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『2023 イメージング&センシング関連市場総調査』まとまる(2022/11/25発表 第22125号)

センサーデバイスやカメラモジュール、レンズ関連の市場を調査

2028年世界市場予測(2021年比)
イメージング&センシング関連(デバイス・部材・装置) 15兆8,342億円(159.3%)
車載向けやXR向けの好調に加え、2024年以降、スマートフォン向けも回復し大きく伸長
LiDAR(2D・3D) 9,900億円(18.0倍)
2D LiDARは産業向け、3D LiDARは自動運転向けが増加

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、スマートフォン向けが外部環境要因や製品需要の飽和を背景に落ち込む中、自動車やクロスリアリティ(以下、XR)向けに注目が集まるイメージング&センシング関連の世界市場を調査した。その結果を「2023 イメージング&センシング関連市場総調査」にまとめた。
 この調査では、イメージング&センシング(技術)の関連デバイス・部材・装置として半導体デバイス7品目、光学ユニット11品目、光学部品6品目、光学関連材料5品目、光学関連装置2品目、関連アプリケーションとして14品目計45品目を対象に、イメージング&センシング関連の世界市場の現状を分析し、将来を展望した。

調査結果の概要
イメージング&センシング関連市場(デバイス・部材・装置)
 2022年見込2021年比2028年予測2021年比
全体11兆293億円110.9%15兆8,342億円159.3%
 光学ユニット7兆2,702億円110.5%10兆7,485億円163.4%
 光学部品1兆429億円120.9%1兆4,418億円167.1%
光学ユニット、光学部品は全体の内数
 イメージング&センシング(技術)で使用されるデバイス・部材・装置を対象とする。
 2022年は、スマートフォン向けが大きく落ち込んでいるものの、車載カメラとヘッドマウントディスプレイ向けが好調であり、為替の影響も加わって、市場は拡大するとみられる。
 2024年以降、スマートフォン生産が回復することにより、小型カメラモジュールなど関連部材が伸びると予想される。加えて、自動運転に向けた高度ADASの普及に伴って、車載カメラモジュールや車載カメラ用レンズユニット、LiDARなどが大きく伸長するとみられる。さらに、XR分野では、大手メーカーの参入によるヘッドマウントディスプレイの生産拡大やコンシューマーへの普及が期待され、また、ビジネス用途で採用が広がる可能性があることから、VR用接眼レンズを始めとする関連品目が伸長するとみられる。
 光学ユニットは、2022年は、最大規模の小型カメラモジュールがスマートフォン市場の落ち込みを受けて伸び悩んでいる。一方、自動運転レベルの進展に伴って、車載カメラモジュールや車載カメラ用レンズユニット、LiDARなど車載関連品目が伸びている。
 今後も高度な自動運転システムが普及することにより、車載関連は大きく伸びるとみられる。また、マシンビジョンカメラやバーコードリーダーモジュールが、工場の自動化やECの普及により堅調に推移するとみられ、2028年の市場は2021年比63.4%増が予測される。
 光学部品は、規模の大きい光学レンズ(ガラス・プラスチック)において主要用途であるモバイル機器の多眼化需要が収まりつつあるものの、車載カバーガラスといった車載向けや赤外カメラ用レンズは好調である。
 今後は、スマートフォンカメラが多眼化から高機能化にシフトするため、採用されるレンズ枚数が増えると予想される。また、車載カメラモジュール、ヘッドアップディスプレイの伸長といった車載向けの増加もあり、光学レンズ(ガラス・プラスチック)が伸びるとみられる。さらに、車載カバーガラスは、CID(センターインフォメーションディスプレイ)やメーターディスプレイの大型化に伴って曲面カバーガラスの採用が増えるほか、赤外カメラ用レンズが自動車用ナイトビジョンなどの市場の立ち上がりを受けて伸長するとみられ、2028年の市場は2021年比67.1%増が予測される。
注目市場(デバイス・部材・装置)
LiDAR(2D・3D)【光学ユニット】
2022年見込2021年比2028年予測2021年比
