AV機器市場はアナログ〜デジタルへの製品シフト/デジタル放送開始/ブロードバンドの普及による大容量コンテンツの増大等により、新たな用途/需要を創出するなど、これまで以上に活況を呈している。
放送業界では、2003年12月の三大都市において地上波デジタル放送が開始され、現在も順次地方局にもエリアが拡大しており、2006年末には全国主要都市で視聴可能となり、世帯普及率は80%を超えるものと見られている。デジタル放送の普及はTV需要を押し上げるだけでなく、大容量化/高画質・高音質ニーズの高まりによってDVDレコーダー等の映像記録・再生機器やホームシアターシステム等の音響機器の需要も拡大させている。
当調査において対象としたAV機器(60品目)の2004年国内市場規模は約3兆7,419億円である(携帯電話/ゲーム機含む)。その内、映像/音響機器を対象とした市場規模は約1兆7,728億円であり、デジタル化の進行による機能向上/用途の広がり等により、2005年以降も拡大が予測される。
AV機器の核であるTV市場は、ブラウン管(CRT−TV)から液晶/PDP−TVといった薄型TVへのシフトが進んでいる。今後はELやSEDといった新デバイスによる商品化も進み、デバイス間の競合は一層激化していくことが予測される。記録再生機器市場は、VTRからDVDへのシフトが進む中、2004年にはアテネオリンピック等の特需やデジタルTVとの相乗効果もあり、DVDレコーダー市場が拡大し、プレーヤー市場を大きく上回っている。更に規格争いが注目されている次世代DVDにおいては、Blu−ray Discレコーダーの商品化に続き、2005年にはHD−DVDレコーダー/プレーヤーも市場投入も予定されている。
また、映像機器に比べ低迷が続いている音響機器市場についても、「iPod」のヒットに代表される HDDオーディオ、シリコンオーディオといったデジタルオーディオプレーヤー市場が急速に市場を拡大させている。実売3万円を切り、小型化が図られた「iPod mini」の登場によってユーザー層は更に広がりを見せ、これまで海外メーカー製品中心の市場であったが、国内メーカーの参入が相次いでいる。
当調査では、主要AV機器60品目を対象とし、各製品の国内市場動向/製品トレンド/参入メーカーの事業展開等をポイントに調査を実施した。更に40品目については、世界市場ベースで調査を実施し、各製品の世界市場規模推移、地域別動向等の把握を行った。
当調査資料は、デジタル化やネットワーク対応が進むコンシューマAV機器及び関連製品市場の現状と方向性を調査することで、当該ビジネスに関わる各企業の製品開発・販売戦略立案における有益なマーケティングデータの提供を目的に制作したものである。