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『映像DX市場総調査 2024』まとまる(2024/10/8発表 第24089号)

ドローンショーやXRスタジオなどエンタメ領域で新たな映像演出が進む映像DX関連の国内市場を調査

2029年市場予測(2023年比)
会議ソリューション 2,558億円(36.4%増)
文字起こしや要約など付加価値サービスの提供も増え、AIの搭載がスタンダードに
ドローンショー 83億円(10.4倍)
広告での採用が増えるほか、イベントでは使用ドローンの増加などから単価増に期待

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、クラウド利用が進み、映像生成AIの活用に注目が集まる映像DX関連の国内市場を調査した。その結果を「映像DX市場総調査 2024」にまとめた。
 この調査では、映像DX市場として、業務効率化のほか、情報伝達の迅速化、正確性の向上、安心/安全の確立、マーケティングのオートメーション化、新しい体験の提供などをもたらすBtoB向けの映像ソリューション18品目、関連機器/システム18品目の市場の現状を把握し、今後を展望した。

注目市場
会議ソリューション
2024年見込2023年比2029年予測2023年比
2,104億円112.2%2,558億円136.4%
 ディスプレイやカメラ/マイク/スピーカーといったハードウェア、Web/ビデオ会議システムなどのソフトウェアのほか、システム構築やサービス料を対象とする。  2024年に市場は前年比12.2%増の2,104億円が見込まれる。近年はオンラインとオフラインを組み合わせたハイブリッド会議が定着していることから、会議の質向上などを目的とした設備投資を行う企業が増えている。また、社内だけでなく、商談など取引先との会議などが増えたことで、映像や音声を高品質に保つようカメラの高画質化、マイク/スピーカーの高音質化が求められている。  議事録作成や映像録画などに対するニーズも高く、自動文字起こしや内容の要約機能、音声解析による話者識別/フォーカス機能といった付加価値サービスの提供も増加している。これらはAIを用いた機能であり、今後は生成AIの搭載がスタンダードとなる可能性もある。
ドローンショー
2024年見込2023年比2029年予測2023年比
19億円2.4倍83億円10.4倍
 高輝度LEDを搭載した複数のドローンを同時に飛ばし、さまざまなイラストやデザインを空中に表現するドローンショーを対象とした。市場はドローンやその他周辺機器のハードウェアのほか、コンテンツ制作や運用などのサービス料なども含む。
 国内での大規模ドローンショーは2019年の東京モーターショーに始まり、2021年に行われた「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会」によって広く認知されるようになった。
 花火大会や自治体の周年イベントのほか、企業の広告用途で案件が増加しており、2024年に市場は19億円が見込まれる。これまで、花火大会では、協賛企業をアナウンスで読み上げるのみであったが、ドローンショーで企業ロゴなどを映し出すことにより、広告価値や協賛メリットを高めることが可能となっている。
 今後は、広告用途での採用が増えていくと予想されるほか、イベントなどでのショーの大規模化、長期間の実施などにより1案件の単価が上がることから、市場は年率20%以上の高い伸びが続くとみられる。
バーチャルプロダクション/XRスタジオ
2024年見込2023年比2029年予測2023年比
130億円108.3%190億円158.3%
 背景を映し出したLEDディスプレイの前で、現実とバーチャルをリアルタイムで合成可能なインカメラVFXで撮影するバーチャルプロダクションスタジオと3DCGの空間映像と実写撮影をリアルタイムで合成し、ディスプレイに映し出すXRスタジオを対象とした。市場は、スタジオで使用されるハードウェアやソフトウェアに加えて、システム設計費やスタジオ施工費、スタジオ利用料なども含む。
 2021年頃からスタジオが開設され始め、映画やドラマ、TVCMやアーティストのMVなどへの活用が進んでいる。2024年の市場は前年比8.3%増の130億円が見込まれる。背景映像と実写をリアルタイムで合成することから、天候や時間帯に左右されずに、さまざまなパターンでの撮影が同日中に可能なことや、遠方や危険な場所、撮影許可を得にくいエリアも背景として使用できること、被写体や撮影スタッフのスケジュールにとらわれず働き方改革にもつながることが評価されている。
 大型のLEDディスプレイを導入するケースや湾曲させて設置するなどの差別化を図るスタジオも増えており、2029年に市場は190億円が予測される。
360度カメラスピーカーフォン
2024年見込2023年比2029年予測2023年比
26億円113.0%39億円169.6%
 レンズの角度を調節しなくても360度の画角で室内全体を映し出すカメラと、360度対応マイクで室内のどこからでも話者の声を拾うことが可能なスピーカーを搭載した製品を対象とした。
 接続が簡易的であるため、会議室に常時設置するほか、総務部門などで管理し、利用希望者に都度貸し出すといったモバイル運用にも適している。コロナ禍を経て、オフィスや会議室への設備投資を再開したユーザーも多く、既にカメラやマイク、スピーカーなどの機材を導入している企業でも、追加の会議システムとして採用するケースがみられる。
 製品の低価格化が進んでいるため、周辺機器やソフトウェアと組み合わせた付加価値の創出が必要となっており、カメラ/マイク/スピーカーなどの基本性能の向上に加え、文字起こし機能などの付加価値機能に注力するメーカーもみられる。会議ソリューションを構成する製品として一般化してきており、今後も堅調な市場拡大が予想される。
調査結果の概要
映像DX関連ソリューションの国内市場
2024年見込2023年比2029年予測2023年比
5,846億円111.7%8,525億円162.8%
 2024年に市場は前年比11.7%増の5,846億円が見込まれる。新型コロナウイルス感染症の社会的影響が弱まったことによってオフィスや会議室を対象とした設備投資が再開し、デジタルマーケティング、防犯/セキュリティの向上、災害対策、作業効率化/業務負担軽減などを目的とした導入/活用が進んでいる。
 映像をインプットしたデータ分析/解析ソリューションによるデジタルマーケティングやセキュリティ、作業効率化および負担軽減といったDX化に加えて、エンターテインメント領域における新たな映像演出などの認知度向上を背景に、市場は拡大を続けるとみられる。
 個別の品目では、エンターテインメント領域における新たな映像演出であるドローンショー、作業効率化および負担軽減といったDX化でVRソリューション(教育/研修/シミュレーション)、映像をインプットしたデータ分析/解析ソリューションである行動分析/属性取得ソリューションなどの伸び率が高く、それ以外の品目でも、遠隔や可視化をキーワードとしてどの製品も2029年にかけて伸長が予想される。
映像DX関連機器/システムの国内市場
2024年見込2023年比2029年予測2023年比
1兆7,977億円109.4%1兆8,005億円109.6%
 2024年に市場は前年比9.4%増の1兆7,977億円が見込まれる。規模の最も大きいノートPC/タブレット端末が2024年から2025年にかけて「NEXT GIGA(GIGAスクール構想のリプレース)」によって需要が増加することで市場は拡大し、2026年から2028年には特需が落ち着くことで、縮小が予想される。
 品目別には、新しい業務の進め方が可能な製品やWeb会議などをより効率的に行うことが可能な製品などで高い伸びが予想される。
内容の詳細につきましては『映像DX市場総調査 2024』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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