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『2024 高周波/高速伝送関連市場の将来展望』まとまる(2023/11/22発表 第23124号)

高周波/高速伝送通信対応デバイス・材料の世界市場を調査

2035年の世界市場予測(2022年比)
高周波/高速伝送通信対応デバイス・材料 18兆6,643億円(2.1倍)
5G通信における高周波帯の追加や6G通信への投資本格化などを背景に市場拡大
サーバー用多層基板 8,426億円(3.1倍)
2024年以降も、AIサーバー向けは好調
汎用サーバー向けは規格変化でUltra Low Loss対応品の需要が増え、単価が上がる

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、5G通信における高周波帯の追加やNSA方式からSA方式へのネットワーク置き換え、6G通信の投資本格化などを受け、今後の需要増加や製品開発が期待される、高周波/高速伝送通信に対応するデバイスや材料の世界市場を調査した。その結果を「2024 高周波/高速伝送関連市場の将来展望」にまとめた。
 この調査では、端末向け通信デバイス・モジュール11品目、インフラ向け通信機器・デバイス7品目、コネクター・受動部品6品目、高周波/高速伝送関連材料3品目を対象に、高周波/高速伝送通信対応デバイス・材料の世界市場を明らかにし、将来を展望した。また、高周波/高速伝送通信を活用するアプリケーション8品目の市場についても調査を行った。

調査結果の概要
高周波/高速伝送通信対応デバイス・材料の世界市場
 2023年見込2022年比2035年予測2022年比
端末向け通信デバイス・モジュール5兆2,647億円102.9%7兆9,512億円155.3%
インフラ向け通信機器・デバイス3兆2,173億円102.7%8兆7,014億円2.8倍
コネクター・受動部品4,173億円100.2%5,045億円121.1%
高周波/高速伝送関連材料2,765億円107.9%1兆5,071億円5.9倍
合計9兆1,758億円102.8%18兆6,643億円2.1倍
市場データは四捨五入している
 2023年はスマートフォンや基地局などのセット機器の市場が苦戦しているため、端末向けやインフラ向けのデバイス・材料の需要は低調であるものの、円安の影響で市場は前年比2.8%増が見込まれる。
 2024年以降は5G通信における6GHzを超えた高周波帯の追加に加え、ネットワークをNSA(ノン・スタンドアローン)方式からSA(スタンドアローン)方式へ置き換える目的の設備投資が増加するとみられる。2028年頃からは、6G通信実現に向けた設備投資の本格化も予想され、2035年の市場は18兆6,643億円が予測される。
 端末向け通信デバイス・モジュールは、通信量の増大による繋がりにくさを解消するため、通信キャリアなどがWi-Fiアクセスポイントを増やしていることからWi-Fiチップが大きく伸びている。
 Wi-FiチップはSub6を超える高速伝送が可能であり、今後は、情報通信機器だけではなく自動車や家電などさまざまな機器へ搭載されることから、Wi-Fiチップが引き続き市場拡大をけん引するとみられる。
 インフラ向け通信機器・デバイスは、2023年は通信キャリアの設備投資が低調であるため、市場は前年比2.7%増にとどまるとみられる。今後、基地局やサーバー、ルーター、スイッチといったインフラ機器内部や機器間伝送が高速化するとみられ、電気信号と光信号を相互に変換する光トランシーバーの伸びが予想される。
 コネクター・受動部品は、セット機器に必須であり、2023年の市場は4,173億円が見込まれる。2024年以降、新たな周波数の追加に伴う基地局の増加やSub6以上に対応したスマートフォンの登場によってRFモジュールの需要が高まるため、使用されるMLCC(積層セラミックコンデンサー-)やインダクターが伸長するとみられる。
 高周波/高速伝送関連材料は、2023年はサーバーやスイッチ、ルーターなどへの設備投資増加により、多層基板用低誘電CCL(Copper Clad Laminate)と低誘電CCL用樹脂が伸びている。
 AIサーバーをはじめ今後はサーバーの最大通信速度の向上が求められるほか、車載ミリ波レーダーでの需要増加などを背景に、引き続き多層基板用低誘電CCLと低誘電CCL用樹脂が大きく伸長するとみられ、2035年の市場は2022年比5.9倍が予測される。
注目市場
サーバー用多層基板
2023年見込2022年比2035年予測2022年比
2,398億円88.4%8,426億円3.1倍
 汎用サーバー向けは16層以下の多層基板が用いられ、AIサーバーなどハイエンドサーバー向けは18層以上の高多層基板が採用されている。
 2023年は、高価格なAIサーバー向けが好調である。一方、7割程度を占める汎用サーバー向けは、サーバーの出荷台数減少やEMS(電子機器の製造受託企業)の基板在庫増加によって需要が減少しており、市場は前年比11.6%減が見込まれる。
 2024年は、AIサーバー向けは、引き続き好調が予想され、中長期的にも堅調な需要を維持することから今後の市場拡大に貢献するとみられる。汎用サーバー向けはPCI Express7.0規格への移行により、低誘電化への対応が進み、Very Low LossからUltra Low Loss対応品へ需要が移り単価上昇が予想されるため、2035年に向けて市場は拡大が予想される。
多層基板用低誘電CCL
2023年見込2022年比2035年予測2022年比
1,766億円110.2%1兆2,523億円7.8倍
 ガラス繊維を布状に編んだガラスクロスにエポキシ樹脂などを染み込ませた絶縁層(プリプレグ)に、回路層を書き込む銅箔を貼ったもので、サーバーや通信機器や基地局で使用される。最大通信速度が速い順にSuper Low Loss、Ultra Low Loss、Very Low Lossと分類できる。
 2023年は、Ultra Low Lossグレードを中心にAIアクセラレータ-チップ向けが伸長している。AIサーバーのスイッチやルーター向けにSuper Low Lossグレードも急伸しており、市場は前年比10.2%増が見込まれる。
 AIサーバー向け通信機器では、求められる最大通信速度がさらに高まると予想され、今後はSuper Low Lossの需要が増加するとみられる。また、Ultra Low Lossの多層基板が車載ミリ波レーダー向けで増加しているほか、ゲーミングPCやノートPCでの採用も増えており、使用される低誘電CCLも伸長が予想されるため、2035年の市場は2022年比7.8倍が予測される。
低誘電CCL用樹脂
2023年見込2022年比2035年予測2022年比
200億円122.0%1,670億円10.2倍
 Super Low Loss、Ultra Low Loss、Very Low Loss対応品のCCLに使用される樹脂を対象とする。CCLの主剤のほか、柔軟性や靭性などの機能付加を目的に使用される。
 2023年は、AIサーバー向けの需要増加により、Super Low LossやUltra Low LossのCCLが好調であるため、使用される樹脂も伸長しており、市場は拡大するとみられる。
 1.6TbEの通信機器では100G×16レーンの転送方法から始まるとみられ、今後はSuper Low Lossの採用が進むと予想される。2020年代後半から2030年にかけて、より効率的なデータ転送を行う200G×8レーンが本格化しSuper Low Lossを超えるCCLのニーズが高まるため、樹脂の需要も増加するとみられ、2035年の市場は2022年比10.2倍が予測される。
内容の詳細につきましては『2024 高周波/高速伝送関連市場の将来展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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