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『2025 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編』まとまる(2025/4/24発表 第25043号)
業界別のDX取り組み状況を調査 国内DX関連投資額は2030年度に9兆2,666億円
- ■2030年度関連投資額予測(2023年度比)
- ■製造業DX 2兆9,843億円(2.4倍)
小売/外食業DX 9,644億円(2.0倍)
交通/運輸/物流業DX 1兆1,095億円(173.0%)
製造業や交通/運輸/物流業の伸びが市場拡大をけん引
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、人手不足や熟練の技術者の引退、物価/資材の高騰など短期的な課題だけでなく、サスティナブルな社会の実現など長期的な課題に対しても、有効な解決策として取り組みが進むDXの国内市場を調査した。その結果を「2025 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編」にまとめた。
この調査では、製造業、小売/外食業、金融業、医療/介護業、交通/運輸/物流業、不動産/建設業、自治体、社会インフラ/その他を対象に業界別のDX関連投資額の現状を明らかにし、将来を展望した。
- ■調査結果の概要
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■国内DX関連投資額
2024年度は、製造業や金融業、交通/運輸/物流業における投資が増加している。特に、データドリブンによる生産性向上やリードタイム短縮を目的に製造業の伸びが大きい。また、人手不足の影響を大きく受けているため、発注業務や決済業務など現場業務の効率化を図っている小売/外食業でも投資が増えている。
今後も、これら業界の伸びは続くとみられ、2030年度も製造業や金融業、交通/運輸/物流業における投資が市場拡大をけん引する。 -
2024年度の製造業におけるDX関連投資額は前年度比22.2%増が見込まれる。地政学リスクへの対応や半導体など産業振興施策を背景に、国内の製造拠点や新工場の立ち上げが増加しており、スマートファクトリー関連への投資が増えているため拡大している。品質と生産性の向上を目指し生産現場における投資が進むほか、基幹業務のデジタル化が進んでいる大手企業を中心に、売上増加や顧客接点の拡充などを目指した投資がみられる。
人手不足や就業者の高齢化に対処する投資も増加しており、引き続き関連投資の拡大が予想される。特に、IoH(Internet of Human)などの技術を活用した作業者データと各設備やシステムとのデータ連携、活用が増えるとみられる。 -
小売/外食業におけるDXは、主に発注や決済業務などの効率化を目的とした現場DXと業務上のコミュニケーションを円滑化させるワークプレイスDXへの投資が多い。人手不足が喫緊の課題であり、業務効率化や省人化への投資が増加しており、前年度比14.6%増の5,521億円が見込まれる。
現場DXでは自動発注や需要予測ソリューション、フルセルフレジやモバイルPOSなどの導入が増えており、市場拡大をけん引する。また、店舗と本部のコミュニケーション活性化により、人材の働きやすさを実現するワークプレイスDXも引き続き伸びるとみられる。 -
交通/運輸/物流業におけるDXは、全般的にデジタル化が遅れていたが、近年、直接部門および間接部門ともに投資が進んでいる。2024年問題の対応としてドライバーの業務効率化のためのシステム導入が多く、デジタル技術を活用した物流倉庫の運用効率化もみられ、2024年度の投資額は前年度比10.2%増が見込まれる。
中長期的には、業務のデジタル化と共に、データ活用への投資が拡充すると予想される。特に、ICカード利用履歴をはじめとした顧客行動データの活用や、点在するデータの統合など顧客接点に関わるシステムの導入が進むとみられる。 - ■注目市場
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■AIエージェント
2024年度見込 2023年度比 2030年度予測 2023年度比 109億円 − 1,408億円 −
2024年度からAIエージェントへの注目度が高まり、外資系ハイパースケーラーや国内の大手SIベンダーを中心に製品やサービスが発売されたため、市場は109億円が見込まれる。LLM(大規模言語モデル)やRAG(検索拡張生成)を活用した社内チャットボットに活用することで、より企業に特化した業務に応用できるため期待が高まっている。
今後は、短期的には試験利用や利用方法の模索を目的に市場拡大が予想される。2027年度頃以降は、有効な利用方法が確立され、利用ノウハウが各業界内で共有されることで、ユーザーの裾野が広がるとみられ、2030年度に向けて普及が進むとみられる。 -
■DX人材アセスメントサービス
2024年度見込 2023年度比 2030年度予測 2023年度比 15億円 136.4% 50億円 4.5倍
DX推進を目的に、eラーニングや研修など人材育成サービスニーズが増加しているが、実務で活躍できる人材が育成できない、取り組みの成果が見えづらいといった課題を抱える企業も多く、自社の人材育成状況を把握するツールのニーズが増加している。また、経済産業省および独立行政法人情報処理推進機構が策定したデジタルスキル標準も背景にアセスメントの対象が増加しているため、2024年度の市場は前年度比36.4%増が見込まれる。
需要の増加によって参入企業が増加しており、今後も多くの企業がサービス提供を開始することで好調な市場推移が予想される。
内容の詳細につきましては『2025 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編』をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)