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『車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2024 上巻』まとまる(2024/2/16発表 第24018号)
車載電装システムの世界市場を調査
- ■2035年世界市場予測(2022年比)
- ■車載電装システム 95兆8,888億円(2.4倍)
EVの販売増でxEV系システム、ADAS・自動運転技術の普及により走行安全系が伸長- ■駆動用モーター 2兆7,384億円(4.6倍) 補機モーター 7,200億円(2.1倍)
駆動用はxEVの販売増に伴い大きく伸びる。補機はxEVの冷却機構の電動化で需要増加- ■デジタルキーシステム 1,732億円(28.4倍)
コネクテッドサービスの活用増に伴う認知度向上により急拡大
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、自動運転技術の高度化に伴うシステム構成変化や各センシングデバイスの高性能化、コネクテッドカーの普及や5G通信へのシフト、また、ソフトウェアによる自動車の機能を更新するSDV(Software Defined Vehicle)化の進展に伴うECU統合などのトレンドを踏まえて、拡大が続く車載電装システムの世界市場を調査した。その結果を「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2024 上巻:システム/デバイス編」にまとめた。
この調査では、車載電装システムやシステムに搭載されるデバイスの市場の現状を把握し、将来を予想するとともに、システム構成の変化や機能の統合・連携に向けた動き、技術開発の方向性などに対する自動車メーカーや部品・材料メーカーの取り組みを捉えた。
- ■調査結果の概要
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■車載電装システムの世界市場
2023年見込 2022年比 2035年予測 2022年比 xEV系 25兆6,288億円 133.2% 59兆6,062億円 3.1倍 走行安全系 7兆6,145億円 119.9% 15兆4,414億円 2.4倍 情報系 5兆3,968億円 121.9% 7兆9,905億円 180.4% パワートレイン系 7兆8,635億円 112.3% 6兆9,456億円 99.2% ボディ系 4兆3,320億円 116.4% 5兆9,052億円 158.6% 合計 50兆8,357億円 124.8% 95兆8,888億円 2.4倍 -
xEVの普及、自動運転技術やデジタルコックピット化の進展により、順調な市場拡大が予想される。
xEV系は、中国や欧州を中心にEV販売が急増していることから大きく伸びている。今後も各自動車メーカーが、EVをはじめHVやPHVを含めたxEVの発売を強化することから、市場拡大をけん引するとみられる。
走行安全系は、ADASなどの搭載が急速に進んでいる。今後も自動車生産台数の伸びに伴うシステム需要の増加、また、高単価な自動運転システムの搭載が増えることなどから、堅調な伸びが予想される。
情報系は、安全性や車内の快適性向上を目的として、IVI/HMIシステムや車外通信システム、電子インナーミラーなどを中心に搭載が増えている。今後は、電子サイドミラーや車内モニタリングシステムなどの搭載も増加するとみられる。
パワートレイン系は、当面は自動車生産台数の伸びに伴い需要が増加するが、EVの普及により2027年頃をピークに縮小すると予想される。しかし、各自動車メーカーはパワートレインを搭載するHVやPHVも含めた展開を想定しているため、急激な縮小は回避されるとみられる。
ボディ系は、自動車生産台数の増加とシステムの高機能化による単価上昇により伸長が予想される。オートエアコンやヘッドランプの堅調な伸びや、デジタルキーの需要増加が期待される。 -
■車載電装デバイス・コンポーネンツの世界市場
2023年見込 2022年比 2035年予測 2022年比 xEV関連デバイス 23兆9,205億円 140.1% 60兆7,128億円 3.6倍 センサーモジュール/アクチュエーターモジュール 2兆2,216億円 123.2% 7兆2,702億円 4.0倍 入出力系デバイス 4兆9,039億円 119.6% 6兆7,185億円 163.8% 合計 31兆460億円 135.1% 74兆7,016億円 3.3倍 -
xEV系システムやADAS・自動運転システムの搭載増加により、市場は堅調に拡大している。
