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『2024 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望』まとまる(2024/8/27発表 第24079号)

ディスプレイデバイス、関連部材の世界市場を調査

2029年予測(2023年比)
ディスプレイデバイスの世界市場 18兆4,974億円(118.5%)
市場が成熟する中、AMOLEDはIT機器向けや車載モニター向けが拡大し存在感を増す

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、2023年まではTVやPC、スマートフォンなどの生産調整の影響を受けたが、今後、短期的にはパネルサイズの大型化やアプリケーション市場の回復による成長、その後は車載ディスプレイやAR/VR向けの伸びが期待されるディスプレイデバイスと関連部材の世界市場を調査した。その結果を「2024 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望」にまとめた。
 この調査では、ディスプレイデバイス12品目、関連部材25品目について最新の市場をまとめ、将来を展望した。また、TVやPCモニター、スマートフォン、車載ディスプレイといった主要なアプリケーション別の採用動向を捉えた。

調査結果の概要
ディスプレイデバイスの世界市場
2024 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望:ディスプレイデバイスの世界市場グラフ
 2023年は、主要用途であるTVやPCモニター、ノートPC、スマートフォンなどの市場が低迷したことでディスプレイデバイスの出荷枚数も減少したが、TVパネルの大型化の進行や円安により市場は前年比0.4%増の15兆6,126億円となった。
 2024年もアプリケーション市場の回復は弱いが、PCモニター市場が回復するほか、TV向けではパネルの大型化が追い風となり伸びが続くとみられる。
 タイプ別では、用途が広いa-Si TFT LCDを中心としたTFT LCDがメインであるが、今後はAMOLEDが成長し、市場をけん引していくとみられる。マイクロディスプレイはAR/VR機器への採用で伸び、マイクロLEDディスプレイ(以下、マイクロLED)は、2025年以降本格的に市場が立ち上がると予想される。
 AMOLEDは、2023年はハイエンドTV市場の減少によってW-OLEDが苦戦したが、円安の影響で市場は前年を上回った。品目別では中国OLEDメーカーが安価で供給するRGB蒸着プラスチックOLEDや、フォルダブル型スマートフォン向けのRGB蒸着フォルダブルOLEDが伸びた。今後はタブレット、ノートPCといったIT機器、スマートフォンでTFT LCDからの移行が進むほか、車載ディスプレイでは高級車を中心にAMOLEDの搭載が進むため、成長が期待される。
 マイクロディスプレイやマイクロLEDは、今後AR/VR機器への採用で成長していくと予想される。短期的にはスマートグラスやハイエンドHMDに採用されているマイクロOLEDが伸びる。将来的にはフルカラーマイクロLEDが量産化され、小型化と高輝度を実現するディスプレイとしてスマートグラス向けに急拡大すると予想される。
ディスプレイ関連部材25品目の世界市場
2024年見込2023年比2029年予測2023年比
4兆4,887億円109.3%4兆8,727億円118.7%
 2024年は、アプリケーション市場の回復が低調であるものの、PCモニター市場の回復やTVパネルの大型化による関連部材の需要増加に加え、円安の影響もあり市場は前年を上回るとみられる。
 今後はLCD・OLED共通関連部材や、LCD関連部材はほぼ横ばいで、OLED関連部材が伸びると予想される。2024年にAppleのタブレット端末「iPad Pro」にOLEDが採用され、2020年代後半には「MacBook Pro」でもOLEDの採用が始まり、IT機器向けを中心とした伸びが期待される。また、今後はフォルダブル型スマートフォンの展開に伴い、カバーガラスとしてフレキシブルガラスが大きく伸びるとみられる。
注目市場
車載ディスプレイ
2024年見込2023年比2029年予測2023年比
1兆3,777億円113.0%1兆7,091億円140.2%
 車載用CID(センターインフォメーションディスプレイ)、車載メーター、その他の車載ディスプレイ(HUD、ドライブレコーターなど)に採用されるTFT LCDとAMOLEDを対象とする。
 CASEに代表される自動車の技術革新によってディスプレイの表示情報が増えることに伴い、車載ディスプレイの搭載率や搭載枚数が増加し、ウルトラワイドディスプレイの採用など大型化も進むことから2029年の市場は1兆7,091億円になると予測される。
 現状ではa-Si TFT LCDが主力であるが、車載CID向けパネルにおけるインセル対応増加や車載HUD向けパネルの増加によりLTPS TFT LCDが伸び、2029年時点では規模が逆転しているとみられる。
 また車載CIDやRSE(リアシートエンターテインメントシステム)を中心にOLEDの需要が増加すると予想される。CIDでは、ディスプレイの大型化やウルトラワイドパネルの採用車種の増加により、大型パネルの製造に優位性のあるOxide TFT LCDの採用が増えるとみられる。
AR/VR向けマイクロディスプレイ
2024年見込2023年比2029年予測2023年比
487億円3.4倍4,273億円29.5倍
 HMDとスマートグラスに搭載されるマイクロOLED、LCOS、DLP、マイクロLEDを対象とする。
 2020年代後半から2030年ごろにかけて、中国メーカーやAppleなどの米国大手ITベンダー・スマートフォンメーカーなどがスマートグラスを発売する予定であり、それに伴って市場は急拡大が予想される。
 現在はマイクロOLEDが主体であり、動画視聴用のスマートグラスでの需要増加に加え、Appleの「Vision Pro」で採用されたことでHMD向けも伸びている。HMDメーカー各社が注力するハイエンド機種では、マイクロOLEDの採用が主流になることから、今後も伸びが予想される。
 スマートグラスおいてはスマートフォンと連携した使用や、小型で長時間装着できる機器の開発が目指されている。そのため、将来的には高輝度と小型化が両立可能で導波路との組み合わせに適したマイクロLEDが大きく成長すると予想される。
内容の詳細につきましては『2024 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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