◆市場調査レポート:2003年09月16日発刊

2003 デジタルコンテンツ市場総調査

光アクセス・地上波(BS/CS)・放送・モバイル…“ユビキタス”インフラ
−調査の背景−
  • コンテンツビジネスが確立されるということは、その時点で社会のシステム全体が、ユビキタスの環境に移行したということである。PC、ノンPCのすべてが情報デバイス(端末)となって、あらゆる場面において、コンテンツを享受できる環境ができたときこそ、そのときである。

  • 2003年秋季を迎える現在において、本調査レポートのテーマであるコンテンツビジネスは、まだ、拡充の端緒に付いた時期にある。BB(ブロードバンド)が注目されたこと、ストリーミングその他の技術の進展、PCの一般への普及などなど、ここ数年回線上におけるコンテンツビジネスが、情報産業における新規の市場を確立するものとして、話題を集めたのは周知の通りである。

  • しかし、実際には単に新規の伝送路や、新規の情報デバイス(端末)の登場のみで、情報関連のビジネスが確立されるものではなく、それ相応の時間の経過を必要とするものである。特に、ここ数年いわれたコンテンツビジネスは、広く一般を対象としたものである。一般を対象にするビジネスには、何らかの娯楽性や個人の嗜好、生活サイクルなど通常の生活全般における価値観の上で、楽しさや、利便性がなければ受け入れられないものである。情報通信・ITの世界にあって、企業の情報システムなどのように、目的の明解なビジネス分野とは異なるものである。

  • 昨年2002年までの状況は、BB-PCの組み合わせでコンテンツビジネスを語る傾向が強く、振り返ってみれば、BB-PCという閉じられた環境でのみ、語られる状況にあったといえる。良く聞いた言葉に“キラーコンテンツ”があるが、限定された環境下で物ごとを考えた場合、その狭小な枠の中において掘り下げようという考えに行きがちになる。このキラーコンテンツについては、「実はなかったのだ」という結論に達したのが、昨年までの状況であったといえる。

  • 一方、情報の出口となるデバイス(端末)は、伝送路の拡充やデジタル化とあいまって、急速にその種類が増加している。さらに、ビジネス分野で普及が著しいJava(J2EE)の採用によるオープン化が、今後は、民生一般に波及してくる状況にある。

  • これら複数の要件が関連しあって、今後数年の間に先に述べたノンPC群をデバイスとする情報サービス環境が構築されてゆくものと見られる。ここにおいて、円滑で活発なコンテンツ流通が実現されることになるが、この環境がすなわち“ユビキタス”である。そして、そのときは、ユビキタスという言葉が死語になるときである。

  • この調査レポートは、今後本格的な進展に移行するコンテンツ流通の環境を、毎年“定点観測”して行くことを旨とする。特に面白くなるのは、円滑なコンテンツ流通のための基盤構築ビジネスが今後、大きく伸びようとしている点である。これまで企業などのIT化における技術であったものが、個人の生活全般の域に出ようという時期にある。このあたりについては、本文巻頭にて述べている。本文にて確認いただきたい。

−調査目的−
  • 本調査レポートは、テレビ、PC、携帯電話、自動車、映画館、電子看板、メディアといったコンテンツ受信端末ごとに、コンテンツ市場やサービスの要点・動向を解説する。ユビキタスという広範な視点で、コンテンツビジネス環境を調査/分析し、将来展開すべき方向性を示唆することを目的とした。

−調査対象−
プラットフォーム

デジタル放送
テレビ PC 携帯電話 自動車

ネット・BB
PC

ケータイ
携帯電話

自動車
自動車 カーナビゲーション 車載テレビ 車載ディスプレイ

映画
映画館 シネマコンプレックス 旅客機客室 ホール・会場

ビルボード/モール
電子看板 電子ディスプレイ プロジェクタ LED・PDP・LCD

CD/DVDパッケージ
CD DVD SACD DVD-Audio DVD録画再生機 ゲーム機

−調査対象先/分野−
デジタルコンテンツ市場

1. デジタル放送
・地上波デジタル放送受信
・ケータイ/自動車向け放送
・サーバ型放送
・生活ユビキタス
・フラットパネルTV

2. ネット・BB
・BBコンテンツ事業
・エンタテイメント系コンテンツ
・BB加入
・トラフィック運営サポート

3. ケータイ
・Webとコンテンツ
・地上波デジタル放送受信
・家庭内電気機器操作
・ユビキタスリモコン

4. 自動車
・テレマティクス
・(ITS、DSRC)
・地上波デジタル放送受信

5. 映画
・デジタルシネマ
・ショートフィルム
・シネコン

6. ビルボート/モール
・街頭テレビ
・デジタル看板
・ケータイとの連携

7. CD/DVDパッケージ
・CD-ROM
・DVD-ROM
・CD-DA
・SACD
・DVD-Audio

−目次−
()内は掲載ページ
概要 ユビキタスプラットフォーム デジタルコンテンツビジネス(1)

