◆市場調査レポート:2006年03月30日発刊

2006 テレビ・放送市場総調査

地上放送・BS/CS放送/光アクセス・BB/携帯/移動体…“ユビキタス”インフラ
−調査の背景−
  • 放送とTV関連の分野を、調査の対象としてから17年になる。昔話をすると、当時は、29”など大型のCRT-TV(ブラウン管)が家庭の標準的なTVとなり、放送ではBS放送(アナログ)が始まるころで、後にはハイビジョン放送(アナログ)が始まるという構想が示された時期である。これに連動してTVの画面はさらに大型化する方向で検討され、リアプロでハイビジョンTVが試作されたりしていた。ちなみに、当時考えられた寸法・質量は、画面50”、奥行き50cm、質量50kgであった。薄型TVはさらにその先にあり、いずれCRT-TVに代わることについて、感覚的には想定出来ても、まだ、遠い先のこととして、調査のような仕事のフィールドであっても、現実的な業務と言う観点で見ようとする者は少なかった。
  • そんなころから、17年を経た現在、PDP、LCDの薄型TVがリビング・お茶の間のTVとして“普通のTV”、という位置付けに至っている。特に、2002年あたりを過ぎてからの進展は著しく、今では旧来のCRT-TVを見ると、大きさと重量感と、何より奥行きのある箱型に違和感を持つほどにTVの形態変化が進んでいる。もう、CRT-TVのラインナップは消えゆく状況にある。
  • 一方の放送も、2000年のBSデジタル放送からデジタル化が始まり、周知の通り地上デジタル放送が開始されている。番組内容にはこれといって変化はないが、ハイビジョン収録番組の、高画質と言うより質感のある映像は、過去にない表現力があり一度見れば、まず、魅了されるだけの性能がある。ただし、見てもらわなければ、そのよさも分からないわけで、地上デジタル放送の一般への浸透は、何より薄型TVの需要によるところが大きい。
  • 地上デジタル放送について、2年ほど前の時期まで“何が出来るのか”“番組の違いは”といった、物理的な変化を問う声が多く聞かれ、内容に変化がないのに誰が見るのかといった見解を述べる者もあった。放送は通信サービスと異なり、何もしなくても常に降り注いでいる情報である。また、一般人の生活においてラジオの開始を含めれば、80年間人に触れ続けて生活文化に溶け込んでいるものである。新聞や書籍もそうであるが、小説や散文、時事などのコンテンツを、文字や画で表現する点は昔から変わらず、印刷物として上等なものになっている。テレビの放送もこれに近いもので、デジタル化の恩恵は、まずは、映像や音声といった表面の向上と介すべきである。まずは、ハイビジョンでテレビの番組が見られることが、最大の魅力である。
  • 現在テレビ放送は、全国的なデジタル化の目処が立ったところであり、2011年のアナログ放送終了も、デジタルTVの市場動向を見れば、可能と目される状況にある。ここで、地上デジタル放送は、ハイビジョン放送という基盤となる放送に加え、多機能という側面を示す段階にきている。この4月1日からは、携帯電話でテレビ視聴が可能となる1セグ(ワンセグ)の電波が、全国のデジタル化先行局から出る。順次放送環境が整備されてゆくことで、2年程度の間には、辺地を除いてどこでも視聴できるようになる。さらに、デジタルラジオ(3セグ)と組み合わせて、携帯電話に搭載されるという方向もある。携帯電話や、その他受信可能な携帯機器は、地上デジタル放送の開始とともに、これに対応しつつエンタテインメント機能をすべて内包して行く方向にある。
  • 昨年は、丁度この時期テレビ局の買収騒動があり、その後、大ごとになって今に至るが、この買収工作の際、通信と放送の融合という“古い言葉”が使われていた。実際には通信と放送の“連動”であり、2007年開始を予定しているNHKのサーバ型放送は、TVとネットの接続が前提で、旧作コンテンツのアーカイブや、一段深い情報サービスへ、TVを通じて接触できる環境を構築しようとするものである。しかし、この通信と放送の融合については、通信キャリアの全国的事業として、テレビの放送を“光ネットワーク”で送信(放送)しようという構想が、本格的な検討に入ろうとしている。これについては、問題点や多分野にわたって検討を要する点が多く、法制度のほか、人格権などの個人の権利も絡み、単に、技術だけでは語れない点が多い。今後の展開が注目されるところである。TVとTV周辺の、コンスーマ機器市場の定量調査データのほか、この辺りについても触れているので、本文でご確認いただきたい。

