◆マルチクライアント調査レポート:2019年03月25日発刊

中国における新エネ車の事業戦略、関連部材、インフラの実態調査(2019年)

NEV規制の導入による市場への変化、新興自動車メーカーの台頭、現地化へのシフトを探る
「A. 市場編/インフラ編」「B. 自動車メーカー編」「C. 電池メーカー編」「D. 機電編」
−はじめに−
  • 中国政府は2020年までに、『累計500万台』のEV/PHVを普及させる目標を立てている。2017年は77.7万台の販売実績を残し、EVでは世界で最大マーケットとなった。2018年の北京モーターショーでは、既存自動車メーカー以外に、NIO、BYTONなどを代表とする新興新エネ車メーカーの台頭も見られる。さらに、2019年には、NEV規制の実施により市場に変化がもたらされた。中国ローカルに限らず、外資系メーカーの参入も積極的となった。
  • 2016年9月、VWは中国における3社目の合資会社を江淮汽車(JAC)と設立した。また、工業和信息化部によるNEVクレジット政策の施行により、将来的には内燃機関車の燃費改善よりもEV/PHVの開発に注力した方がクレジット獲得の手段として効果的となる。そのため、2017年9月にFordも衆泰汽車(Zotye)と合弁することを発表した。クレジット政策以外には、工信部は内燃機関車の製造を禁止するスケジュールも検討している。まず海南省が先行して内燃機関車を2030年までに販売禁止する計画を発表したが、中国政府としてはこれを全国のモデルにしたいという思惑がある。一方、次世代車開発における燃料電池車への注力度も高まっている。李克強首相のトヨタ訪問が契機となったが、鉄鋼製造時に発生する水素の有効活用も期待され、上海汽車、GEELYなどのメーカーが開発に積極的な姿勢を見せている。
  • 中国が新エネ車を推し進める真意は、自動車産業だけでなく、国家技術戦略として動力電池の国産化、基幹産業の育成を目指す点にある。動力電池は国家プロジェクトとして政府が技術育成に注力しており、電池メーカーは研究開発、設備投資に膨大な支援金を受けている。外資系企業を排除するため、WhiteListの実施によりローカル電池メーカーを先行させ、量産実績を作らせた。一方、国家プロジェクトの863計画でも、開発支援金の名目で中国企業の技術開発を加速させた。海外メーカーに追い付くための時間を稼ぐと同時に、市場での実績も生み出した。結果、業界内には統廃合が進み、CATLは日産、BMW、VWなどのグローバルメーカー向けに製品を出荷できるまで成長した。今後は中国市場に限らず、海外市場への進出も視野に入れている。中国製造の強みを生かし、利益を確保しながら、コストパフォーマンスの高い製品を供給し、日本および韓国メーカーと競争する姿勢を示している。
  • また、このような傾向はモーターなどの機電部材でも同様である。OBC、DCDCコンバーター、インバーターといった部品も現地メーカーの参入が活発であり、自動車産業の発展とともにTier1メーカーが成長している。より長い航続距離を狙った車種の開発には、既存内燃機関車のプラットフォームではなく、電動車専用のプラットフォームの開発や高電圧プラットフォームの開発と採用が行われている。また省スペース、コスト低減のため、機電一体化ユニットの導入が進むとともに、中国本土ではなく、ドイツの設計会社や、シリコンバレーの設計会社への開発委託も頻繁に行われている。さらに自動運転の要素も加えられ、各メーカーとも、一層魅力的な自動車を設計する方向性を追求している。
  • 現在の推進状況が続けば、2030年には、中国生産乗用車全体のうち40%が新エネ車となることも不可能ではない。中国国内販売に限らず、「一帯一路」戦略に合わせて周辺国への進出も視野に入れており、同国が掲げている「自動車強国」に向けて前進している。本特別調査報告書では、前進する中国のEV市場や主要部品関連動向、充電インフラの動向、標準化と海外進出、動力電池のリユース、再生可能エネルギーとの連携といった、EVに関するさまざまな最新動向をまとめた。
−調査目的−
  • 本特別調査報告書は4パートに分けて、中国の新エネルギー自動車市場の情報をまとめ、整理している。中国市場における最新な新エネルギー自動車関連の情報とデータベースを提供することを目的とした。
−調査のポイント−
A. 市場編/インフラ編
  • 新エネルギー自動車関連市場規模および今後の戦略(ポスト補助金の対応、主要自動車メーカーと部材メーカーの供給関連)
  • 充電インフラ関連市場規模および予測、最新充電インフラ方向性(急速充電、ワイヤレス充電、V2G、充電モジュールなどのコア部材)
  • 燃料電池関連市場規模および今後の戦略(中国ローカル企業の参入企業、開発動向)、関連インフラ市場の動向
B. 自動車メーカー編
