プレスリリースプレスリリースPress Releases

  • HOME
  • プレスリリース
  • 『2024 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編/企業編』まとまる(2024/4/10発表 第24034号)

『2024 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編/企業編』まとまる(2024/4/10発表 第24034号)

DX関連の国内市場(投資額)を調査 生成AI活用をテーマとした投資が増加

2030年度国内市場予測(2022年度比)
DX関連 8兆350億円(2.3倍)
業種別、業種共通ともに堅調に伸びる。中堅、中小企業の取り組みも拡大
生成AI導入支援サービス 750億円
業種や企業規模を問わず生成AI活用が増えることから需要は増加
ユーザーアンケート結果
DX推進で活用したい技術や手法として、ビッグデータ分析や生成AIが上位に

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、大手企業を中心に具体的な実行フェーズへの移行が進み、今後は中堅、中小企業での増加により、市場拡大が予想されるデジタルトランスフォーメーション(DX)関連の国内市場(投資額)を調査した。その結果を「2024 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編」「2024 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 企業編」にまとめた。
 この調査では、業種に特化した業種別として製造、小売/外食、金融、医療/介護、交通/運輸/物流、不動産/建設、社会インフラ/その他業界、自治体、業種を問わない業務共通として営業・マーケティング、カスタマーサポート、コミュニケーション、バックオフィス、戦略/基盤のDX関連市場と、DXの注目ソリューション7品目の市場動向を「市場編」に、DX関連ソリューションベンダー40社のビジネス戦略分析に加え、国内企業の状況や推進体制、投資分野/予算、課題などを把握するためにユーザーアンケートを実施し「企業編」にまとめた。
 業種別は、各業種に特化したDX関連市場(投資額)のみを対象とした。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、AIやIoT、クラウドコンピューティングなどのデジタル技術を活用し、業務やビジネスモデルの変革、新規ビジネスの創出や顧客価値創出を目指す取り組みである。

