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『デジタルサイネージ市場総調査 2023』まとまる(2023/7/27発表 第23085号)

デジタルサイネージの国内市場を調査

2027年予測(2022年比)
デジタルサイネージ市場 3,294億円(65.4%増)
新規・追加導入とリプレースの安定的な需要、付加価値提案の増加により、拡大
デジタルサイネージアドネットワーク市場 550億円(6.3倍)
メディアの媒体価値向上などが期待され、広告ビジネスの拡大をけん引

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、ディスプレイの大画面化・軽量化、ネットワーク環境の整備・低コスト化により幅広い分野で導入が進み、関連ソリューションとの連携といった活用提案が活発化しているデジタルサイネージ市場を調査した。その結果を「デジタルサイネージ市場総調査 2023」にまとめた。
 この調査では、デジタルサイネージ市場の分析に加え、需要分野別にも捉えた。また、導入される機器/システム18品目、周辺/関連ソリューション10品目の市場も併せて調査した。

調査結果の概要
デジタルサイネージの国内市場
 2022年2027年予測2022年比
システム販売/構築市場998億円1,477億円148.0%
コンテンツ制作/配信サービス市場379億円517億円136.4%
広告ビジネス市場615億円1,300億円2.1倍
合計1,992億円3,294億円165.4%
 2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響による人流抑制に伴う広告出稿の停滞により需要が低迷したが、2021年から市場は回復に向かっている。2022年は新型コロナの影響が緩和してきたことで人流が戻り、小売店舗/商業施設を中心に各分野で需要が回復に向かったほか、大手コンビニエンスストアでの本格導入開始もあり、市場は1,992億円と前年比二桁近く伸びた。
 2023年は、大手コンビニエンスストアでの導入によるシステム販売/構築の伸び、外出機会や訪日外国人の増加といった人流回復、デジタルサイネージアドネットワークの普及による広告ビジネスの好調などにより、市場は前年比11.4%増の2,219億円が見込まれる。
 2024年以降は、2025年にかけて「大阪・関西万博」を見据えた設備投資の活発化により前年比二桁増が続くと予想される。その後も新規・追加導入に加えリプレースによる安定的な需要や、ソリューションと連携したデジタルサイネージの付加価値提案の増加により、2027年の市場は3,294億円が予測される。
【システム販売/構築市場】
 サイネージ用ディスプレイとSTBなどの配信システムを対象とし、周辺機器や設置施工費なども含む。
 2022年は、新型コロナの影響により導入/検討を先送りしていたユーザーによる導入、コロナ禍でも業績好調なドラッグストアチェーンでの導入、コンビニエンスストアの本格導入により、市場は前年比二桁増となった。
 2023年は、コンビニエンスストアに加え、チェーン店から小規模店舗まで幅広いユーザーによる導入が進み、市場拡大が続くとみられる。また、2024年から2025年にかけては「大阪・関西万博」を見据えた設備投資が活発化し、その後も導入増加が期待されることから、2027年の市場は1,477億円が予測される。
 なお、ディスプレイについては、大型モニターが市場をけん引している。また、狭ピッチ化と低価格化が進むフルカラーLEDディスプレイの導入が屋外に加えて、小売店舗/商業施設や交通機関など屋内でも増えている。
【コンテンツ制作/配信サービス市場】
 配信システムのサービス料と配信サービス導入ユーザー向けコンテンツ制作料を対象とした(サーバー利用料含む)。
 2022年のコンテンツ制作/配信サービス市場は前年比6.8%増と堅調に拡大した。
 クラウド型の配信サービス(CMS)を提供する事業者の増加や、チェーン店を中心とした配信システムの新規導入により、配信システム稼働数は増加している。今後もクラウド型配信サービスの低価格化や配信サービスの認知浸透により、導入規模の大小を問わず利用が増えていくため、市場は拡大が予想される。また、大手を中心とした小売店舗、商業施設、外食店舗、レジャー/アミューズメント施設で一括配信による業務効率化を目的に導入が増加するとみられる。
