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『2023 DX/Web3.0を実現するデジタルテクノロジーの将来展望』まとまる(2023/8/29発表 第23095号)

Web3.0関連技術市場、Web3.0を活用した商取引市場を調査

2030年度予測(2023年度見込比)
Web3.0を活用した商取引市場 22兆2,907億円(57.0倍)
 その内Web3.0で創出される市場は3兆6,679億円(63.1倍)

セキュリティトークンを使った投資やデジタル証明におけるブロックチェーンの活用が広がる

Web3.0を活用した商取引は、Web3.0技術を使ったECと、Web3.0技術により創出が期待される商取引の合算とし、最終商品が消費者に販売されるまでの商取引金額(部品調達金額、商品の流通金額、消費者への販売金額など)の合計
 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、新たな産業・未来社会を実現するDX/Web3.0に関連するサービスやプロダクト、ネットワークの市場を調査した。その結果を「2023 DX/Web3.0を実現するデジタルテクノロジーの将来展望」にまとめた。
 Web3.0は、ブロックチェーン技術を活用した次世代の分散型インターネット概念である。ブロックチェーンを活用することでGAFAMなどのプラットフォームを介さず自律分散的にデータが管理され、価値の共創・保有・交換が可能となる。なお、Web1.0は黎明期のインターネットを指し、テキストなどを中心に構成された情報をユーザーが消費/閲覧するのみのインターネットの姿を表す概念、Web2.0は、ユーザーがプラットフォーム上で情報の発信ができる双方向的な概念である。

