◆市場調査レポート:2013年03月11日発刊

2013 クラウドコンピューティングサービスの現状と将来展望

パブリッククラウド市場の成長により更なる拡大が期待されるクラウドコンピューティングサービスを徹底調査
−調査の背景−
  • クラウドコンピューティングが黎明期から成長期へと移行しており、2012年度は高い成長率が見込まれる。これまでクラウドコンピューティングは、システム導入の際の選択肢の一つにはなっていたが、「技術的に未成熟」「ユーザー個別のシステム要件を満たすことができない」「セキュリティの脆弱性」などにより、実際の導入まで至らないケースが多かった。しかし、これらの課題に関してもこれまで以上の早いスピードで改良が繰り返されており、現在ではクラウドコンピューティングを中心にシステムの導入検討を行うユーザーが増加している。
  • クラウドコンピューティングは、ここ数年間低迷を続けているIT業界にとって次世代のプラットフォームを訴求する上でも、ICTベンダーにとっては非常に重要なテクノロジー/サービスとなっている。
  • 参入ベンダーも国内外問わずコンピューターベンダー、SIベンダー、キャリア、ISPなどICTに携わる多くの企業が参入している。コンピューターベンダー、SIベンダーはシステムの可用性、信頼性を追及したプライベートクラウドへの注力度を高めているのに対して、キャリア、外資系ベンダーは利便性、低価格サービスを追及したパブリッククラウドへの注力度を高めている。
  • また、パブリッククラウドにおいては、PaaS/IaaSの成長が著しく今後のICT業界に革命をもたらすキーサービスとなっている。PaaS/IaaSはこれまではWeb系システム、ソーシャル系などの分野で成長してきたが、現在は基幹系システムなどミッションクリティカルな領域においてもPaaS/IaaSの活用が拡大している。また、自社内にプライベートクラウドを構築した企業が、パブリッククラウドを使った安価で自由度の高いクラウドサービスへの期待が高まっており、自社で設備を持たないプライベートクラウドへの移行が大きな市場となることが予想される。
  • ICTのサービスを行っているベンダーにとってクラウドコンピューティングは、新たなビジネスチャンスであり、市場動向の研究や分析を実践する不断の努力が必要であり、当調査レポート「2013 クラウドコンピューティングサービスの現状と将来展望」を発刊するにあたって、各位のマーケティング活動において、当レポートが多様化するクラウドコンピューティングサービスでの関連製品やサービス市場分析、さらにはSIビジネスの方向性を明確化する一助となることを願うと同時に、今後のマーケティング戦略立案の基礎データとして大いに活用されることを切に望むものである。
−調査目的−
  • クラウドコンピューティングサービス市場動向、参入企業などを調査することでサービスの傾向を分析・把握し、市場トレンドの方向性を明確化すると共に、クラウドコンピューティング事業を行っているベンダーの企業戦略分析を行い、クラウドコンピューティングにおける今後の方向性を把握することを目的とした。
  • 関連市場を掘り下げると共に、クラウドコンピューティングに携わる企業の事業戦略、ビジネスモデルなどを検証することで、当該市場で優位性を確保するためのマーケティング戦略立案の基礎データを提供することを目的とした。
−調査対象−
調査対象品目調査対象件数
クラウドコンピューティングサービス6品目
ユーザー調査(Webアンケート)795社
クラウドコンピューティングサービスベンダー23社
 コンピューターベンダー4社
 SIベンダー8社
 キャリア5社
 ISP/専業ベンダー2社
 外資クラウドベンダー4社
調査対象先の選定は、各カテゴリーの売上上位企業を選定し調査を実施し、その調査過程で主要な事業者の把握を行い調査対象とした。また、ユーザー調査はWebアンケート調査を実施した。
−サービス定義−
分類 定義
対象レイヤ アプリケーション
  • パッケージソフトウェア、システム開発、アプリケーション保守/運用などを調査対象とした。
プラットフォーム
  • ソフトウェアプロダクト販売(ミドルウェア、仮想化ソフト、OSなど)、ハードウェアプロダクト販売(サーバー、ストレージ)、インフラ設計/構築、プラットフォーム運用/保守などを対象とした。
サービス分類 パブリッククラウド
  • パブリッククラウドコンピューティングは国内外のベンダーが提供している「PaaS/IaaS」「DaaS」「SaaS」のサービスを対象とした。
  PaaS/IaaS オートセルフ型
  • リソースプール型の環境が実装されており、「ユーザー自身で自由にITリソースのスケールアウトができる」「サービス料金が公開されている」「オンラインで申し込みが可能である」サービスを条件とした。
  オーダーメイド型
  • リソースプール型のシステム構成はとっているが、必要なリソースをリアルタイムで調達することはできない。また、サービス料金は公開されておらず個別見積で対応するサービス。
  SaaS 汎用型
(1) アプリケーションの提供モデルの一つであり、インターネットなどのネットワーク回線を通じて、ユーザーはサービス事業者が提供するアプリケーションを利用する。
(2) 従来型のASPはユーザー別にサーバー設備を用意し、個別プログラムを搭載して利用する形態であったが、SaaSでは、サーバーやデータベースを複数のユーザーで共有し、パラメイターによってカスタマイズを行うマルチテナント方式のモデルを指している。
  特定型
  • 業界に特化したサービスをSaaS型で提供しているサービスを調査対象とした。
  DaaS
(1) DaaS(Desktop-as-a-Service)は端末のデスクトップ環境をネットワーク経由で提供するサービスである。デスクトップ環境をサーバー群に集約し、必要に応じて端末から呼び出すことができる。