730億円132.7%9,900億円18.0倍
 LiDAR(Light Detection and Ranging)はレーザーを空間に照射することで空間情報をスキャンし、物体の有無などを認識するデバイスである。水平方向のみのスキャンを行う2D LiDAR、水平方向と垂直方向の両方を認識する3D LiDARを対象とする。
 2D LiDARは、AGV(無人搬送車)や半導体搬送用OHT(天井走行式無人搬送車)などの産業向けが好調であることや、新型コロナウイルス感染症の影響による人手不足、ECサイトの需要増加を背景としたサービスロボット向けニーズの高まりを背景に、伸長している。3D LiDARは、現状、スローモビリティ(低速で公道走行する小型車両)で採用が多い。2022年の市場は前年比32.7%増が見込まれる。
 今後、2D LiDARは、引き続きAGVや半導体搬送用OHTなどの産業向けが伸長するとみられる。3D LiDARは、自動運転車への搭載が進むとみられる。高い自動運転レベルを実現するため、1台当たりの搭載個数が増加することから、自動運転車市場の拡大と連動して普及が進むとみられる。2028年の市場は、2021年比18.0倍の9,900億円が予測される。
エリアイメージセンサー【半導体デバイス】
2022年見込2021年比2028年予測2021年比
2兆1,590億円104.2%2兆7,510億円132.8%
 光を電気に変換し画像を取得するイメージセンサーのうち、エリア型でシリコンベースの製品を対象とする。
 2022年は、中国を中心にスマートフォン向けの需要が落ち込んでいる。しかし、スマートフォンにおけるカメラの大型化や高画質化が進んでいるため、ハイエンドモデルを中心にエリアイメージセンサーの単価は上昇している。また、安全装備の搭載率上昇を背景とした自動車向けや中国における監視カメラ向けは底堅く、2022年の市場は前年比4.2%増が見込まれる。
 今後は、スマートフォン市場が回復に向かい、また、大型化や高画質化の進展などによって拡大が続くとみられ、2028年の市場は2021年比32.8%増が予測される。
車載カバーガラス【光学部品】
2022年見込2021年比2028年予測2021年比
490億円139.6%1,528億円4.4倍
 車載ディスプレイの保護や光の反射、映り込みを防ぐ目的としてタッチパネルの最表面に設置するカバーガラスを対象とする。
 プラスチックカバーから、カバーガラスへの置き換えにより、市場は拡大している。以前は欧州や北米、中国、韓国自動車メーカーでの採用が多かったものの、2021年以降、日系自動車メーカーでも採用が増加しており、2022年の市場は前年比39.6%増が見込まれる。
 現在は、大半が平面タイプであるが、自動車インテリアの変化に伴って、曲面カバーガラスのニーズが高まっている。曲面カバーガラスは高単価であるため、ハイエンド車種の中でもより上位車種での搭載が中心であるが、今後は、CIDやメーターディスプレイの大型化に伴って曲面カバーガラスの採用が増加し、市場は拡大するとみられる。
VR用接眼レンズ【光学部品】
2022年見込2021年比2028年予測2021年比
58億円187.1%497億円16.0倍
 ヘッドマウントディスプレイ向けの樹脂により成型されるプラスチックレンズを対象とする。ヘッドマウントディスプレイの市場に影響を受ける。
 2022年は、Meta Quest 2(Meta Platforms)が大きく伸長した前年に比べてヘッドマウントディスプレイの伸びは緩やかであるものの、需要は底堅いため、VR用接眼レンズの市場も拡大が予想される。
 今後は、デバイスの薄型化や小型化に伴って、現在主流のフレネルレンズから、高単価のパンケーキレンズにシフトすると予想される。また、2023年にはPlayStation VR2(ソニー・インタラクティブエンターテインメント)が発売されるほか、中長期にはAppleやMeta Platformsの新機種発売も予想され、ヘッドマウントディスプレイの伸びに伴い、2028年に向けて市場拡大が続くとみられる。
内容の詳細につきましては『2023 イメージング&センシング関連市場総調査』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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