  • 主要自動車メーカー7社の個別動向(台数規模および計画、協力メーカー、供給ベンダー、自動運転への対応など)
  • 外資自動車メーカー4社の個別動向(中国戦略、投入車種、現地ローカライズ、開発動向)
  • 新興自動車メーカー5社の個別動向(参入背景、融資状況、開発/生産動向、既存自動車メーカーとの差異化)
  • 参考資料:補助金受給状況のデータ集(乗用車/商用車込みすべての受給者一覧)
C. 電池メーカー編
  • 動力電池市場規模および予測、Top20社の生産能力、シェア、開発動向、コストトレンド、正極材、負極材、セパレーター、電解液の参入メーカーおよび生産動向
  • 電池メーカー6社の個別動向(出荷台数および計画、増産状況、主要顧客、材料メーカーとの供給状況など)
D. 機電編
  • モーター、BMS、OBC、DCDC、インバーター市場規模および予測、参入メーカーシェア、搭載コスト、供給関係、機電一体化設計の開発動向、高熱性能など
  • 企業個別事例(モーター、BMS、OBC、DCDC、インバーター各主力メーカー1社)
−調査対象企業−
分野メーカー
充電インフラ関連
運営メーカー
青島特來電新能源(TELD)、普天新能源(PTNE)、上海富電科技(Tellus Power)など
設備メーカー
許継集団(Xuji Group)、国電南瑞科技(Nari Tech.)、青島特鋭コ電気(TGOOD)など
充電モジュールメーカー
華為技術(Huawei)、中達電通(DELTA)、深圳英可瑞(INCREASE)、盛弘(Sinexcel)、科士達(KSTAR)
自動車メーカー
主要メーカー
上海汽車、広州汽車、GEELY、北京汽車、長安汽車、BYD、JAC
新興メーカー
NIO(蔚來汽車)、威馬汽車、小鹏汽車、BYTON(拜騰汽車)、奇点汽車
外資系メーカー
VW、Ford、Daimler、BMW
EV用動力電池関連
電池メーカー
CATL、BYD、国軒高科(Guoxuan High-Tech)、力神(Lishen Battery)、FARASIS、BAKなど
電池関連材料メーカー
正極材、負極材、セパレーター、電解液などの材料メーカー
BMSメーカー億能電子(E-POWER)、深圳科列(Klclear)、妙益科技(Mewyeah)、均勝電子(JOYSON)など
モーターメーカー大洋電機(BROAD-OCEAN)、上海大郡(DAJUN TECH)、精進電動(JJE)、上海電駆動(EDRIVE)など
OBCメーカー欣鋭科技(Shinry)、富特科技(EV-TECH)、得潤電子(Deren Electronic)、中港電力(ZG-Power)、鉄城信息(Tiecheng Information)、威邁斯(V-Max)、英博尔(INPOWER)、Valeo、KOSTALなど
DCDCメーカー欣鋭科技(Shinry)、鉄城信息(Tiecheng Information)、富特科技(EV-TECH)、中港電力(ZG-Power)、UAES、麦格米特(Megmeet)、威邁斯(V-Max)、Valeo、KOSTALなど
インバーターメーカーUAES、華域電動(HUAYU)、上海奉天電子(FENGTIAN)、創駆上海、大洋電機(BROAD-OCEAN)など
大学/研究機関清華大学、同済大学、北京理工大学など
政府関連組織科技部、工信部、能源局、環保部、中国自動車工業会、中国汽車技術研究中心(CATARC)、有色金属研究所(Grinm)、国聯汽車動力電池研究院(Glabat)など
−「A. 市場編/インフラ編」目次−
I. 中国における新エネ車市場に関連する政策および今後の方向性(3)
1. 中国政府が新エネ車に注力する理由(4)
2. 「一帯一路」の輸出額から見た中国自動車の成長(8)
3. 中国完成車メーカーの海外進出動向(9)
4. 新エネ車の定義および補助金政策の変遷(12)
5. 中国新エネ車市場の規模および将来予測(17)
6. 2018年における新エネ乗用車の車種別販売状況(18)
7. 中国における各完成車メーカーの新エネ車展開状況(20)
8. 2018年NEV政策の導入による各完成車メーカーへの影響(22)
9. クレジット稼ぎの対策、48V車へのシフト(26)
10. 普及に伴う電池リユース、リサイクルの対応(28)
11. 中国完成車メーカーの生産拠点一覧(33)
12. 完成車メーカーと動力電池メーカーの供給関係(36)
13. 完成車メーカーとモーターメーカーの供給関係(38)
14. 完成車メーカーとインバーターメーカーの供給関係(39)
15. 完成車メーカーとOBCメーカーの供給関係(40)
16. 完成車メーカーとDCDCコンバーターメーカーの供給関係(41)
17. 完成車メーカーとBMSメーカーの供給関係(42)
II. 中国における新エネ車関連インフラの市場規模および動向(43)
1. ワールドワイド新エネ車関連インフラの市場規模および動向(44)
