◆マルチクライアント調査レポート:2007年06月29日発刊
BTCスペシャルレポートVol. 1 SaaS
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−調査の背景− |
- IT(情報技術)市場は、あらゆる産業分野の中で最も流動的であり、定型化されたビジネスモデルを確立し、それを永年にわたって維持することが困難な分野である。これまでにも大型コンピュータからPCベースの小型コンピュータへの移行、各企業向けに専用のソフトウェアをカスタム開発するモデルからパッケージ・ソフトウェアをベースとしたシステム開発モデルへの移行といったいくつかの大きな変革を経て今日に至っている。
- このようなIT市場における流動性は、変化する不安定な市場を敬遠する保守的なベンダにとってはリスクとなるが、新たなアイデアによってビジネス・チャンスの獲得に努めるベンダにとっては、企業成長の糧ともいえる重要な要素の一つとなる。こうした特長が、欧米やインド、イスラエルなどの地域におけるベンチャー企業の活発な起業と台頭を支える要因となっている。
- 今まさに胎動が始まろうとしているSaaSと呼ばれる新たなアウトソーシング・ビジネスモデルは、小型コンピュータやパッケージ・ソフトウェアと並んで、将来企業向けIT市場のパラダイムについて語る際、歴史的なムーブメントして取り上げられるべき変革の一つである。IT分野におけるアウトソーシングの取り組み自体は既に長い歴史があるが、世界を網羅するブロードバンド環境が整備されてからは初めて登場したビジネス・モデルであり、そのサービスがブロードバンド・ネットワーク上で展開されるという特徴から、地理的な制約を超えた革新性に対する期待が高まっている。
- IT分野においてこれまでに登場した大半のブームと同様、わが国のSaaS市場は世界的な市場リーダーであるsalesforce.comの進出という形で形成が始まった。既存勢力である国産ベンダにとっては、SAPやDellなどに次ぐ新たな黒船の来襲ともいえ、一方多くのSIerにとってはSMB市場の開拓、あるいは低迷するソフト開発事業からの脱却を実現するための有望な商材として期待もかかるが、いずれにせよこの新たな大波を受け止める体制を早期に整える必要がある。
- 当調査企画では、SaaSとSaaSの母体とも言えるASP双方のマーケティング的観点からみた相違点を踏まえた上で、SaaS分野への市場参入企業を中心とする主要なベンダに対するインタービュー調査を実施した。また当該インタビュー調査の結果を元に、ユーザー企業の規模属性を主軸としたセグメンテーション、ならびに各セグメントの別によるニーズ実態の把握および有効な導入形態など、ビジネスモデル別の有効性に関する詳細な分析を試みた。
- 当調査レポートは全3部・20章で構成する。第3部「ベンダ戦略事例研究」では、第8章から第20章に渡って主要ベンダの事業戦略につき、事業の狙いと獲得すべき市場におけるポジションといった観点を主軸として、事業規模実績と予測を含む詳細情報を記載した。第2部「市場分析」では、主な参入プレーヤによって構成される国内市場の全体構造を俯瞰した上で、2006年度から2010年度に至る国内市場規模の下層セグメントにまで掘り下げての予測数値、需要動向に関する複数の観点からの分析など、市場実態把握と将来予測を行った。
- 第1部「調査総括」では、SaaS市場のみに止まらず、SaaS市場を包含するエンタープライズ・ソフトウェア市場全体、さらには周辺ビジネスを含むエンタープライズIT市場全体という視点から、SaaSによる市場インパクトとそれによってもたらされるソフトウェア・ベンダやSIer等参入プレーヤーを取り巻く市場環境の変化などについて総合分析を行った。
- このレポートが、SaaS市場の実態や将来性について研究し、ビジネスプランを立案する際の基礎情報として、あるいは既にSaaS市場において展開している事業の一層の拡大と躍進を果たすための基礎情報として大いに活用されれば幸いです。
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−調査目的− |
- 当調査企画では、「Software as a Service(SaaS)」として現在急速に注目を集めている次世代のASPモデルについて、アプリケーション・ソフトウェアベンダ、システム・インテグレータならびに通信事業者、サービスプロバイダ、コンサルティング・ファームなどオンデマンド型企業システム事業を取り巻く主要企業に対するインタビュー調査を通じて、次世代オンデマンド型企業システムの現状ならびに、市場の将来性、今後の企業情報システムにおける位置付けを明確にすることを目的とした。
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−調査対象− |
- 1)サービス階層別
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(1) アプリケーション
(2) プラットフォーム
(3) インフラ
- 2)アプリケーション別
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- (1) CRM/SFA
- (2) Web会議
- (3) グループウェア
- (4) ERP
- (5) EC/EDI
- (6) 人事・給与
- (7) その他
