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『2024 ワールドワイドエレクトロニクス市場総調査』まとまる(2024/4/16発表 第24037号)
サーバーや電動自動二輪車など、エレクトロニクス製品の市場を調査
- ■2029年世界市場予測(2023年比)
- ■AIサーバー 255万台(3.4倍)
クラウドベンダーによるAIサーバーへの投資が続き、汎用サーバーの伸長率を大きく上回る
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、アフターコロナ社会への移行で外出時間が増加し、「モノ消費」から「コト消費」へトレンドが変化したため多くの製品で需要が低迷しているエレクトロニクス製品の世界市場を調査した。その結果を「2024 ワールドワイドエレクトロニクス市場総調査」にまとめた。
この調査では、AV機器8品目、白物家電5品目、情報通信機器8品目、OA機器/産業機器5品目、自動車/車載電装機器5品目、二輪車3品目、インフラ関連機器5品目、ユニット製品・部品7品目の計46品目を対象に、エレクトロニクス製品の市場を明らかにした。
- ■注目市場
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■AIサーバー、汎用サーバー
※伸長率は2023年が基準年 -
サーバーはMetaやAmazonなどのクラウドベンダーが自社サービス向けにデータセンター設置用として調達しているものが主軸である。DellやHPEなどは外販向けも展開している。現状、中国での生産が中心であるが、今後は、米中関係や地理的な要因により、米系クラウドベンダーの要望を受けて北米やメキシコでの生産増加、また東南アジアへの工場移管が計画されており、中国の生産ウェイトは低下するとみられる。
汎用サーバーは、世界的な経済成長の低迷を受け、2022年下半期から大手クラウドベンダーが投資を控えていることから、2023年の市場は大幅に縮小した。一方、AIサーバーは好調である。高額な投資金額が必要であるが需要は急増しており、EMS(電子機器製造受託企業)が生産能力の確保を進めていることもあり、市場は拡大した。AIサーバーは、GPUや高速対応基盤の搭載が進むため、受動部品やメモリーなどのデバイスメーカーや関連する材料メーカーの業績にも大きな影響を与えている。
今後、サーバー市場は堅調な拡大が予想される。AIサーバーは、米系クラウドベンダーが引き続き投資を続けることから、長期的にも需要が高いとみられる。EMSでも需要増加に対応し増産に向けた生産能力の増強を継続するとみられ、2029年の市場は2023年比3.4倍が予測される。なお、汎用サーバーは、世界経済の回復に伴って投資控えも解消するとみられるため、2024年下半期以降より拡大に転じると予想される。 -
■電動自動二輪車
2023年 2022年比 2029年予測 2023年比 4,217万台 74.9% 5,840万台 138.5%
最大の需要地は中国であり、現状90%以上を占める。中国では電動自行車と呼ばれる簡素な製品を、多くの中国メーカーが展開している。インドやベトナムでも需要が大きく、それらの地域ではE2Wの生産が進んでいる。アジアでは、環境対策として補助金制度を背景に、既存の二輪車の代替として需要が増加するとみられる。また、アフリカを始めガソリンスタンドなどのインフラが整っていない地域では、燃料価格が高いため、経済的な移動手段として注目が集まっており、中国新興メーカーによる現地生産もみられる。日本や北米、欧州などでは趣味性の高い二輪車のカテゴリーにおいて電動化が進むと予想される。カワサキモータースによるE2Wの発売や、電動自動二輪車によって行われるロードレースFIM Enel MotoE選手権の盛り上がりなども市場を後押しするとみられる。
2023年は中国の景気落ち込みで、市場は縮小したが、2024年以降は伸びが期待される。 -
■ドローン
2023年 2022年比 2029年予測 2023年比 520万台 103.0% 673万台 129.4%
民生向けはリプレース需要に移行しつつあり、顧客層が安定しているため、今後も大きく落ち込むことなく推移すると予想される。一方、業務向けは、世界的な省人化ニーズを背景に大きく伸びるとみられる。現在は、農薬散布やインフラ点検、測量、業務用空撮などが主流であるが、物流や監視等の新規用途にも注目が集まっている。ゴーグルを使用した目視外飛行やワイヤレス給電など、各種規制緩和が進むことで市場拡大するとみられる。
地域別の生産状況では、低価格でコストパフォーマンスの高い製品の生産拠点である中国が中心である。中国上位メーカーは、部品調達力が高く内製フライトコントローラーに強みを持っていることから、高いシェアを占めている。 - ■調査結果の概要
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■エレクトロニクス製品の世界市場
2023年は不安定な国際情勢や世界的なインフレ進行により、消費者の購買力の低下や企業の投資抑制がみられた。また、在庫水準の高止まりで生産調整が行われ、多くの品目で前年比縮小となった。
AV機器や情報通信機器は、2023年に生活様式が正常化したことから2022年まで続いた特需が収束した。白物家電は成熟市場であり、買い替え需要を中心に前年からほぼ横ばいとなった。また、インフラ関連機器のうち、データセンター関連機器では主要クラウドベンダーによる投資抑制の影響で、在庫調整が続いたため大幅な需要の減少がみられた。一方、自動車/車載電装機器では、EVに加えてHVやPHVが伸びたことで、運転支援など車載電装機器の需要が増え、市場は前年比6.7%増となった。
内容の詳細につきましては『2024 ワールドワイドエレクトロニクス市場総調査』をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)