2. 中国市場における充電インフラの産業構造(48)
3. 中国における電力事情および充電インフラへの安定対応ができるのか?(49)
4. 充電インフラの市場規模現状および将来予測(52)
5. 各都市における充電インフラの普及状況(2019年2月までの累計)(57)
6. 充電インフラ運営事業者のシェア構成(58)
7. 各充電インフラ事業者と充電器メーカーの供給アライアンス(59)
8. 充電設備メーカーの参入一覧(60)
9. 充電設備メーカーシェア(2018年)(61)
10. 充電設備コストのトレンド(62)
11. HPCの開発方向(63)
12. ワイヤレス充電開発の方向性(67)
13. V2Gの開発方向性(71)
14. 充電モジュール動向(73)
III. 中国におけるFCVの現状および将来展望(77)
1. 中国におけるFCVの現状および各都市での展開状況(78)
2. 中国における燃料電池関連政策一覧(79)
3. 中国における燃料電池産業の参入企業一覧(水素製造装置/水素製造/貯蔵&運送/水素供給装置/水素ステーション)(80)
4. 中国における燃料電池およびスタックの参入企業一覧(82)
5. 中国における燃料電池の技術ロードマップ(84)
6. 中国におけるFCVの販売実績および将来予測(2015年〜2020年)(85)
7. 中国における水素ステーションの一覧(86)
8. 主要完成車メーカーにおける燃料電池分野の提携先(87)
−「B. 自動車メーカー編」目次−
I. 地場系完成車メーカーケーススタディ(2)
1. 上海汽車(3)
2. 広州汽車(16)
3. GEELY(27)
4. 北京汽車(40)
5. 長安汽車(52)
6. BYD(64)
7. JAC(79)
II. 外資系完成車メーカーケーススタディ(90)
1. VWグループ(91)
2. Ford(98)
3. Daimler(102)
4. BMW(107)
III. 新興完成車メーカーケーススタディ(113)
1. NIO(114)
2. 威馬汽車(121)
3. 小鵬汽車(128)
4. BYTON(134)
5. 奇点汽車(140)
参考資料:補助金受給状況のデータ集(145)
−「C. 電池メーカー編」目次−
I. 電池メーカー編まとめ(2)
1. 中国動力電池に関連する最新の政策動向(3)
2. 中国動力電池の参入メーカー一覧(5)
3. 中国動力電池出荷市場予測(2017〜2025年)(7)
4. 中国動力電池メーカー別出荷シェア(2018年)(8)
5. 中国における主要動力電池関連企業の生産拠点分布、増産動向(Top20社)(10)
6. 中国における主要動力電池関連企業の生産能力(TOP20社)(11)
7. 2017〜2030年動力電池パックコストの変化および予測(12)
8. 動力電池メーカーと自動車メーカーのアライアンス動向(2018年)(12)
9. 電池材料メーカーのアライアンス動向(13)
10. 中国正極材メーカーの取り扱い製品タイプ、生産能力、供給マトリクス(14)
11. 中国負極材メーカーの取り扱い製品タイプ、生産能力、供給マトリクス(16)
12. 中国セパレータメーカーの取り扱い製品タイプ、生産能力、供給マトリクス(18)
13. 中国電解液メーカーの取り扱い製品タイプ、生産能力、供給マトリクス(19)
14. 中国動力電池関連材料の採用動向(20)
15. 中国動力電池のリユース、リサイクルの動向(20)
II. 電池メーカーケーススタディー(22)
2.1. CATL(23)
2.2. BYD(35)
2.3. 国軒高科(43)
2.4. 力神(51)
2.5. FARASIS(58)
2.6. BAK(65)
−「D. 機電編」目次−
I. 中国新エネ車関連機電市場の現状と将来予測(2)
1. 各製品カテゴリーの市場規模および将来予測(3)
2. 各製品カテゴリーの参入メーカー一覧および中国地区主要R&Dセンター(4)
3. 各製品カテゴリーの主要参入メーカー動向(7)
4. 機電一体化の開発動向(2017年〜2020年、2025年)(11)
5. コスト、サイズ、電圧スペックの現状と開発動向(12)
6. パワー半導体の採用動向(13)
7. 放熱材料の採用動向(16)
8. 車載LiBにおける放熱材料(18)
II. 新エネ車関連機電・機電メーカーケーススタディ(20)
1.1. モーター (21)
1.1.1.精進電動(27)
1.2. インバーター(32)
1.2.1. UAES(39)
1.3. OBC/DCDCコンバーター(43)
1.3.1. 欣鋭科技(54)
1.4. BMS(58)
1.4.1. 億能電子(66)
−お問い合わせ・お申し込みについて−
調査資料名
中国における新エネ車の事業戦略、関連部材、インフラの実態調査(2019年)