- 販売・在庫、財務・会計、物流・倉庫、生産管理、SCM、文書管理、セキュリティ、デスクトップ
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−レポートのキーポイント− |
- 第1部 調査総括
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- 2012年のソフトウェア市場全体に占めるオンデマンド市場の位置づけ
- SaaS導入の3形態
- 変化するソフトウェアベンダのビジネスモデル
- 変化するSIerのビジネスモデル
- 第2部 市場分析
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- 2010年に至る市場規模…細分類レベルへのブレイクダウン
- SaaS市場の鳥瞰図
- 有望ユーザー像…属性と要件
- 第3部 ベンダ戦略事例研究
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- 主な参入プレーヤのSaaS市場での狙い
- 現状の取り組みと今後の展望
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−目次− |
- はじめに(1)
- 調査設計(3)
- 第1部 調査総括(9)
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- 第1章 新型オンデマンド型企業システムの現状(9)
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1.1 SAAS市場の本質(10)
1.2 ビジネスモデル(11)
- 第2章 現状の課題と将来展望(13)
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2.1 オンデマンド/オンプレミス別エンタープライズ・ソフトウェア国内市場規模推移(13)
2.2 SAASの主な導入形態と企業規模別適合性(14)
2.3 システム・レイヤーによる社外リソースの活用(17)
2.4 ソフトウェア・ベンダのビジネスモデル(17)
2.5 SIerのビジネスモデル(18)
2.6 ハードウェア等周辺市場に対する影響(18)
- 第2部 市場分析(19)
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- 第3章 SAAS市場の実態と構造(19)
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3.1 調査対象市場の定義(20)
3.2 市場概況(24)
3.3 主要参入企業の相関図(25)
3.4 業務提携動向(27)
3.5 当該ビジネスにおける収益モデル(27)
3.6 技術構成要素及び従来型ASPとの比較(28)
- 第4章 主要関連製品、サービス一覧(30)
- 第5章 オンデマンド型企業システム市場規模推移(32)
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5.1 トータル市場(32)
5.2 オンデマンド世代別(33)
5.3 サービス階層別(34)
5.4 アプリケーション別(35)
5.5 ユーザー業種別(36)
5.6 企業規模別(37)
- 第6章 主要参入プレーヤーの事業戦略(38)
- 第7章 需要動向(41)
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7.1 コア・ターゲット(41)
7.2 企業規模属性(42)
7.3 システム資産とITリテラシ(42)
7.4 業種属性(43)
7.5 伝統的企業対新興企業(43)
7.6 企業文化その他属性(43)
- 第3部 ベンダ戦略事例研究(45)
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第8章 (株)NTTデータセキスイシステムズ(46)
第9章 (株)NTTレゾナント(55)
第10章 SAPジャパン(株)(63)
第11章 ウェブエックス・コミュニケーションズ・ジャパン(株)(67)
第12章 サイボウズ(株)(77)
第13章 (株)セールスフォース・ドットコム(89)
第14章 ソフトバンクBB(株)(99)
第15章 ソフトブレーン(株)(108)
第16章 ネットスイート(株)(115)
第17章 フィードパス(株)(125)
第18章 フュージョン・ネットワークサービス(株)(136)
第19章 マイクロソフト(株)(141)
第20章 ラクラス(株)(146)
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−共通調査項目− |
1 企業プロフィール(46)
2 事業の位置付け及び市場参入の狙い(46)
3 提供サービスの体系・内容(47)
4 事業推進体制とアライアンス(49)
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5 事業規模実績、見込、予測推移(49)
6 導入ユーザーの状況(53)
7 マーケティング戦略(53)
8 現状の課題及び今後のビジネス展開(54)
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