年比 2027年予測 2021年比 1億6,950万台 100.7% 1億4,450万台 85.3% -
7インチ以上のディスプレイとOSを搭載した端末を対象とした。
2010年代後半は主にスマートフォンとの競合によって需要減少が続いたが、2020年にリモートワークやオンライン授業が普及したことで需要が増加した。2021年はリモートワーク需要が引き続き好調だったが、半導体不足の影響で生産が制限されたため、市場は横ばいとなった。2022年は、リモートワークやオンライン授業に伴う特需は落ち着き、市場は前年比マイナスが予想される。
今後は、スマートフォンやノートPCとの競合から市場は縮小が続くとみられる。 -
■ノートPC
2021年 2020年比 2027年予測 2021年比 2億3,600万台 117.4% 2億2,500万台 95.3% -
クラムシェルタイプ及び2in1タイプノートPCを対象とした。
新型コロナに伴うリモートワークの普及によって需要増加が続いており、2021年の市場は前年比17.4%増の2億3,600万台となった。急速な需要増加のなか、関連半導体やTFT LCDの供給不足が発生したため、生産・供給が追い付かない状況となった。2022年は半導体不足が続いていることから、前年割れが予想される。
今後は、半導体不足による生産への影響が解消し、2020年の「Windows 7」サポート終了時の駆け込で購入された機種が2024年から2026年にかけて買い替え期を迎えることから需要が緩やかに増加するとみられる。 -
■据置型Wi-Fiルーター
2021年 2020年比 2027年予測 2021年比 3億1,000万台 106.9% 3億4,300万台 110.6% -
無線LAN関連機器として屋内向けの家庭用AP(中継器を含む)を対象とした。
新型コロナの影響でリモートワークが普及し、無線通信環境を整える家庭が急増したことから、2021年の市場は前年比6.9%増の3億1,000万台となった。
2022年は半導体不足に伴い無線LANチップの調達に時間がかかるため、供給に大きな影響が出ており、市場の伸びは鈍化するとみられる。長期的には、リモートワーク特需が一巡していくことから需要が落ち着き、今後はリプレース需要を中心に微増を維持していくと予想される。 -
■SSD
2021年 2020年比 2027年予測 2021年比 3億5,890万台 116.5% 4億4,000万台 122.6% -
SSD(Solid State Drive)は、主にHDDの代わりにNANDフラッシュメモリーを記憶媒体とした記憶装置である。インターフェースとしてSATA、SAS、PCIe、NVMe、USBなどを搭載した製品を対象とした。
SSDは、HDDからの置き換えが進み市場は拡大している。現状、PC(デスクトップ、ノート)向けが6割以上を占めている。2021年はSSD搭載率が高まっているノートPCが好調だったことに加え、据置型ゲーム機がSSDを標準搭載したことで市場は大幅に拡大した。
今後は、サーバー・データセンター向けが好調を維持するものの、市場の多くを占めるPC向けのSSD搭載率はすでに高いため、伸びは鈍化するとみられ、2024年以降は市場が緩やかに拡大すると予想される。
2021年は、新型コロナの影響が続き、それに伴い発生した物流遅延、労働力不足の問題に加え、半導体不足が深刻化したことにより、エレクトロニクス製品の生産計画に支障をきたした。
AV機器ではOLED-TV、デジタル一眼カメラ、ヘッドマウントディスプレイ、ワイヤレスイヤフォン/ヘッドフォン、スマートグラスが好調となった。白物家電は、中国メーカーの生産体制が早く回復したことや、新型コロナの影響による消費者の健康意識向上などを背景にプラスとなった。情報通信機器・インフラは、ノートPCやスマートスピーカー、スマートウォッチ/ヘルスケアバンドがけん引して拡大した。OA機器/産業機器では、ページプリンターとインクジェットプリンターが半導体不足や生産拠点のロックダウンの影響で縮小したが、複写機/複合機、ドローン、監視カメラが好調で、プラスとなった。モビリティ/車載電装機器ではシステムの搭載義務化などにより車載カメラやミリ波レーダーを中心に好調で、プラスとなった。ユニット製品・部品では特に大型/中小型OLED、SSD、光トランシーバーが好調だった。
内容の詳細につきましては『2022 ワールドワイドエレクトロニクス市場総調査』をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)