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『2024年 バイオケミカル・脱石油化学市場の現状と将来展望』まとまる(2024/9/6発表 第24083号)
バイオナフサなど脱化石原料マテリアルや、リサイクル品の世界市場を調査
- ■2027年予測(2023年比)
- ■バイオナフサ 600億円(2.6倍)
マスバランスの概念が普及することで、需要増加。特に欧州が伸長。
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、自動車分野ではELV規制(End-of Life Vehicles)、包装分野ではPPWR(Packaging and Packaging Waste Regulation)の制定など、世界レベルで法規制が強化されたことからニーズが高まっているバイオケミカルの市場を調査した。その結果を「2024年 バイオケミカル・脱石油化学市場の現状と将来展望」にまとめた。
この調査では、ナフサ代替品、基礎化学品、中間材料、ポリマーといった脱化石原料マテリアルと、リサイクル品の市場を明らかにし、将来を展望した。
- ■注目市場
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■バイオナフサ【ナフサ代替品】
2024年見込 2023年比 2027年予測 2023年比 300億円 130.4% 600億円 2.6倍
今後も、SAFの生産増加に連動して生産量が増えるとみられる。また、現状ではNesteなど海外企業の生産にとどまるが、国内でも一部の企業がSAF生産を検討しており、国産バイオナフサの供給も予想される。長期的には、製造過程においてバイオ原料と非バイオ原料が混合される際、バイオ原料の投入量に応じて、製品の一部をバイオマスベースとみなせる「マスバランス」の概念が普及することで、カーボンニュートラル実現に向けた有用な手段としてバイオナフサの需要が高まるため、2027年の市場は2023年比2.6倍が予測される。 -
■エポキシ【ポリマー】
2024年見込 2023年比 2027年予測 2023年比 3,530億円 113.5% 4,030億円 129.6%
今後は、自動車塗料や積層板、封止材に加えて、FRPで採用が進むとみられる。石化品からバイオ品を選択した際のコスト増をユーザーに受け入れてもらうには、バイオ品が環境負荷低減に有用であることの浸透が必要である。環境性の理解が進むことで普及が予想され、2027年の市場は2023年比29.6%増が予測される。 - ■調査結果の概要
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ナフサ代替品は、SAFの生産量に応じて引き続きバイオナフサの生産が増加することから市場拡大が予想される。中間材料は、石化品と区別せずに同等の価格帯で販売ができるECHやMEGの占める割合が多い。特に、エポキシに使用されるECHは、アジアを中心に生産・販売量が伸長している。ポリマーは、エポキシが大きく伸長している。今後も大きく伸びるほか、マスバランスに対する認知度向上によって、マスバランス方式で需要増加が予想され、市場拡大につながるとみられる。 -
■石化PP、石化PE、石化PSのリサイクル品の世界市場
2024年見込 2023年比 2027年予測 2023年比 571億円 121.5% 736億円 156.6%
RC-PEは、消費者向け商品のブランドメーカーによる包装材料へのリサイクル樹脂使用などにより需要が増加している。ストレッチフィルムやシュリンクフィルムで採用が進んでおり、現在はアジアでの採用が多い。長期的には、包装材料の10%にリサイクル材料を使用する規制が2030年に予定されており、欧州での伸びが予想される。
RC-PSは、2021年頃、欧米でヨーグルト容器として本格的な採用が始まった。今後も食品トレーや容器、包装として欧州を中心に普及すると予想され、市場拡大するとみられる。
内容の詳細につきましては『2024年 バイオケミカル・脱石油化学市場の現状と将来展望』をご覧ください。
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- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)