1. デジタルコンテンツ市場:ノンPCクロスメディアとコンテンツ流通(4)
1)コンテンツビジネスと情報の出口(4)
2)クロスメディア:プラットホームローミング(5)
  クロスメディアのプラットホーム(6)
3)ユビキタス環境はノンPCをデバイスとするクラ・サバの環境(7)
4)クロスメディアサーバとミドルウェア(8)
5)アプリケーションサーバ(Java環境とオープンミドルウェア)(12)
6)アプリケーションサーバソリューションとサービス・管理形態(13)

2. 携帯電話・動画コンテンツ(14)
1)携帯電話(14)
2)“どこでも見れる”テレビと放送局携帯キャリアのメリット(メリットはあるのか?)(15)
3)動画コンテンツの考察(16)

各論

I. デジタル放送(19)
1. 対象分野の解説(20)
1)テレビ放送の現状(20)
2)日本の放送スケジュール(21)
3)テレビ放送とユビキタス/パーペイシブ・コンピューティング(23)
4)メディアのヒエラルキ:放送事業の種類と区分(24)

2. 業界構造(25)
1)放送法による区分(放送法第2条)(25)
2)日本の放送関連事業者(26)
3)日本のテレビ放送(27)
4)地上波デジタル放送視聴予測(28)
5)BSデジタル放送視聴予測(29)
6)NHKコンテンツ展開(多チャンネルハンドリング)(30)

3. 地上デジタル放送の動向(31)
1)デジタル放送:セグメント放送(地上デジタル放送と携帯電話)(31)
2)テレビ放送ケータイ視聴の効果(32)
3)地上デジタル放送と携帯電話(33)
4)携帯電話ないし携帯テレビ類のテレビ受信(34)

4. BBテレビ放送(送信・配信)の可能性(35)
1)放送法の解釈(35)
2)著作権法の解決(36)
3)著作編法の構成(37)

5. 地上デジタル放送:サーバ型放送(38)
1)テレビ放送受信サーバを宅内に置く(40)
2)サーバセンタ(xSP型事業者)事業者の配信を受ける(41)
3)宅外サーバセンタ(xSP型事業者)に個人名義のサーバ(VTR・HDDレコーダ)を置く(42)

日本放送協会(43)
日本テレビ放送(NTV)(45)
東京放送(TBS)(48)
フジテレビ(51)
全国朝日放送(テレビ朝日)(54)

ハードウェア端末市場(56)

1. テレビ・映像受信・映写機器(56)
1)CRTテレビ(56)
2)HDTV(57)
3)プラズマディスプレイテレビ(58)
4)液晶テレビ(10型以上)(59)
5)リアプロジェクションテレビ(60)
6)ホームプロジェクタ(61)

2. 映像録画・再生機器(62)
1)VCR(62)
2)DVDプレーヤ(63)
3)DVDレコーダ(64)
4)ホームサーバ(65)

3. 音響機器(66)
1)ホームシアターパッケージ(66)
2)CDプレーヤ(据置型)(67)
3)MDデッキ(68)
4)システムコンポ(DVD/CD/MD)(69)
5)システムコンポ(CD/HDD)(70)
6)ポータブルオーディオ(CD/MD)(71)
7)シリコンオーディオ(72)
8)HDDオーディオ(73)

4. 家庭用ゲーム機(74)
1)家庭用ゲーム機(据置型)(74)
2)家庭用ゲーム機(携帯型)(75)

II. ネット・BB(76)
A. インターネット放送(77)
1. 対象分野の解説(77)
2. 業界構造(77)

NTTブロードバンドイニシアティブ(NTT-BB)(78)

B. 映画(83)
1. 対象分野の解説(83)
2. 業界構造(83)

東映(84)

C. 書籍配信(89)
1. 対象分野の解説(89)
2. 業界構造(89)

凸版印刷(90)

D. 音楽配信ビジネス(94)
1. 対象分野の解説(94)
2. 業界構造(94)

エイベックス(96)

E. オンラインゲーム(101)
1. 対象分野の解説(101)
2. 業界構造(101)

ビー・ビー・サーブ(103)

F. ネット広告(107)
1. 対象分野の解説(107)
2. 業界構造(107)

サイバーエージェント(108)

G. CDNプラットフォーム(CDN)(113)
1. 対象分野の解説(113)
2. 業界構造(113)

プロデュース・オン・デマンド(114)