−調査目的−
  • 本調査レポートは、デジタルインフラストラクチャのうち、テレビ(受像機)と放送、通信を対象とし、放送インフラ、通信インフラからそれらを取り巻くハードウェアとインフラ市場を調査・分析したものである。
  • 今後のデジタルコンテンツ市場をインフラ側から広範囲に把握し、将来展開すべき方向性を示唆することを目的とした。

−調査対象−
インフラストラクチャ
放送
地上デジタル放送、BSデジタル放送、CSデジタル放送、CATV、1セグ放送、ブロードバンド放送、衛星ラジオ/モバイル放送
通信
光ファイバ、xDSL、CATV、無線、CDN
ハードウェア
パッケージ系機器
TVゲーム機、DVDプレーヤ/HDD・DVDその他レコーダ、他
放送系機器
TV受像機、CATV、BSチューナなどSTB(セットトップボックス)類、他

−調査項目−
ハードウェアメーカー
放送系プラットフォーム
CDN/アグリゲータ
通信系プラットフォーム
情報、通信関連機関、団体
委託放送事業者
その他

−目次−
I. テレビ・放送関連市場の動向(1)
1. 各放送スケジュールと視聴件数予測:〜2015年(3)
1) 放送スケジュールと周辺環境(3)
(1) テレビ放送環境一覧(3)
(2) 地上デジタル放送スケジュール(5)
(3) 地上デジタル放送開始時期(6)
2) 2006年3月時点の放送の現況(12)
3) 視聴件数予測(14)
(1) 地上デジタル放送視聴予測(14)
(2) BSデジタル放送の動向と視聴予測(16)
(3) CSデジタル放送の動向と視聴予測(18)
(4) ブロードバンド放送(概要)(19)
(5) CATV(21)
2. 2006年の放送環境(23)
1) 概況(23)
2) 日本のメディアの構成・各放送の位置付け:放送ないし放送的メディアのヒエラルキ(26)
3) IPインフラとテレビ放送(27)
(1) テレビ放送の構造(27)
(2) IPで送信と問題点(28)
(3) 権利の発生(32)
4) テレビ放送の現状(34)
(1) 日本と海外の地上放送デジタル化(34)
(2) 日本の地上放送デジタル化(35)
5) 海外主要各国の放送(37)
6) 海外主要地域の動向(39)
7) 移動体放送受信機“手のひら携帯”(43)
(1) 携帯電話:1セグ、1セグ/3セグ放送受信(TVケータイ)(43)
(2) モバイル放送(47)
(3) メディアフロー(MediaFLO)(50)
II. 国内テレビ放送の動向(55)
1. 放送環境:現状と今後(57)
1) 地上デジタル放送の各局の見通し(57)
2) 機能の高度化に対する対応(59)
3) IP-BBと放送事業の親和性(63)
2. 個別調査票(65)
1) 日本放送協会(NHK)(67)
2) 日本テレビ(71)
3) 東京放送(TBS)(75)
4) フジテレビ(79)
5) テレビ朝日(83)
6) テレビ東京(87)
7) 讀賣テレビ放送(YTV)(91)
8) 毎日放送(MBS)(95)
9) 関西テレビ(KTV)(99)
10) テレビ神奈川(TVK)(103)
11) 北日本放送(KNB)(109)
12) 京都放送(KBS)(114)
3. TV(受像機)の市場動向(117)
1) FPD-TV(PDP/LCD-TV)とCRT-TVの市場規模推移(国内市場・数量)(117)
2) リビングサイズ(30インチ以上)におけるFPD-TVとCRT-TVの市場規模推移(国内市場・数量)(118)
3) リアプロジェクションTVとFPD-TVの市場規模推移(国内市場・数量)(119)
4) リアプロジェクションTVとFPD-TVの市場規模推移(世界市場・数量)(120)
5) 主要製品一覧(121)
6) 主要参入各社の動向(125)
4. DVDレコーダの市場動向(132)
1) 経緯と現状(132)
(1) 概況(132)
(2) 機器のラインアップ(133)
2) 今後の動向(137)
(1) 市場の将来展望(137)
(2) 次世代DVDレコーダ(137)
(3) 地上デジタル放送とDVDレコーダ(138)
III. CATV(139)
1. ケーブルテレビの現状(141)
1) 国内のCATVサービス普及状況と予測(141)
2) 各サービスの市場動向(142)
