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『2023 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望』まとまる(2023/7/19発表 第23082号)
ディスプレイデバイス、関連部材の世界市場を調査
- ■2028年市場予測
- ■ディスプレイデバイス 16兆6,120億円
QD-OLED、RGB蒸着フォルダブルOLED、マイクロOLED、マイクロLEDなどが増加- ■Y-OCTA用オーバーコート剤 25億円
RGB蒸着プラスチック・フォルダブルAMOLEDで「Y-OCTA」採用が進むほか、「F-OCTA」の採用が増えるため、需要が増加- ■QDインク 233億円
QD-OLEDの生産増加に加え、QD-マイクロLED向けが増加
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、2022年から続く生産調整から徐々に回復するTFT LCD、TVとスマートフォン用途に加えてノートPCやタブレット端末などのIT機器で採用が増加するOLED、TVやスマートグラス用途で需要が期待されるマイクロLEDといったディスプレイデバイスの世界市場について調査した。その結果を「2023 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望」にまとめた。
この調査では、ディスプレイデバイス10品目の最新市場動向を調査し、将来を予想した。加えて、それらを構成する部品材料や関連するアプリケーション機器の市場についても捉えた。
- ■調査結果の概要
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■ディスプレイデバイスの世界市場
2022年はTVやPCモニター、ノートPCなどの販売が低迷したことから、市場は前年比減少となった。
2023年はTV向けが回復しているほか、HMD向け、車載向けなどは堅調に伸びている一方で、IT機器向けパネルは需要縮小が続いているため、市場は15兆5,838億円が見込まれる。
タイプ別ではTVやPCモニターなど大型用途において主力であるa-Si TFT LCDのウェイトが高いが、前年に続き減少するとみられるほか、ハイエンドTV、ハイエンドノートPCで採用が多いW-OLEDやOxide TFT LCDの落ち込みが大きいとみられるものの、ハイエンドスマートフォンにおけるRGB蒸着プラスチックOLEDの採用増加により、市場は前年比微増に留まるとみられる。
今後はハイエンドTVで採用されるQD-OLEDやスマートフォンの最上位機種で採用が進むRGB蒸着フォルダブルOLED、スマートグラスでの採用増加が期待されるマイクロOLED、次世代ディスプレイとして注目されるマイクロLEDなどの増加が予想される。 -
■ディスプレイ関連部材の世界市場
2023年見込 2028年予測 LCD・OLED共通関連部材 1兆44億円 1兆1,969億円 LCD関連部材 1兆3,687億円 1兆6,684億円 OLED関連部材 3,082億円 4,719億円
LCD関連部材の市場は、2022年はTV向けTFT LCDの生産調整が行われた影響を受け、大幅に縮小した。2023年に入るとTV向けTFT LCDの生産が回復しており、市場は伸びるとみられる。
OLED関連部材の市場は、2022年は大幅に拡大した。最も高い成長率となったのは、QD-OLEDで採用されるQDインクで、今後も伸びるとみられる。2023年はフォルダブルスマートフォンに搭載されるフレキシブルガラスが採用機種の増加により大幅な伸長が予想される。 - ■注目市場
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■Y-OCTA用オーバーコート剤
2023年見込 2028年予測 13億円 25億円
「Y-OCTA」は薄型化やコストダウンに寄与することから、Samsung El.「Galaxy」シリーズとApple「iPhone」シリーズに採用され、市場が立ち上がった。2021年までは韓国パネルメーカーの採用が中心だったが、2022年から中国メーカーの採用が増加しており、使用されるオーバーコート剤の2023年の市場は13億円が見込まれる。
2023年現在、パネルメーカーのOLEDラインは「Y-OCTA」を前提とした設計になっており、今後RGB蒸着プラスチック・フォルダブルAMOLEDでは「Y-OCTA」の採用が大半を占めるため、オーバーコート剤の需要も増加するとみられる。また、従来の無機膜と比較し折り曲げ性の向上や生産効率の向上が期待できる「F-OCTA」の開発が行われており、2024年にはApple「iPad」での採用が期待されるほか、Samsung Displayなどが開発投資を行っているIT機器向けリジッドOLEDのG8.7でも採用が検討されている。「F-OCTA」は2026年にはAppleのノートPCでの採用が期待されるため、2028年のオーバーコート剤の市場は25億円が予測される。 -
■QDインク
2023年見込 2028年予測 151億円 233億円
2021年にSamsung DisplayがQD-OLEDの量産を開始したことで市場が立ち上がっており、現在はQD-OLEDでのみ採用されている。2022年はTV需要の低迷によるTV向けQD-OLEDパネルの低調から、市場の伸びは当初予想を下回る結果となった。
2023年はTV向け、PCモニター向けQD-OLEDパネルの生産が回復するとみられ、市場も順調に拡大すると予想される。
また、2027年以降にSamsung DisplayのQD-OLEDの新規ラインが稼働するとみられ、需要が増加するほか、2026年から2027年にかけてSamsung El.が青色LEDとQD-CFを組み合わせるマイクロLEDの量産を目指しており、QD-マイクロLED向けの需要増加が予想される。
内容の詳細につきましては『2023 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望』をご覧ください。
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- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)