頒価
A. 市場編/インフラ編:550,000円(税抜 500,000円)
B. 自動車メーカー編:1,100,000円(税抜 1,000,000円)
C. 電池メーカー編:550,000円(税抜 500,000円)
D. 機電編:550,000円(税抜 500,000円)

発刊日
各巻2019年03月25日

報告書体裁
ファイル綴り報告書(PDF版標準添付)

ページ数
A. 市場編/インフラ編:88ページ
B. 自動車メーカー編:155ページ
C. 電池メーカー編:74ページ
D. 機電編:69ページ

担当部署
株式会社富士キメラ総研 企画部 TEL. 03-3241-3490 FAX. 03-3241-3491
北京凯美莱信息咨询有限公司 TEL. +86-10-6581-6560 FAX. +86-10-6581-1993

お申し込み方法
下記のフォームにて直接お問い合わせ、お申し込みください。
受信後、担当者より折り返しご連絡いたします。
また、必要事項をE-mail、ファクシミリにてinfo@fcr.co.jpまでお送りいただいても結構です。
お申し込み後の処理フローは“市場調査レポートのお申し込みについて”のページでご確認ください。


E-mailお申し込み書

お問い合わせ・お申し込み内容
このレポートについて詳細な説明を受けたい
このレポートに類似した内容について市場調査の依頼を検討している
「A. 市場編/インフラ編」の見積を依頼する
「B. 自動車メーカー編」の見積を依頼する
「C. 電池メーカー編」の見積を依頼する
「D. 機電編」の見積を依頼する
「A. 市場編/インフラ編」の購入を希望する
「B. 自動車メーカー編」の購入を希望する
「C. 電池メーカー編」の購入を希望する
「D. 機電編」の購入を希望する

お名前 (必須)
御社名 (必須)
ご所属 (必須)
ご役職
ご所在地 郵便番号(必須)
電話番号 (メール、電話どちらか必須)
FAX
電子メール (メール、電話どちらか必須)
富士キメラ総研担当者
お支払い予定日
お支払い規定
通信欄
ご入力いただいた個人情報はお申し込み・お問い合わせへのご対応に利用させていただきます。
市場調査レポートのご購入・お問い合わせに際して取得する個人情報のお取り扱いについて(新しいウィンドウもしくはタブで開きます)』の内容をご確認の上、ご同意いただける場合のみ、以下の入力欄にチェックを入れてください。
『市場調査レポートのご購入・お問い合わせに際して取得する個人情報のお取り扱いについて』に同意する (必須)
簡単入力機能 入力内容を保存する  
チェックをつけるとフォームの内容が保存され次回以降の入力が簡単になります。


ページトップ