調査結果の概要
DX関連の国内市場
 2023年度見込2022年度比2030年度予測2022年度比
全体4兆197億円115.4%8兆350億円2.3倍
 交通/運輸/物流DX4,573億円115.9%1兆2,377億円3.1倍
 製造DX3,870億円115.2%9,060億円2.7倍
 金融DX2,953億円115.6%6,200億円2.4倍
 医療/介護DX1,038億円115.8%2,052億円2.3倍
 自治体DX616億円109.6%1,233億円2.2倍
 交通/運輸/物流DX、製造DX、金融DX、医療/介護DX、自治体DXは全体の内数
 企業や社会を取り巻く環境の急速な変化に対応するためDXの重要性は増しており、多くの企業がDXを重要な経営課題として捉えている。特に売上データやマーケティングデータ、WEB解析データなど、さまざまなデータに基づいて経営判断や行動を迅速に進めるデータドリブン経営の実践に向け、中長期での継続的なDX投資が必要とされている。
 業種に特化した業種別8カテゴリーと、業種共通5カテゴリーのDX関連市場は、2023年度に4兆197億円が見込まれ、今後も拡大が続くとみられる。業種に特化したDXとしては、特に交通/運輸/物流、製造、金融、医療/介護、自治体などの伸びが注目される。
 交通/運輸/物流は、直近ではAIを活用した2024年問題への対応が進むとみられる。配車/ルート最適化/サプライチェーン管理などに関わるソリューションの導入が大手企業を中心に進んでおり、費用や運用面で課題はあるものの中堅、中小企業でも徐々に採用が進むと予想される。また、MaaSの本格運用に伴い、MaaSプラットフォームの活用が進むとともに、MaaSの運用をサポートするセーフティドライブやコネクティッド(交通情報、車両情報など)への投資増加が期待される。
 製造は、需要変動や環境変化への対応、人材不足などの課題が顕在化し、従来の業務フローやシステムでは対応が困難となっているため、サプライチェーンやエンジアリングチェーンなどの既存システムを新たな環境に移行する取り組みや、データドリブン経営を進める動きが加速している。今後は効率化/最適化に向けた投資から、サービス化や新事業の創出に向けた投資が本格化するとみられる。特に技能継承や人手不足の課題解決のため、人的依存の強い業務の標準化や自動化を目指す取り組みとして、デジタル現場支援やスマートファクトリーへの投資が増えている。また、脱炭素化/ESG戦略として、国内外での規制に対応するため、温室効果ガス排出量管理やESG情報管理、エネルギーマネージメント、機器の稼働監視などへの投資が拡大するとみられる。
 金融は、オープンAPIやBaaS(バンキング・アズ・ア・サービス)、Embedded Finance(組み込み型金融)領域への投資を軸に、デジタルチャネルの拡大や社内業務効率化などへの投資も増えている。今後、非金融事業者との連携が活発化するとともに、金融データの利活用本格化やデジタル証券(セキュリティトークン)、デジタル通貨(ステーブルコイン)などWeb3による新たなビジネス創出への投資が増えると予想される。
 医療/介護は、医療は、医療データやAI活用に関わる法律や規制に左右されるが、医療ビッグデータ関連をはじめ規制緩和が進んでおり、DX関連ソリューションベンダーの増加もあって、DX投資は堅調に伸びている。今後も段階的に規制緩和が進むとみられ、医療データの活用やAI/ロボットによる医療行為への投資増加が予想される。介護では、人材不足などの課題を解決するソリューションとして、介護サービス利用者の健康状態やケアの計画・内容などを入力・分析して施設にフィードバックするシステムなどの導入が増えている。今後は介護ロボットや管理負担を軽減するソリューションの導入拡大が予想される。
 自治体は、スマート行政サービスや業務改革などの領域を軸にDX投資が進んでいる。今後は、業務効率化を目的としたデジタル化推進から、住民生活の質の向上や地域課題解決に向けた投資拡大が予想される。また、デジタル田園都市国家構想によって進められてきたデータ連携基盤への取り組み加速が期待される。
注目市場
生成AI導入支援サービス
2023年度見込2022年度比2030年度予測2022年度比
19億円750億円
 企業における生成AIの活用に際し、導入コンサルティング(課題策定、評価など)、利用環境の構築・提供、PoC支援や利用のサポートなどをワンパッケージで提供するサービスを対象とした。市場は、コンサルティングおよび環境構築やPoC支援など役務部分、ベンダーが提供する生成AI環境の構築初期費用を対象とした。
 2022年11月に「Chat GPT」が公開されて以降、生成AI活用への注目度が急速に高まった。2023年にはMicrosoftが「Azure Open AI Service」の一般提供開始を受けて、SIベンダーやクラウドベンダーが追随する形で導入支援サービスの提供を進めたことにより、市場は急拡大している。特に、大手金融機関などで実証実験や本格導入が進展したことが、市場拡大に寄与した。2024年度以降、業種/企業規模を問わず生成AIの活用を模索する企業が増えるとみられ、堅調な需要増加が予想される。
クラウド型動画自動作成ツール
2023年度見込2022年度比2030年度予測2022年度比
68億円136.0%200億円4.0倍
 Webサイトや動画配信サイト、SNS向けの動画作成を支援するツールを対象とする。画像やテキスト、音声、動画、テキストなどの素材をこのツールに入稿し、AIによる自動編集や、用意されたフォーマットやテンプレートを活用して動画制作の効率化や自動化を実現する。
 動画作成を内製化できるソリューションとして利用が増えている。動画活用はWeb広告に加え、対面営業のプレゼン資料やマニュアル・教育/研修コンテンツ作成、IRなど用途が広がっているため、このサービスの需要増加が期待される。今後、生成AIの活用などによる付加価値化がさらなる需要喚起につながるとみられ、大幅な市場拡大が予想される。
ユーザーアンケート(インターネットリサーチ)
勤務先のDXへの取り組み状況(シングルアンサー N=612)
選択肢回答率
既に取り組みを開始しており、具体的な施策を実行している40.4%
取り組みを開始しているが、検討や実証実験段階である32.8%
時期は未定であるが取り組む計画がある9.3%
今後3年以内に取り組みを開始する計画がある
(実証実験や具体的な施策検討までは行っていない)
9.0%
今後取り組む予定であるが、具体的な計画はない8.5%
 既に取り組みを開始していると回答したユーザーは70%を超えている。今後3年以内に取り組みを始めるとしたユーザーを含めれば80%を超える。
今後DXを推進する上でより活用していきたい技術や手法[上位5項目](マルチアンサー N=448)
選択肢回答率
ビッグデータ分析50.4%
生成AI47.5%
人口知能(生成AIは除く)45.8%
IoT39.3%
5G/6G18.8%
 ビッグデータ分析が最も多く、生成AIや人工知能(生成AIを除く)が続く。データ利活用やAIが中心であるが、IoT活用への関心も高い。
内容の詳細につきましては市場編企業編をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

ページトップ