◆市場調査レポート:2002年10月04日発刊

2002 カード市場マーケティング要覧「ICカードビジネス編」

ICカードアプリケーションの現状と将来展望
−調査の背景−
  • 弊社では毎年制作している「カード市場マーケティング要覧」の2002年版は全2巻構成で制作することとして、まず始めに各磁気〜ICカードの発行枚数等市場規模について「市場編」(2002年8月発刊)としてまとめた。そして今回、新たに「ICカードビジネス編」を制作した。弊社では2001年を国内における「ICカード元年」と位置付けており、幅広い観点から余すところなくICカード市場を調査・分析することが必要であると考えた。

  • 国内ICカード市場は2001年実績で3,520万枚、206.6億円であった。2002年は4,950万枚(前年比140.6%)、304.5億円(同147.4%)と大幅に拡大することが見込まれる。2001年は各クレジットカード会社のIC対応が本格化したこと、そしてJR東日本・Suicaのサービス開始が主なトピックとして挙げられる。特にSuicaのサービス開始は非接触ICカードの利便性や使い勝手のよさを広く知らしめる契機になったと言える。2003年以降は、関西圏でも「スルッとKANSAI」やJR西日本の乗車券ICカード化が予定されている。ポストペイサービスやオートチャージ、ポイントサービス等多機能化が図られる計画で、今から利用者の反応が楽しみである。同じ非接触ICカードを利用したアプリケーションとして、注目しているのが「Edy」である。電子マネーは過去幾度もトライ&エラーが行われただけに期待は大きい。実際、非接触であるがゆえSuica同様、使用感は極めてスムースで小銭を扱うことがなく充分ユーザーメリットを感じられる。今後、利用箇所が拡大され普及することを期待している。

  • 公共分野では住民基本台帳ネットワークシステムが稼動し数々の問題点が指摘されている。11桁の住民票コード等プライバシー情報が収められた住民基本台帳カードは2003年以降発行が始まるが、あまり国民のメリットは感じられない。ただ、電子政府・電子自治体の進展次第ではオンライン申請その他で必要性が出ると見られる。ネットワーク社会の進展による電子商取引等でのセキュリティニーズの高まりは、PKIにおける秘密鍵・電子証明書の格納媒体としてのICカードのプレゼンスを一気に増大させる。多機能ICカードにも期待が集まり、これまで机上で考えられてきた様々なプランがいよいよこれから実現されようとしている。そこに本当に利用者ニーズはあるのか、そもそもICカード(もしくは携帯電話)を利用する必然性はあるのか、また、ビジネスとして成り立つのか、正直言って明確ではない。多機能ICカードに利用者はどのようなメリットを感じ、カード発行者・サービス提供者は有効なビジネスモデルを描けるのか。いずれにしても、多機能ICカードはまさにこれからそのポテンシャルが試されるときである。カード利用者とカード発行者・サービス提供者が両輪となって多機能ICカードを醸成していかなければならない。現在でもこれほど多様な機能、アプリケーションがあるICカードである。金脈は必ずある、と考えている。

  • 当該資料は弊社としてICカードアプリケーションの動向と今後の方向性をまとめたものである。関係各社にとってカードビジネス展開において有益な資料の一助となれば幸いである。また、方向性の違いなどご指摘・ご鞭撻を賜りたいと思っている。最後になりましたが、当該資料制作にあたり、ご多忙中にも関わらず快く取材に応じて頂いた各社の担当者方々に深くお礼を申し上げます。

−調査目的−
  • 「カード市場マーケティング要覧」2002年版は、「市場編」「ICカードビジネス編」の全2巻としている。「市場編」(2002年8月発刊)では磁気〜ICカード、材料/関連機器及びRFIDの発行枚数等市場動向をまとめ今後の市場予測を行っている。そして、今回の「ICカードビジネス編」ではICカードアプリケーションに注目しアプリケーションごとの現在の市場動向及び今後の多機能化等方向性についてまとめることを目的とした。

