「カード市場マーケティング要覧2005年版」では、磁気カード、ICカードを含めてカードごとにカードアプリケーションとしてそれぞれの市場動向、市場規模等を捉えるとともに、別途、ICカード、リライトカード、カード材料、カード／RFIDタグ関連機器、及びRFIDタグの各市場をまとめた。磁気カード、ICカードを含めたカード市場は2004年実績で、発行枚数4億6,690万枚、発行金額7,072億円となっている（電子マネー、パチンコプリペイドカード除く）。ICカード関連市場がそれぞれ拡大したことで発行枚数は微増であったが、プリペイドカードを中心とする磁気カードの市場縮小によって、発行金額は減少している。これに、カード材料市場573億円、カード関連機器1,554億円（FeliCa搭載携帯電話除く）を合わせたカード関連市場は9,199億円となっている。

ICカード市場は2004年実績で8,400万枚、425億円となっている。接触ICカードではクレジットカードに加え、キャッシュカードのIC化が本格的に開始されている。3G携帯電話へのシフトが進みUIMカードの需要が急速に拡大している。また、B-CASカード、ETCカード等の需要も順調に拡大している。非接触ICカードでは、JR東西のSuica・ICOCAやスルッとKANSAI・PiTaPaを始めとする交通カードを中心に、電子マネーEdy、アミューズメント／レジャー施設等がそれぞれ市場を拡大している。2004年7月に発売されたFeliCa搭載携帯電話は順調に販売が進み、2005年度中には累計1,000万台を突破する見通しとなっている。2005年秋よりKDDI、ボーダフォンにおいてもFeliCa搭載機種を発売する見通しとなっており、非接触ICカード市場に少なからず影響するものと見られる。ハイブリッドやデュアルI／Fといった接触／非接触一体型カードは需要が一部にとどまっているものの、社員証や電子マネー搭載のクレジットカード、キャッシュカードでの発行が見られている。FeliCa＋接触（金融）の組み合わせによる一体型が今後増加することが考えられる。マルチアプリケーションについては、クレジットやキャッシュカードといった金融系アプリケーションへの電子マネーEdyの搭載が見られている。また、社員証／学生証においても、入退室管理やキャッシュレス決済などの非接触アプリケーションと金融系カードとの一体型カードの発行が増加している。

本資料は各種磁気／ICカード、カード材料／関連機器及びRFIDタグ市場の市場動向や市場規模等を把握し、今後の市場予測を行うことを目的とした。本資料がカード参入各社における事業展開の一助になれば幸いである。最後に、本資料制作にあたり、快く取材に応じて頂いた各社の御担当者の方に深くお礼を申し上げます。

本調査資料では、各種カードをアプリケーションごとに分類し、それぞれについての市場規模・動向、今後の方向性等について調査・分析を行っている。併せて、ICカード、リライトカード、カード材料／関連機器及びRFIDタグの市場規模・動向をまとめ、今後の市場予測も行っている。磁気カードが全般的に減少傾向となり、ICカード化が進む中で、各種カードの市場規模把握や今後の市場予測等を行うことで、カード関連市場全体の市場動向を把握することを目的とした。