III. ケータイ(モバイル1)(118)
1. 対象分野の解説(118)
1)業界構造(119)
2)サービス事業者一覧(121)
3)主要コンテンツ一覧(122)
4)主要コンテンツホルダー・プレーヤ事業者一覧(124)

2. 経緯〜現状〜問題点(126)

3. サービス市場/コンテンツ市場規模推移・予測(128)

4. 事業モデル解説/分析(132)

5. 問題点・課題を踏まえて今後の展望(富士キメラ総研の分析)(133)

世界市場における携帯電話関連データ(138)
日本・韓国・香港のモバイルコンテンツユーザーの興味・関心の相違(140)
日本国内のコンテンツ利用の現状(143)

IV. 自動車(モバイル2)(145)
1. 対象分野の解説(146)
1)業界構造(146)
2)サービス事業者一覧(147)
3)コンテンツ一覧(149)
4)コンテンツホルダー・プレーヤ事業者一覧(154)

2. 経緯〜現状〜問題点(155)

3. サービス市場/コンテンツ市場規模推移・予測(157)

4. 事業モデル解説/分析(158)

5. 問題点・課題を踏まえて今後の展望(富士キメラ総研の分析)(160)

6. プレーヤ事例(161)
パイオニア(161)

7. 自動車関連ハードウェア端末の市場規模推移(165)
1)日本国内の自動車市場(165)
2)世界の自動車市場(169)
3)日本国内の自動車関連機器市場(174)
  (1) カーナビゲーション(174)
  (2) 車載用コンピュータ(175)
  (3) ETC車載器(175)
  (4) 車載用テレビ(176)
  (5) 車載用DVD(176)
  (6) 車載用VTR(177)

V. 映画(178)
1. 業界構造(179)
1)制作から興行までの構造(179)
2)技術の観点でみた構造(182)

2. デジタルシネマ(184)
1)デジタルシネマとは(184)
2)DLPシネマ(184)
3)デジタルシネマ例(185)

3. 映画と連動したコンテンツ・ビジネス(188)

4. ショートフィルムと企業広告(190)

5. シネマコンプレックス(193)

6. 輸出品としての映画コンテンツ(特にアニメ映画について)(198)

7. 国外・国内の映画を取り巻く状況と取り組み(199)
1)コンテンツ全体に対する諸外国と日本の取り組み状況(199)
2)諸外国の映画制作に対する取り組み状況(200)

ニューズベース(201)

8. 資料編(205)

VI. 街頭ビジョン/映像メディアサーバ(209)
1. 対象分野の解説(210)
1)市場の定義(210)
2)業界構造(211)
3)サービス事業一覧(212)
4)コンテンツ一覧/コンテンツ事業(213)
5)ロケーションと来街者特性(215)
6)街頭ビジョン(タウンメディア)の存在意義:メリット(216)
7)街頭ビジョン(タウンメディア)システム(217)
8)放映パターン(218)

2. 経緯〜現状〜今後(220)
1)経緯(220)
2)ハードウェア(221)
3)映像素材・再生・伝送方式(222)
4)問題点/方向性(223)
5)街頭ビジョン(タウンメディア)事業とユビキタス環境(224)
6)広告・情報配信システムツール:メディアサーバSTB(224)

3. サービス市場/コンテンツ市場規模推移・予測(226)
1)街頭ビジョン(226)
2)広告・情報配信システムツール:メディアサーバSTB(227)

4. 事業モデル解説/分析(228)
1)街頭ビジョン(タウンメディア)(228)

VII. CD/DVDパッケージ(230)
パッケージ系コンテンツ市場概況(231)

1. プラットフォーム別市場規模(234)

2. CD-ROM市場規模(237)
1)一般・特化区分市場規模(237)
2)分野別市場規模(239)
3)主題別市場規模(242)

3. DVD市場規模(257)
1)一般・特化区分市場規模(257)
2)分野別市場規模(259)
3)主題別市場規模(262)

4. CD-DA市場規模(275)

5. SACD市場規模(280)

6. DVD-Audio 市場規模(285)

パッケージコンテンツ関連企業個別個票(289)
バンダイビジュアル(289)
トエンティース センチュリー フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン(293)

補足資料:映画関連ハードウェア市場規模(297)
()内は掲載ページ
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調査資料名
2003 デジタルコンテンツ市場総調査

頒価
106,700円(税抜 97,000円)

発刊日
2003年09月16日

報告書体裁
A4版 原本コピー簡易製本

ページ数
304ページ

担当部署
株式会社富士キメラ総研 第二研究開発部門
TEL. 03-3241-3490 FAX. 03-3241-3491

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