−調査対象−
流通・サービス

会員カード、商店街カード

交通

定期/乗車券、ETCカード

金融

キャッシュカード、クレジットカード、電子マネー

通信・放送

テレホンカード、UIMカード、CASカード

公共

IT装備都市研究事業、住民基本台帳カード、健康保険証、介護保険証、運転免許証、パスポート

施設内

社員証/学生証、ホテルキーカード

アミューズメント

アミューズメント施設利用カード、パチンコカード

医療

診察券、電子カルテ

サイバーワールド

ネットショッピング、情報配信サービス、金融サービス、電子チケット

−目次−
()内は掲載ページ
I. 総括編(1)

1)ICカードビジネス総括(国内マーケット)(3)

2)市場規模推移と予測及びICカードベンダーシェア(5)
(1)分野別市場規模推移(5)
(2)個別品目/サービス別市場規模推移(7)
(3)提供サービス市場規模推移(10)
(4)カードベンダーシェア(2002年:見込)(12)

3)分野別ICカード導入の現状と今後の展望(15)
A. 流通・サービス(15)
B. 交通(18)
C. 金融(21)
D. 通信・放送(24)
E. 公共(27)
F. 施設内(32)
G. アミューズメント(35)
H. 医療(38)
I. サイバーワールド(42)

4)マルチアプリケーションの相関及び方向性(46)
(1)多機能ICカードの現状と今後の方向性(46)
(2)カードタイプ別アプリケーションの現状と方向性(50)
(3)対象品目別用途動向と予測(55)
(4)対象品目別マルチアプリケーション分析(要約)(60)

5)主要参入企業の取り組みと今後の展開(65)

6)分野別インフラ/システム構築及びソリューションの動向(75)

7)分野別ICカードシステム導入のメリット/デメリット(78)

8)サイバーワールドにおけるICカード利用の方向性(81)

9)ICカードビジネスにおける注目技術と受容性(85)

II. 個別品目/サービス編(95)

A. 流通・サービス(97)
A−1 会員カード(97)
A−2 商店街カード(102)

B. 交通(107)
B−1 定期券/乗車券(107)
B−2 ETCカード(112)

C. 金融(118)
C−1 キャッシュカード(118)
C−2 クレジットカード(123)
C−3 電子マネー(128)

D. 通信・放送(133)
D−1 テレホンカード(133)
D−2 UIMカード(138)
D−3 CAS(限定受信)カード(143)

E. 公共(147)
E−1 IT装備都市研究事業(147)
E−2 住民基本台帳カード(152)
E−3 健康保険証(157)
E−4 介護保険証(162)
E−5 運転免許証(166)
(参考)パスポート(169)

F. 施設内(170)
F−1 社員証/学生証(170)
F−2 ホテルキーカード(174)

G. アミューズメント(178)
G−1 アミューズメント施設利用カード(178)
G−2 パチンコカード(182)

H. 医療(186)
H−1 診察券(186)
H−2 電子カルテ(191)

I. サイバーワールド(196)
I−1 ネットショッピング(196)
I−2 情報配信サービス(201)
I−3 金融サービス(203)
I−4 電子チケット(205)

III. 個別企業編(209)

A. 凸版印刷(211)
B. 大日本印刷(213)
C. ソニー(215)
D. JCB(217)
E. トヨタファイナンス(219)
F. 三井住友カード(221)
G. NTTコミュニケーションズ(223)
H. 日立製作所(226)
I. KDDI(228)
J. ビットワレット(230)
()内は掲載ページ
−お問い合わせ・お申し込みについて−
調査資料名
2002 カード市場マーケティング要覧「ICカードビジネス編」

頒価
106,700円(税抜 97,000円)

発刊日
2002年10月04日

報告書体裁
A4版 原本コピー簡易製本

ページ数
231ページ

担当部署
株式会社富士キメラ総研 第二研究開発部門
TEL. 03-3241-3490 FAX. 03-3241-3491

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