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『ウェアラブル/ヘルスケアビジネス総調査 2023』まとまる(2023/2/27発表 第23023号)
ウェアラブル/ヘルスケア関連機器、システム・サービスの市場を調査
- ■2027年国内市場予測(2021年比)
- ■スマートシューズ 8億円(2.7倍)
ランニングブームや運動不足の解消が期待され需要増加- ■歩行/姿勢解析サービス 14億円(7.0倍)
リハビリの質向上ツールとして需要増加- ■フェムテック 71億円(24.6%増)
女性が抱える健康課題解決に向けた製品が増加し拡大- ■ウェアラブル/ヘルスケア関連機器、システム・サービス 1兆310億円(84.0%増)
パワーアシストスーツ、高齢者見守りサービスや介護支援システムなど介護関連が好調
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、高齢化社会の進展やオンライン診療の普及などにより需要が増加し、新たなサービス・ソリューションが登場していることから大きく拡大している、ウェアラブル/ヘルスケア関連市場を調査した。その結果を「ウェアラブル/ヘルスケアビジネス総調査 2023」にまとめた。
この調査では、ウェアラブル/ヘルスケア関連の機器18品目、システム・サービス15品目、計33品目の市場について、現状を調査し、将来を予想した。加えて、関連機器に搭載されるセンサーなどの注目デバイス/マテリアル6品目の市場を調査した。また、AIやIoT、DXの導入により、医療/介護/健康分野のサービス高度化を実現するヘルステック6品目の動向についてもまとめた。
- ■注目市場
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■スマートシューズの国内市場
2022年見込 2021年比 2027年予測 2021年比 4億円 133.3% 8億円 2.7倍
ランニングやウォーキング時に計測されるデータがスマートフォンやウェアラブル端末に連携され、パーソナライズ化されたフィードバックが可能な点が評価され市場は拡大している。
特定保健指導の対象者数は年々増加傾向にあり、スマートシューズを用いた運動不足の解消が注目されている。また、健康意識の高まりやランニングブームなどを背景に需要が増加し、今後も市場拡大が予想される。 -
■歩行/姿勢解析サービスの国内市場
2022年見込 2021年比 2027年予測 2021年比 4億円 2.0倍 14億円 7.0倍
介護保険で利用できる歩行に特化したトレーニング施設が増えているほか、科学的介護情報システム(LIFE)の活用により、科学的根拠に基づくサービス提供が求められることから需要が増加し、介護関連施設への導入が進み、2022年の市場は2021年比2.0倍の4億円が見込まれる。
BtoC向けでもシューズメーカーと連携した実証実験が展開されている。今後本格的にスポーツ業界に浸透し、市場拡大を支えていくと予想される。また、2023年以降にリハビリの質を高めるためのツールとして、データ分析によるデータの二次活用や他サービスとの連携が進むことで、今後も継続的に市場は拡大すると予想される。 -
■ヒアラブルデバイスの国内市場
2022年見込 2021年比 2027年予測 2021年比 465億円 110.7% 575億円 136.9%
オーディオ用途として成長しており、ファッショナブルかつ装着性の高さを訴求した製品が好調で、2022年の市場は拡大が続いている。
高音質圧縮フォーマットの登場やBluetoothの性能向上により、ワイヤード製品と音質面の差がなくなっていることや、低価格化が進んでいることで、2023年以降も市場は拡大するとみられる。また、心拍モニタリングを搭載する製品の登場や、バイタルデータを取得するデバイスとしても製品化が加速しており、今後ヘルスケア用途のニーズ増加が市場拡大を後押ししていくと予想される。 - ■調査結果の概要
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■ウェアラブル/ヘルスケア関連機器、システム・サービスの国内市場
2022年見込 2021年比 2027年予測 2021年比 機器 3,113億円 115.7% 5,026億円 186.8% システム・サービス 3,280億円 112.7% 5,283億円 181.5% 合計 6,393億円 114.1% 1兆310億円 184.0% -
機器は、新型コロナに伴う特需で伸びた体温計やパルスオキシメーターなどがその反動から需要が減少している。一方で、スマートウォッチやBtoBのAR/VRニーズが増えているスマートグラス/HMD、音楽鑑賞に加えバイタルデータ取得が可能な製品が増えているヒアラブルデバイスなどが成長し、市場拡大をけん引している。今後は、ベッドシート型センサー、パワーアシストスーツといった高齢者向け機器などが、補助金の効果もあり需要増加が予想され、市場は拡大するとみられる。