【広告ビジネス市場】
 ディスプレイを活用した広告の広告料を対象とした。
 2022年は、クライアントの業績悪化や人件費/光熱費の上昇を背景とした広告宣伝費削減の影響もあり、人流が回復したものの、前年比7.9%増と伸びは緩やかだった。今後はデジタルサイネージアドネットワークの普及による媒体価値上昇や相乗効果によりさらなる広告出稿が期待されることや、インフォメーション用サイネージの広告利用が広がることで、2027年の市場は2022年比2.1倍が予測される。
 分類別では、これまで市場をけん引してきた交通広告では、鉄道車両内のサイネージの需要回復がやや遅れているが、鉄道の駅構内やコンコース、タクシー車両などのサイネージは好調である。
 インストアメディア他は、スーパー/ドラッグストアなどのリテールチェーン、自治体施設が引き続きけん引する中で、エレベーター内でのサイネージの増加や、改正銀行法の施行による銀行や信用金庫でのサイネージの広告利用、コンビニエンスストアを含む大手リテールチェーン各社による販促用サイネージの広告利用が増えていることから、高い伸びが期待される。
 ビルボード(屋外ビジョン)は2021年以降、「クロス新宿ビジョン」の3D動画(巨大猫)が大きな注目を集めたほか、プログラマティック型の広告配信プラットフォームの登場もあり、再評価されている。また、デジタルサイネージアドネットワークによる他媒体との連携/一括配信なども増えていくとみられる。
周辺/関連ソリューション市場
2022年2027年予測2022年比
623億円1,626億円2.6倍
 周辺/関連ソリューションは、デジタルサイネージの付加価値や利便性の向上などを目的に導入されるソリューション10品目を対象とした。
 AIやカメラ、ネットワークを活用した情報取得/発信の高度化に加え、安全配慮やBCP対策、店舗の少人化/無人化、ポスターなど紙媒体の貼り替え負担軽減による業務のDX化、利用者/来店客のデータ取得や分析/解析によるマーケティング用途、表示コンテンツ/広告の最適化などを目的とした導入が増加している。
 2022年は、設備投資を再開するユーザーが増えたことから、導入が進み、市場が拡大した。中でも、防災/減災ソリューション、属性取得/動線分析ソリューション、混雑/利用状況可視化ソリューション、多言語対応ソリューション、建設/工事現場向けソリューションは前年比二桁増となった。
 2023年以降は、インバウンド需要が回復に向かうとみられることや、2025年に開催を控える「大阪・関西万博」でのニーズの高まりを背景に、特に多言語対応ソリューションの伸びが予想される。
注目市場
デジタルサイネージアドネットワーク
2022年2027年予測2022年比
87億円550億円6.3倍
 広告を一括配信できるアドネットワークサービスのうち、デジタルサイネージ向けに広告配信を行うサービスを対象に、同サービスを利用した広告料を算出した。従来型のデジタルサイネージ広告とは異なり、広範囲のデジタルサイネージ媒体をネットワークで接続し、一括で多面的・効率的な広告配信が可能となる。
 2021年は「東京オリンピック・パラリンピック」開催による企業広告特需もあり、市場が拡大した。2022年はタクシー向けが堅調だったほか、トイレや携帯電話ショップなど屋内の中小型ディスプレイ向けの配信が新たに開始され、面数の多い屋内広告配信で活用が進み、市場が拡大した。
 2023年以降も、人流の回復に加え、既存のサイネージシステムと連携することで、デジタルサイネージアドネットワークを活用した広告需要が増加し、2027年の市場は550億円が予測される。各メディアの媒体価値向上や集稿率向上/媒体売上の拡大が期待され、広告ビジネスの拡大をけん引していくと予想される。
内容の詳細につきましては『デジタルサイネージ市場総調査 2023』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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