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『デジタルID/認証ソリューションビジネス市場調査要覧 2022』まとまる(2022/7/21発表 第22081号)

デジタルID/認証ソリューションの国内市場を調査

2027年予測(2021年比)
デジタルID/認証ソリューションの国内市場 1兆4,863億円(80.4%増)
オンライン認証の増加やキャッシュレス決済の増加、物理的セキュリティの需要が高まる
ドライバー認証システムの国内市場 2,014億円(10.8倍)
価格低下や個人ドライバーの事故防止を背景に、顔認証システムの普及が進み、拡大

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、効率的なID管理の実現と、身元確認や本人認証、決済などの利活用で注目が集まるデジタルID/認証ソリューションの国内市場を調査した。その結果を「デジタルID/認証ソリューションビジネス市場調査要覧 2022」にまとめた。
 この調査では、認証ソリューション11品目、オンライン認証基盤7品目、認証アプライアンス14品目の市場動向を明らかにし、将来を展望した。また、金融、流通/店舗、サービス、レジャー/宿泊、物流、交通/運輸、企業、行政、教育、医療/保険/健康の10分野について調査を行った。

調査結果の概要
デジタルID/認証ソリューションの国内市場
 2022年見込2021年比2027年予測2021年比
認証ソリューション5,410億円115.2%9,638億円2.1倍
オンライン認証基盤501億円112.3%724億円162.3%
認証アプライアンス3,320億円107.3%4,501億円145.5%
合計9,231億円112.1%1兆4,863億円180.4%
市場データは四捨五入している。
NFC搭載スマートデバイスは汎用機器のため除いた。
 デジタルID/認証ソリューションの国内市場は、2022年に9,231億円が見込まれる。オンライン認証やキャッシュレス決済の増加、施設の立ち入りやデータの持ち出しなどを防ぐ物理的セキュリティの需要の高まりを背景に拡大しており、2027年の市場は2021年比80.4%増が予測される。  認証ソリューション市場は、キャッシュレスニーズの高まりで規模の大きいウォレットサービスや決済プラットフォームといった決済関連ソリューションが伸長しているため、2022年は前年比15.2%増が見込まれる。  今後も引き続きキャッシュレス化が進むほか、ウォレットサービスなどは、サービス利用を通して得られたID別の購入・マーケティング情報を分析することで、商品開発や販促に活用するデータ分析サービスの展開が予想され、決済関連ソリューションは堅調に伸びるとみられる。また、ドライバー認証システムが搭載車種の増加などを背景に大きく伸びることもあり、2027年の市場は2021年比2.1倍が予測される。  オンライン認証基盤市場は、ID活用における認証基盤として拡大しており、国際標準規格や法制度への対応ニーズによってすべての品目で伸長している。また、不正検知や本人認証などセキュリティ向上に対する需要増加の影響で、2022年は前年比12.3%増が見込まれる。  政府や企業がデジタルID活用を進める中、ID管理のインフラとして今後も重要度は増していくとみられる。特に、オンライン認証プラットフォームでは、管理するIDを他サービスへの認証にも活用する新ビジネスの展開が予想されるほか、オンライン上で本人確認を行うeKYCなども大きく伸び、2027年の市場は2021年比62.3%増の724億円が予測される。  認証アプライアンス市場は、バイオメトリクス(生体認証)や身元確認、本人認証を行う専用機器やサービスを対象とする。  2022年は、新型コロナ流行の影響が弱まり、行動制限の緩和により実店舗での消費活動が活発になることや設備投資が回復に向かうことから、QRコードリーダー・スキャナーや決済端末、POSシステムが伸びるため、市場は前年比7.3%増が見込まれる。  キャッシュレス化の進展に伴って決済処理に関係するそれらの品目が、引き続き伸長するとみられるため、2027年の市場は2021年比45.5%増が予測される。
注目市場
ドライバー認証システム
2022年見込2021年比2027年予測2021年比
