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『2022 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧』まとまる(2022/10/24発表 第22111号)

半導体パッケージやプリント配線板とそれらの材料、実装関連装置の世界市場を調査

2028年予測(2021年比)
半導体実装関連部品・材料・装置の世界市場 13兆6,331億円(49.0%増)
次世代自動車やインフラ関連機器のハイエンド製品向けが伸長
ガラス基材銅張積層板(低誘電対応)市場 5,200億円(4.8倍)
ハイエンドPCなど一部の民生機器やハイエンドサーバーなどで採用が進む

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、社会情勢の変化により需要が低迷する製品がみられる一方、サーバーや基地局などのハイエンド製品向けでは需要が増加している、半導体実装関連部品である半導パッケージやプリント配線板とそれらの材料、実装関連装置の世界市場を調査した。その結果を「2022 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」にまとめた。
 この調査では、半導体パッケージ3品目、半導体後工程関連材料7品目、プリント配線板7品目、基板関連材料12品目、放熱関連材料6品目、実装関連装置4品目、また、アプリケーション3品目の市場動向を調査した。

調査結果の概要
半導体実装関連部品・材料・装置の世界市場
2022 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧:半導体実装関連部品・材料・装置の世界市場グラフ
 2021年はリモートワークや巣ごもり需要の増加で各種電子機器が好調となり、半導体実装関連の市場は大幅に拡大した。
 2022年は中国のロックダウンやウクライナ問題などの影響のほか、中国や欧州経済の低迷に加え、2021年の市場拡大の反動により、民生機器向け半導体、基板関連の落ち込みが顕著となっている。一方で、サーバーや基地局関連のインフラ機器向けは好調なため、低誘電対応製品やFC-BGAなどは伸びている。為替変動の影響により、2022年の市場は円ベースでは伸びているが、需要は低迷している。
 2023年以降は、自動車向けが2023年の第一四半期、民生機器向けは2023年下期から回復が予想される。
 需要分野別では、スマートフォンなど既存の電子機器市場の飽和がみられる中、5G通信対応製品の需要増加が期待され、それらに対応するRFモジュール部やアンテナ部に採用される低誘電対応製品が伸びると予想され、Beyond5Gに向けた開発も進んでいる。
 また、EVやHVなどの次世代自動車やデータセンターなどの市場拡大が期待され、半導体パッケージでは大型FC-BGAパッケージや2.5D/3Dパッケージ、基板関連材料では低誘電対応製品、高放熱対応金属やセラミック製品などがハイエンド製品向けで需要が高まると予想される。
注目市場
窒化ケイ素基板
 2022年見込2021年比2028年予測2021年比
白板72億円124.1%120億円2.1倍
AMB287億円157.7%737億円4.0倍
合計359億円149.6%857億円3.6倍
 窒化ケイ素(Si3N4)の白板基材および白板にアルミ箔や銅箔を積層してエッチングで回路パターンを形成した回路基板となるAMB(Active Metal Braze)基板を対象とした。
 白板・AMBともにEVやHVのインバーター向けが大部分を占めている。特に、白板は全て自動車のインバーターで採用されており、大半がパワーカード向けである。AMBはインバーターのほか、DC-DCコンバーターや電動パワーステアリングなどに採用されている。
 2022年はEVやHVの好調により、市場は大幅に拡大するとみられる。EVはHVよりパワーモジュールの搭載数が多いため、2023年以降もEVの好調がAMBの需要増加をけん引すると予想される。
 また、自動車用途では高速充電器でもニーズがある。自動車以外のアプリケーションは、FA機器やパワーコンディショナーで採用されているほか、電鉄や通信機器での採用が検討されている。
FC-BGA基板
2022年見込2021年比2028年予測2021年比
1兆368億円134.2%1兆9,031億円2.5倍
 CPUや通信機器など高性能な多ピンロジックで採用されるFC-BGAの基板を対象とした。PCやゲーム機、自動車などの民生向けで4〜8層、サーバーやハイエンド通信機器向けでは10層以上の製品が採用される。
 2022年は需要をけん引してきたPC向けCPUが落ち込むとみられるほか、サーバー向けCPU新製品の発売が遅れるため、市場は拡大するものの、数量ベースでは緩やかな伸びが予想される。
 今後はサーバー向けのCPUやアクセラレーターチップ、車載SoCなどの好調が続くとみられるほか、サイズ/層数の向上に伴う単価アップが進むとみられる。特に、インフラ機器向けのサーバー向けCPUやアクセラレーターチップ、ハイエンド通信機器向けチップなどの高単価化が続くことで、市場は大幅な拡大が予想される。
ガラス基材銅張積層板(低誘電対応)
2022年見込2021年比2028年予測2021年比
1,308億円121.4%5,200億円4.8倍
 ガラス繊維を布状に編んだガラスクロスにエポキシ樹脂を染みこませたプリプレグと呼ばれる絶縁層に、回路層を書き込む銅箔を貼り合わせた製品で、Df:0.005以下の主にPPE樹脂などをベースとした製品を低誘電対応とした。
 2022年はサーバーや通信機器、基地局向けが比較的好調なため、市場は堅調に拡大するとみられる。2023年はIntelの新世代サーバー向けCPUが発売される予定であり、Very Low Lossクラスを中心に市場が大幅に伸びると予想される。
 今後は、サーバーやストレージに加え、ハイエンドPCなど一部の民生機器でVery Low Lossクラスの採用が進むほか、ハイエンドサーバーやAIアクセラレーターボード、400G超の通信機器などではUltra Low Lossクラスの採用が進み、市場は拡大が予想される。
内容の詳細につきましては『2022 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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