2. CATV向け放送コンテンツ(146)
1) CATV向け視聴世帯数の多い主要CSチャンネル(146)
2) CATV受信/直接受信それぞれが占める視聴世帯の比率(上位10番組について)(148)
3. 国内のCATV事業の統計情報(150)
1) 施設規模別施設数(150)
2) 施設別加入世帯数(151)
3) 自主放送を行う事業者数(152)
4) 事業規模別事業者数(153)
5) 加入世帯数上位のケーブルテレビ事業者(154)
4. 個別調査票(155)
1) ジュピターテレコム(157)
2) ジャパンケーブルネット(162)
3) メディアッティ・コミュニケーションズ(166)
4) ビック東海(170)
5) 中部ケーブルネットワーク(175)
6) いちかわケーブルネットワーク(178)
IV. ブロードバンド(183)
1. インターネット接続サービス市場の現況(185)
1) ブロードバンド契約数の推移(実績)(185)
2) 年別ブロードバンド契約数の推移(予測)(186)
3) インターネット接続サービスの市場規模推移・予測(ブロードバンドインフラの普及状況)(187)
2. ブロードバンド映像サービス市場(188)
1) ブロードバンド映像サービスの全体像(188)
2) VOD型サービス(189)
3) ブロードバンド放送(197)
3. 動画サービス事業者の動画コンテンツ配信状況(201)
1) ポータル事業者とISP事業者のサービス概要(201)
2) 大手ポータルサイトの動画配信サービス(ブロードバンドコンテンツ)展開状況(202)
3) 各ポータルサイトにおける人気動画コンテンツとそのジャンル例(203)
4. 個別調査票(205)
1) 宇宙通信(207)
2) 日本電気(211)
3) ネオ・インデックス(215)
4) ビー・ビー・ケーブル(219)
5) ぷららネットワークス(223)
V. ハードウェア市場(227)
1. ハードウェア市場まとめ(229)
1) テレビ全体市場まとめ(229)
2) ホームシアターシステム市場まとめ(232)
3) DVDプレーヤ/VCR全体市場まとめ(234)
4) DVDレコーダ市場まとめ(235)
5) 家庭用ゲーム機市場まとめ(236)
6) チューナ/STB類全体市場まとめ(237)
2. ハードウェア別市場(238)
1) テレビ市場(238)
(1) 4:3TV(238)
(2) ワイドTV16:9(240)
(3) ハイビジョン・デジタルTV(242)
(4) プラズマTV(244)
(5) 液晶TV(247)
(6) リアプロジェクションTV(253)
(7) SED(256)
(8) ポータブルTV(257)
(9) お風呂TV(259)
2) 非テレビ市場(261)
(1) テレビ受信携帯電話(1セグ、1seg/3seg)(261)
(2) モバイル放送受信機(263)
(3) カーNAVI/TV(266)
(4) パソコンTV(270)
3) ホームシアターシステム市場(274)
(1) ホームプロジェクタ(274)
(2) スピーカシステム(277)
(3) アンプリファイヤ(280)
(4) ホームシアターパッケージ(284)
(5) スクリーン(287)
4) プレーヤ/レコーダ市場(290)
(1) VCR(290)
(2) DVDプレーヤ(292)
(3) DVDレコーダ(295)
(4) ホームサーバ/ホームルータ(301)
5) 家庭用ゲーム機市場(303)
(1) 家庭用ゲーム機器(303)
6) チューナ/STB類市場(307)
(1) 地上/BSデジタルチューナ(307)
(2) CSデジタルチューナ(310)
(3) CATVホームターミナル(313)
−お問い合わせ・お申し込みについて−
調査資料名
2006 テレビ・放送市場総調査

頒価
106,700円(税抜 97,000円)

発刊日
2006年03月30日

報告書体裁
A4版 原本コピー簡易製本

ページ数
315ページ

担当部署
株式会社富士キメラ総研 第二研究開発部門
TEL. 03-3241-3490 FAX. 03-3241-3491

お申し込み方法
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