xEV関連デバイスは、二次電池の大容量化・高出力化が進むPHVとEVの販売増により、大きく伸びている。今後もEVやPHVの販売増とともに、インバーターモジュールやOBC(オンボードチャージャー)の高機能化、二次電池の大容量化が一層進展するため、大幅な伸長が予想される。
センサーモジュール/アクチュエーターモジュールは、ADAS関連で採用されるセンシングカメラやフロント検知/周知検知レーダー、LIDARなどが大きく伸びている。センシングカメラは、AEB(衝突被害軽減ブレーキ)の搭載義務化により伸びており、また、対象物を識別できるため、今後は自動運転技術のベースとなるセンサーとして搭載が進むとみられる。フロント検知/周知検知レーダーはサブセンサーの位置付けで搭載が進むと予想される。LIDARは、中国の一部高級車への搭載増加や、複数個を搭載する車種が登場したことなどから、大幅に伸びている。リアルタイムの高解像度マッピングと物体検出が可能なため、自動運転化の進展とともに需要が増えるとみられる。当面は高級乗用車やMaaS車両を中心に搭載が進み、2030年以降は自動運転技術の普及により一層の需要増加が予想される。
入出力系デバイスは、車内の快適性向上や車載システムの電動化を受けて、各デバイスが堅調に伸びている。 - ■注目市場
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■駆動用モーター、補機モーター
2023年見込 2022年比 2035年予測 2022年比 駆動用モーター 8,071億円 135.9% 2兆7,384億円 4.6倍 補機モーター 4,283億円 124.8% 7,200億円 2.1倍
補機モーターは、電動オイルポンプ、電動ウォーターポンプ、電動パワーステアリング、ISG/BSG、冷却ファン、電動過給機、電動パーキングブレーキで使用されるモーターを対象とした。xEVの冷却機構は電動化が益々進むため、採用が増えるとみられる。また、内燃自動車でも機械式から電動化にシフトしており、市場拡大を後押しするとみられる。 -
■デジタルキーシステム
2023年見込 2022年比 2035年予測 2022年比 144億円 2.4倍 1,732億円 28.4倍
現状、オプションでの搭載が多いが、コネクテッドサービスの活用が増えることにより、デジタルキーシステムの認知度も高まり、販売が増えるとみられる。2035年には自動車生産台数の2割を超えるシステム数が出荷されると予想される。
エリア別では、欧州での採用が先行するとみられる。BMWなどの高級車でUWBを用いたタイプが採用されている。大手部品メーカーがUWBタイプの開発を進めており、2020年代後半から搭載率が上昇するとみられる。日本はBLEを用いたタイプが主流であるが、2020年代後半から徐々にUWBタイプの採用が増えると予想される。中国では、一部の自動車メーカーで搭載が始まっており、独自規格を策定する動きもあるが、将来的にはUWBタイプの普及が進むとみられる。 -
■IVI/HMIシステム
2023年見込 2022年比 2035年予測 2022年比 IVIシステム 6,912億円 126.8% 8,933億円 163.9% HMIシステム 4,077億円 144.2% 2兆2,905億円 8.1倍
IVIは、カーナビを発展させた製品としての位置付けが強い。現状は高級車への搭載が中心であるが、今後は大衆車にも車載通信モジュール内蔵のTCU(テレマティクス・コントロール・ユニット)が標準搭載されるため、短期的に市場は拡大するとみられる。2030年以降は、統合制御が可能なコックピットシステムが普及することから、市場は縮小に転じるとみられる。
HMIは、各自動車メーカーが提供しているコネクテッドサービスとの連携が難しい点や、SoC(System-on-a-Chip)などの半導体が高価である点、複数機能を統合制御するための調整や設定が難しい点などの課題がある。しかし、電動化および自動運転技術の進展を見据えた際には統合制御の利点が大きいため、それらの課題への対応や一層の軽量化・高機能化に向けた開発が進められており、今後の需要増加が予想される。
内容の詳細につきましては『車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2024 上巻』をご覧ください。
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- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)