(2) デスクトップ仮想化を用いたサービスがDaaSと呼ばれているケースが一般的であるが、SBC(サーバーベースドコンピューティング)、ブレードPCを用いる方式も調査対象とした。
共同利用サービス
  • 似たようなシステム(主に業種特化型のアプリケーション)を構築している企業同士が、システムの共通化を図り、1つのシステムを複数の企業で利用するシステムを対象とした。
プライベートクラウド
  • プライベートクラウドは「クラウド・仮想化環境構築」「シンクライアント環境構築ソリューション」のサービスに分類した。「クラウド・仮想化環境構築」については、単に仮想化しているシステムから、ITリソースをプール化し自動的にスケールアウトができるシステムまで幅広く調査対象とした。
  クラウド・仮想化
環境構築
クラウド環境構築
ソリューション
  • システム運用の標準化・自動化を実現した「クラウド環境」をユーザーの資産として構築するソリューションを調査対象とした。
  統合環境構築
ソリューション
  • 複数の仮想化環境のリソースをプール化・一元管理化できる環境をユーザーの資産として構築するソリューションを調査対象とした。
  仮想化環境構築
ソリューション
  • 仮想化ソフトを利用して複数のバーチャル(仮想)マシンを1台の物理サーバー上で稼働させる環境をユーザーの資産として構築するソリューションを調査対象とした。
  シンクライアント環境構築
ソリューション
  • シンクライアント環境をユーザーの資産として構築するソリューションを調査対象とした。
−目次−
I. 総括編
1. クラウドコンピューティング市場分析(3)
1) クラウドコンピューティングサービスの市場動向(3)
2) オンプレミスからクラウドコンピューティングサービスへの移行(3)
2. クラウドコンピューティングの市場規模推移(5)
3. オープンクラウドの動向(6)
II. サービス市場編
A. パブリッククラウドコンピューティング(11)
a. PaaS/IaaS(13)
a-01. PaaS/IaaS(オートセルフ型)(29)
a-02. PaaS/IaaS(オーダーメイド型)(38)
b. DaaS(45)
c. SaaS(49)
B. 共同利用サービス(54)
C. プライベートクラウド(59)
−共通調査項目−
1. 対象サービスの定義・カテゴリー
2. 市場概況
3. 市場規模推移
4. 主要企業のマーケティング戦略
5. サービス占有率(「a」「B」のみ)
6. 主要サービス一覧
III. ユーザーアンケート編
A. 調査設計(71)
設問No形式設問内容
Q1-1.SAパブリッククラウドサービスの利用実態について教えてください。
Q1-2.SA各パブリッククラウドサービスの利用実態について教えてください。
Q2.SA貴社所有のシステムの数量を100とした場合に「クラウドコンピューティング」を利用している割合はどの程度でしょうか。
Q3.MA利用及び検討しているクラウドコンピューティングサービスの利用目的をお答えください。
Q4.SA各基幹系システムについて、現在と将来の運用環境とシステム形態についてお答えください。
Q5.SA各情報系システム、周辺システムについて、現在と将来の運用環境とシステム形態についてお答えください。
Q6.FA現在利用しているPaaS/IaaSの事業者名を教えてください。
Q7.FAクラウドコンピューティングサービスを利用しない/利用を検討しない理由を教えてください。
Q8.SA貴社のITシステム(主に基幹系システム)に対するバックアップ/DR(システム二重化/分散化など)に対する実施状況についてお答え下さい。
Q9.SAバックアップ/DR(システム分散設置など)に対する必要性についてお答え下さい
Q10.FAシステム二重化を実施できない理由について教えてください。
Q11.SAクラウドサービス(PaaS/IaaS)によるシステム二重化の検討状況について教えてください。
Q12.SAIaaS/PaaSの利用状況/認知度について教えてください。
Q13.SAIaaS/PaaSに求めるものは何ですか。以下のポイントに対しての重要度を教えてください。
SA:シングルアンサー、MA:マルチアンサー
B. 調査結果(74)
IV. 企業個票編
コンピューターベンダー
A-01. 日本IBM(99)
A-02. 日本電気(108)
A-03. 日立製作所(116)
A-04. 富士通(123)
SIベンダー
B-05. 伊藤忠テクノソリューションズ(132)
B-06. インテック(140)
B-07. NTTデータ(146)
B-08. 新日鉄住金ソリューションズ(154)
B-09. TIS(162)
B-10. 日本ユニシス(169)
B-11. 日立システムズ(176)
B-12. 日立ソリューションズ(183)
キャリア
C-13. インターネットイニシアティブ(190)
C-14. NTTコミュニケーションズ(199)
C-15. KDDI(206)
C-16. ソフトバンクテレコム(213)
C-17. 東日本電信電話(219)
ISP/専業ベンダー
D-18. ニフティ(226)
D-19. NECビッグローブ(233)
外資クラウドベンダー
E-20. アマゾンデータサービスジャパン(239)
E-21. グーグル(249)
E-22. セールスフォース・ドットコム(255)
E-23. 日本マイクロソフト(262)
−お問い合わせ・お申し込みについて−
調査資料名
2013 クラウドコンピューティングサービスの現状と将来展望

頒価
209,000円(税抜 190,000円)

発刊日
2013年03月11日

報告書体裁
A4版 原本コピー簡易製本

ページ数
269ページ

担当部署
株式会社富士キメラ総研 第二研究開発部門
TEL. 03-3241-3490 FAX. 03-3241-3491

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