357億円191.9%2,014億円10.8倍
 車に搭載され、顔や指紋を用いて個人を認証するシステムを対象とする。
 2022年は、9割強を占める顔認証システムが運転傾向の分析による事故防止、また、指紋認証がセキュリティ向上などを目的に導入されており、市場は前年比91.9%増の357億円が見込まれる。
 顔認証システムは高級車を中心に標準搭載が増えており、今後はシステムの低価格化によって搭載が増加するとみられる。一方、後付け搭載は、現状は社用車が中心であるが、今後は個人ドライバーでも搭載が進み、引き続き市場拡大をけん引すると予想される。また、指紋認証システムも搭載車種が堅調に増えるとみられるため、2027年の市場は2021年比10.8倍が予測される。
決済プラットフォーム
2022年見込2021年比2027年予測2021年比
2,674億円113.9%3,931億円167.5%
 加盟店と決済代行事業者や金融機関、決済サービス提供事業者などを繋げるネットワークの構築/運営、中継サービス/スイッチング、売上データ処理などのサービスを対象とする。政府のキャッシュレス推進により、クレジットカードやQRコード決済の利用が広がっており、複数の決済方法への対応が進んでいる。また、新型コロナ流行の影響によりキャッシュレス決済を選択する消費者も増えており、市場は堅調に伸びている。
 クレジットカード決済の取扱高の規模が大きいことから、決済ネットワークサービスの構成比が高く、今後も市場をけん引するとみられる。クラウド型決済プラットフォームは電子マネーだけでなく、マルチ決済への対応が進んでおり、経済活動の活性化もあり今後の伸びが期待される。QRコード決済プラットフォームはインセンティブ付与を背景に利用者が増加し、堅調に伸びている。
 今後はネットワーク同士を中継する機能だけでなく、顧客分析やマーケティングデータの提供も加わることから、2027年に向けて市場は拡大が予想される。
ID共通管理プラットフォーム(BtoC、BtoBtoC向け)
2022年見込2021年比2027年予測2021年比
17億円113.3%33億円2.2倍
 1つのIDで複数のサービスにログインできるID共通利用を実現するプラットフォームサービスのうち、BtoC、BtoBtoC向けのサービスを対象とする。市場は利用料で捉えた。
 米国や日本の大手IT事業者が、自社のIDやアカウントを他社サービスのログイン時にも利用できるようにしたことで、BtoC事業者における認知度が向上し、利用が広がっている。大手IT事業者のユーザー基盤と連携し利用客の裾野が広がるほか、本人認証が即時に行われサービス離脱を回避できるなどメリットが多いため、利用するBtoC事業者が増加しており、2022年の市場は拡大が予想される。
 今後も、サービスの認知度向上や利用する事業者の増加に伴う利便性の向上などを背景に拡大し、2027年の市場は2021年比2.2倍が予測される。
eKYC
2022年見込2021年比2027年予測2021年比
65億円130.0%116億円2.3倍
 本人確認書類における記述や運転免許証などの厚み、顧客の容貌などを認識し、オンライン上で本人確認を行う機能をネイティブアプリやWebアプリ、SDK(ソフトウェア開発キット)などで提供するシステムを対象とする。
 2022年は、法改正を受け導入が進んでいた金融事業者や通信キャリアなどの継続利用が堅調である。また、オンラインサービスでのなりすましや転売といった不正利用を防止するためチケット販売事業者、シェアリングサービス事業者などへの導入も進んでおり、市場は拡大が予想される。
 今後は、オンラインサービス事業者の導入増加や、コンビニエンスストアにおける酒類提供時の年齢確認目的など身元確認方法の法整備が厳密でない領域で利用が進むとみられる。また、金融関連での口座振替やローン審査、NFT(Non-Fungible Token)やメタバースなどのCtoC領域での利用範囲が広がるため、2027年の市場は2021年比2.3倍の116億円が予測される。
内容の詳細につきましては『デジタルID/認証ソリューションビジネス市場調査要覧 2022』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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