◆市場調査レポート:2014年03月12日発刊

2014 クラウドコンピューティングの現状と将来展望

台頭するパブリッククラウドによりSIベンダーはどのような対応をすべきか
−調査の背景−
  • これまではフロント系システムなど一部の領域のみでクラウドコンピューティングが利用されてきたが、クラウドファーストを実践するユーザーが増加しており、パブリッククラウドを中心にオンプレミスからの移行が加速している。
  • パブリッククラウド(PaaS/IaaS オートセルフ型)に関しては、「Amazon Web Services(以下「AWS」)」がグローバルでイニシアティブをとっており、国内においても勢いを増しているが、国産ベンダーも「AWS」に負けじとグローバル展開、運用サービスの充実など「AWS」への対抗策を打ち出している。また、2013年6月にIBMが買収した「SoftLayer」については国内でも2014年から本格的にサービスを開始しており、機能面では専有物理サーバーの提供を行うなど「AWS」との差別化ポイントも明確であり今後「AWS」の対抗サービスとして市場からの注目を集めている。
  • 一方、パブリッククラウド(PaaS/IaaS オーダーメイド型)、プライベートクラウドに関しては、日本ではパッケージソフトのカスタマイズやスクラッチでの開発など、企業の業務フローにシステムを適応させる文化が浸透しており、パブリッククラウド(PaaS/IaaS オートセルフ型)だけでは対応できない特殊要件(ロケーション、複雑なアプリケーション環境、セキュリティ、ネットワーク構成など)を満たすクラウドとして一定の支持を得ている。現状においてもパブリッククラウド(PaaS/IaaS オートセルフ型)での実装を検討するものの、企業個別に存在する特殊要件を満たすためにパブリッククラウド(オーダーメイド型)、プライベートクラウドを最終的に選定するユーザーが多数存在する。
  • パブリッククラウド、プライベートクラウドの受容性が増す中、ハイブリッドクラウドの構築、ハイブリッドクラウドの一元管理(運用)ニーズが増しており、これまでユーザーに対してSIを提供してきたコンピューターベンダー、SIベンダーにおいてはクラウドマネージドサービスへの対応は必須であり、さまざまなクラウドコンピューティングを活用したインテグレーション/マネージメントノウハウが今後の差別化ポイントとなることは容易に想定される。
  • クラウドコンピューティングは、IT業界にとって次世代のプラットフォームを訴求する上でも、ICTベンダーにとって非常に重要なテクノロジー/サービスとなっている。参入ベンダーも国内外問わずコンピューターベンダー、SIベンダー、キャリア、ISPなどICTに携わる多くの企業が参入しており、今後も成長が期待される領域である。
  • ICTのサービスを行っているベンダーにとってクラウドコンピューティングは、新たなビジネスチャンスであり、市場動向の研究や分析を実践する不断の努力が必要であり、当調査レポート『2014 クラウドコンピューティングサービスの現状と将来展望』を発刊するにあたって、各位のマーケティング活動において、当レポートが多様化するクラウドコンピューティングサービスでの関連製品やサービス市場分析、さらにはSIビジネスの方向性を明確化する一助となることを願うと同時に、今後のマーケティング戦略立案の基礎データとして大いに活用されることを切に望むものである。
−調査目的−
  • クラウドコンピューティングサービス市場動向、参入企業などを調査することでサービスの傾向を分析・把握し、市場トレンドの方向性を明確化すると共に、クラウドコンピューティング事業を行っているベンダーの企業戦略分析を行い、クラウドコンピューティングにおける今後の方向性を把握することを目的とした。
  • 関連市場を掘り下げると共に、クラウドコンピューティングに携わる企業の事業戦略、ビジネスモデルなどを検証することで、当該市場で優位性を確保するためのマーケティング戦略立案の基礎データを提供することを目的とした。
−調査対象−
調査対象品目調査対象数
クラウドコンピューティングサービス
A. パブリッククラウドコンピューティング
  • PaaS/IaaS(オートセルフ型)
  • PaaS/IaaS(オーダーメイド型)
  • DaaS
