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『2024年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望』まとまる(2024/8/5発表 第24073号:環境対応状況)
プラスチックフィルム・シートの環境対応状況を調査
- ■2023年市場
- ■A-PET・O-PETシートにおける環境対応フィルム・シート 20万9,000トン
PETボトル由来再生ペレットの活用が進み、50%以上が環境対応製品
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、脱プラスチックなど世界的な環境対応ニーズの高まりに対し、バイオ樹脂やリサイクル原料の採用、マスバランス方式の検討が進むプラスチックフィルム・シートの市場を調査した。その結果を「2024年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」にまとめた。
この調査では、プラスチックフィルム・シートのリサイクル動向、バイオ樹脂やリサイクル原料等の採用状況を数量ベースの市場規模で捉えた。なお、プラスチックフィルム・シート41品目の世界市場・国内市場や注目市場について7月22日に発表している。
- ■調査結果の概要
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1. 環境対応フィルム・シートの販売量(国内)
2023年 販売量 構成比 汎用PSP容器 1,040億円 100.1% 汎用PSP容器 1,040億円 100.1%
A-PET・O-PETシートは、環境対応型の構成比が50%以上に達しており、PETボトル由来の再生ペレットの活用を主体に、バイオ由来樹脂も一定量活用されている。PP系シートやPE系フィルムでは10%以上が環境対応フィルム・シートであり、どちらもバイオ由来樹脂が用いられている。
そのほかの品目では、環境対応型製品の構成比は10%未満であり、コストの問題や、技術開発段階、検討段階にとどまるものも多く、普及はこれからとみられる。 -
2. カットロスなどの再利用・排出量(国内)
再利用は製造時のカットロスを成膜するなどして、再び自社で活用するものを対象とする。排出は他社へ販売しリサイクルされるものや、リサイクルに適さず固形燃料として利用されるもの(RPF)、焼却、産廃処理などで処分されるものを含む。再利用量・排出量はフィルム・シートの生産量をベースに算出している。一般的に、生産量に対してフィルムは5%〜10%、シートは10%〜20%のカットロスが発生するとみられる。2023年 汎用樹脂 再利用 18万5,820トン 排出 2万5,241トン -
汎用樹脂では、カットロスの再利用が一般的であり、特にPP系やPS系で生じるカットロスはほぼすべてが再利用されているとみられる。排出のうち70%以上はリサイクルされており、PO系フィルムの業務用ラップフィルムや、EVOH系フィルム、EVOH系共押出シートといった、再利用が難しい製品がリサイクルで処理されているが、残りは透明性の低下など品質面でリサイクルが難しく、RPFや廃棄、焼却処分される。
実現には時間を要するとみられるが、現状産業廃棄物として回収されているものが、将来的にケミカルリサイクルで再利用されることが期待される。 -
2023年 エンプラ、他 再利用 10万660トン 排出 3,158トン - エンプラ、他もカットロスは再利用されることが多く、A-PET・O-PETシートやPETフィルム(包装用、工業用・他)ではロスの全量が再利用される。光学用のCOP・COCフィルムやPETフィルムは光学特性が低下するため、再利用が難しいほか、PIフィルムは熱硬化性樹脂であり再融溶によるフィルム化ができない。また高い物性が求められるスーパーエンプラ(LCPフィルム、PPSフィルムなど)も現状では廃棄が一般的である。PAフィルムなどの一部はマテリアルリサイクルされている。
内容の詳細につきましては『2024年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望』をご覧ください。
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- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)