システム・サービスは、BtoC向けはバイタルデータの収集が可能なウェアラブル端末の普及が進んでいることや、健康意識の高まりから需要が増えている。BtoB向けは企業の健康経営意識の高まりから従業員向けの健康管理ビジネスが成長している。また、オンライン診療や服薬指導など新たなサービスの需要増加や、補助金の後押しにより介護関連のシステム・サービス需要関連が堅調であることから、2022年の市場は拡大が予想される。今後は、高齢者人口の増加や核家族化に伴う、家族の安全/安心への配慮ニーズにより、高齢者見守りサービスや介護支援システムが堅調に伸びると予想される。また、PHR関連システム、オンライン医療ソリューションなどBtoB向けが大幅に伸びるとともに、新たながん検査の登場により簡易検査サービスの利用増加も期待される。
カテゴリー別にみると、介護関連は、家庭向けで市場規模の大きい高齢者見守りサービスが伸びている。介護施設向けではIT補助金が継続的に支給されていることから、業務効率化につながる介護支援システムの需要が高まっており、スマートフォンやタブレット端末、ベッドシート型センサーを組み合わせた販売が増えている。今後もパワーアシストスーツや歩行/姿勢解析サービスの伸びが期待され、市場は拡大が続くと予想される。
健康管理/増進は、BtoC向けに展開する健康管理支援サービスの有料会員が増えていることに加え、健康意識の高まりからアレルギー可視化ソリューションや、スマートウェア、スマートシューズといった、健康維持のためにバイタルデータ取得を可能とする製品の需要が増加している。
医療関連は、新型コロナの感染拡大を契機に利用が増えたオンライン医療ソリューションと、新型コロナの重症化リスクが検査できるDTC遺伝子検査サービス、また、線虫によるがん検査が開始され利用が急増している簡易検査サービスが好調である。一方、新型コロナ流行による特需の反動で需要が減少している機器が多く、今後も機器の伸びは鈍化するとみられる。
ヘルスケア周辺機器は、ウェアラブル端末が中心で、ヘルスケア以外の用途を目的に購入されることも多い。機能向上により実用的な時計としての活用が増えているスマートウォッチに加え、AR/VRコンテンツの増加、メタバースといった新たな概念の登場によって需要が増加するスマートグラス/HMDが今後もけん引することで、2027年にかけて市場は大幅に拡大すると予想される。 -
■ヘルステックの国内市場
2022年見込 2021年比 2027年予測 2021年比 ベビーテック 121億円 103.4% 178億円 152.1% フェムテック 57億円 100.0% 71億円 124.6% スキンケアテック 1億円 100.0% 4億円 4.0倍 スポーツテック 354億円 120.4% 725億円 2.5倍 スリープテック 1,150億円 129.1% 1,734億円 194.6% ブレインテック 16億円 133.3% 31億円 2.6倍 合計 1,699億円 123.9% 2,743億円 2.0倍
スリープテックは、ヘルスケアバンド、スマートウォッチ、スマートウェア、ベッドシート型センサーなどの機器と睡眠改善/支援サービスを対象とする。6割以上の構成比を占める背景には、スマートウォッチにおける睡眠計測機能の搭載増加などにより、睡眠に関するデータの活用需要が増えている点があげられる。特に、企業での従業員向けの睡眠改善/支援サービスなどが増加しているほか、今後は医療分野でも睡眠データビジネスの需要が増えると予想される。
スポーツテックは、GPSデバイス、腕装着型デバイス(ランニングウォッチ/スマートウォッチ<スポーツ用途>/ヘルスケアバンド)、スマートシューズなどの機器と、アプリケーション・ソフトウェアサービス、データ分析/解析ソリューションを対象とする。スポーツ領域におけるテクノロジーの導入は、プロアスリートやプロクラブを中心としてきたが、近年では、コンシューマー向けの製品展開やアマチュア/学生向けのサービス展開が増えており、ユーザー層の裾野の広がりにより、市場は拡大している。今後はウェアラブル端末を活用した動きの可視化が活発化することで好調が続くとみられる。
フェムテックは、体温計、電子母子健康手帳とオンライン診療(ピル処方)、簡易検査サービス、健康管理支援サービスを対象とする。2021年に経済産業省の補助金事業が開始し、参入企業が増加している。今後は、女性が抱える健康課題解決に向けた製品が増加するとみられ、オンライン診療(ピル処方)、簡易検査サービス、電子母子健康手帳などが大きく伸びると予想される。
内容の詳細につきましては『ウェアラブル/ヘルスケアビジネス総調査 2023』をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)