調査結果の概要
Web3.0を活用した商取引市場
 2023年度見込前年度比2030年度予測2023年度見込比
Web3.0を活用したEC市場(Web3.0-EC)3,327億円2.7倍18兆6,240億円56.0倍
Web3.0で創出される市場(Web3.0-native)581億円141.7%3兆6,667億円63.1倍
合計3,908億円2.4倍22兆2,907億円57.0倍
市場は取引金額の合計を対象とする。
 Web3.0-ECは既存のEC(電子商取引)のうちWeb3.0を活用した商取引を対象とする。今後、一般消費者による暗号資産などの利用や、ステーブルコインを活用した企業間決済の増加で拡大が予想される。加えて、製造業、流通業を中心としたトレーサビリティシステムの拡充や、NFT(非代替性トークン)を活用したデジタルマーケティングの進展も拡大を後押しすることが期待され、市場は大きく拡大するとみられる。
 Web3.0-nativeは、Web3.0により新たに創出される商取引市場である。具体的にはセキュリティトークンを用いた投資・資金調達やデジタル証明/認証領域でのブロックチェーンの活用による商取引であり、今後市場拡大が予想される。加えて、権利や契約をブロックチェーン/NFTなどで管理、流通させ、商取引が拡大することや、デジタル地域通貨やDAO(分散型自律組織)などを活用して地方創生への投資が活発化することも期待できる。
Web3.0関連技術の市場
 データ収集・蓄積
 2023年度見込前年度比2030年度予測2023年度見込比
全体2,045億円120.2%4,149億円2.0倍
 データ取引市場5億円166.7%70億円14.0倍
データ取引市場は全体の内数
 DX推進に必要不可欠なデータ基盤の整備に関わるIoT機器の制御や、データの管理・連携を支援するプロダクトを対象とする。2023年度時点ではあらゆるデータの蓄積・保管を行うデータレイク/データウェアハウス、企業の社内外システムを連携するデータ連携ツール、IoTシステム開発機能を提供するIoTプラットフォームなどの規模が大きい。
 近年、DX推進に伴い企業内のデータ基盤整備が進んでいる。2023年度時点では国内海外間、異業種間、企業間のデータ連携環境が整備されつつあり、今後はデータレイク/データウェアハウスで蓄積・管理したデータを、データシェアリングプラットフォームによって共有・利活用し、将来的にはデータ取引市場の確立により保有データの提供や販売に発展するなど、データ利活用が活発化し、データを起点として企業・産業・社会が変革するデータ・ドリブン・エコノミーの進展が期待される。
 データ取引市場は2023年度時点では黎明期であるが、市場の確立に向けた取り組みが推進されている。現状、データ提供者はデータ生成/保有者やデータ関連事業を展開するベンダーなどが主体であるが、将来的には自社の保有データを資産として活用するデータマネタイゼーションに取り組む企業が増加するとみられる。多くの企業が参加することにより提供データが充実し、さらなる伸びにつながると予想される。
 AI/アナリティクス
 2023年度見込前年度比2030年度予測2023年度見込比
全体1,207億円113.8%2,218億円183,8%
 XAIソリューション30億円120.0%146億円4.9倍
XAIソリューションは全体の内数
 収集・蓄積したデータを利活用するプロダクトの市場であり、サービスとしては機械学習プラットフォームやAIエンジン、自動対話型のチャットボット、蓄積したデータの加工・処理サービス(アノテーション)、AIモデルの構築・学習過程や推論結果の根拠を説明する機能を付与するソリューション(XAIソリューション)、顔認証などがある。
 企業のDX推進の動きが広がることにより、蓄積データの利活用に向けた投資も活発化し、2023年度はすべての品目が順調に伸びるとみられる。今後もDX推進やAIの社会実装が進むことでAI基盤やAIを搭載したプロダクトの需要増が予想される。
 2023年度以降生成系AIへの注目度が急速に高まっており、今後AIを導入する企業が増えるのに伴い、AIの導入・活用に関わる品目の需要が増加するとともに、リスクや著作権保護などに対応するサービス・プロダクトの発展も予想される。
 XAIソリューションは欧州などでAI規制の強化が起こったことを背景に、国内でも「説明可能なAI」「責任あるAI」への注目が高まり、AI導入が進む大手企業などで実証実験が進んでいる。今後もAIが広がることでリスク対応やガバナンスへの対応も必要性を増しXAIの活用が増えるとみられる。
 Web3.0/ブロックチェーン
 2023年度見込前年度比2030年度予測2023年度見込比
全体157億円127.6%550億円3.5倍
 デジタルアセット発行・管理40億円133.3%158億円4.0倍
デジタルアセット発行・管理は全体の内数
 Web3.0/ブロックチェーン環境構築を支援するサービス、プロダクトの市場である。ネットワークの構築、ブロックチェーン上でのアプリケーション開発環境の提供などを行うブロックチェーン基盤、ブロックチェーン技術を活用したシステム等の開発を支援するブロックチェーン開発、デジタル通貨やデジタル証券の発行・管理に関わるデジタルアセット発行・管理、NFTの発行・管理・運営を支援するHFT開発、暗号資産取引に関する各種機能を提供する暗号資産取引所システムを含む。またメタバースプラットフォームも対象とする。
 短期的にはブロックチェーンを活用したトレーサビリティや証跡管理システムの運用が進んでいるほか、デジタル証券・デジタル通貨の実用化加速、デジタルマーケティングにおけるNFT活用の広がりなどが予想される。
 将来的にはWeb3.0関連ビジネスがさらに活発化し、一般消費者への暗号資産やブロックチェーン技術の認知が進み、投機目的以外の活用が増加して市場は大幅な拡大が予想される。
 デジタルアセット発行・管理はステーブルコインやセキュリティトークンといったデジタル通貨・証券の発行・管理を行う。2020年の金融商品取引法改正以降、大手金融機関を中心にデジタル通貨などへの取り組みが進んでおり、2023年度は不動産投資や社債の小口取引での利用など、金融機関以外への広がりがみられる。今後社会への浸透が進み長期的に市場が拡大していくとみられる。またステーブルコインは暗号資産取引などから活用が始まり、将来的には決済手段の一つとして浸透することが期待される。
内容の詳細につきましては『2023 DX/Web3.0を実現するデジタルテクノロジーの将来展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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