  • SaaS(汎用型)
B. コミュニティクラウド
  • 共同利用サービス
  • SaaS(特定型)
C. プライベートクラウド
  • オンプレミス型
  • ホスティング型
D. クラウドインテグレーション
9品目
ユーザー調査(Webアンケート)795サンプル
クラウドコンピューティングサービスベンダー1
参入ベンダーの企業セグメントを下記のA〜Fの6セグメントに分類し調査を実施した。
29社
 A. コンピューターベンダー4社
 B. SIベンダー8社
 C. キャリア5社
 D. ISP/専業ベンダー3社
 E. 外資クラウドベンダー4社
 F. CIベンダー25社
1 調査対象先の選定は、各セグメントの売上上位企業を選定し調査を実施し、その調査過程で主要な事業者の把握を行い調査対象とした。
2 CIベンダーとは「Cloud Integrationベンダー」の略称であり、自社でクラウドプラットフォーム(PaaS/IaaSなど)を保有せずにクラウドインテグレーションに特化したビジネスを行っているベンダーを対象とした。
−サービス定義−
分類 定義
対象レイヤー アプリケーション
  • パッケージソフトウェア、システム開発、アプリケーション保守/運用などを調査対象とした。
プラットフォーム プロフェッショナル
サービス
  • コンサルティング、インフラ設計/構築を対象とした。
マネージドサービス
  • プラットフォーム部分の保守/運用、ホスティング利用を対象とした。
その他
  • ソフトウェアプロダクト販売(ミドルウェア、仮想化ソフト、OSなど)、ハードウェアプロダクト販売(サーバー、ストレージ)などを対象とした。
サービス分類 パブリッククラウド
  • パブリッククラウドコンピューティングは国内外のベンダーが提供している「PaaS/IaaS」「DaaS」「SaaS」のサービスを対象とした。
  PaaS/IaaS オートセルフ型
  • リソースプール型の環境が実装されており、「ユーザー自身で自由にITリソースのスケールアウトができる」「サービス料金が公開されている」「オンラインで申し込みが可能である」サービスを条件とした。
  オーダーメイド型
  • リソースプール型のシステム構成はとっているが、必要なリソースをリアルタイムで調達することはできない。また、サービス料金は公開されておらず個別見積で対応するサービス。
  SaaS(汎用型)
  • アプリケーションの提供モデルの一つであり、インターネットなどのネットワーク回線を通じて、ユーザーはサービス事業者が提供するアプリケーションを利用する。
  • SaaSの内グループウェア、メールなど業種横断で利用されるアプリケーションを汎用型と定義した。
  DaaS
  • DaaS(Desktop-as-a-Service)は端末のデスクトップ環境をネットワーク経由で提供するサービスである。デスクトップ環境をサーバー群に集約し、必要に応じて端末から呼び出すことができる。
  • デスクトップ仮想化を用いたサービスがDaaSと呼ばれているケースが一般的であるが、SBC(サーバーベースドコンピューティング)、ブレードPCを用いる方式も調査対象とした。
コミュニティクラウド 共同利用サービス
  • 似たようなシステム(主に業種特化型のアプリケーション)を構築している企業同士が、システムの共通化を図り、1つのシステムを複数の企業で利用するシステムを対象とした。
SaaS(特定型)
  • 業界に特化したサービスをSaaS型で提供しているサービスを対象とした。
    「II. サービス市場編」では「A-3. SaaS」に掲載した。
プライベートクラウド
  • プライベートクラウドは「クラウド環境構築」「統合環境構築」「仮想化環境構築」「シンクライアント環境構築」のサービスに分類した。
  • 構築形態については、「オンプレミス型」「ホスティング型」に分類した。
  クラウド・仮想化
環境構築
クラウド環境構築
ソリューション
  • システム運用の標準化・自動化を実現した「クラウド環境」をユーザーの資産として構築するソリューションを調査対象とした。
  統合環境構築
ソリューション
  • 複数の仮想化環境のリソースをプール化・一元管理化できる環境をユーザーの資産として構築するソリューションを調査対象とした。
  仮想化環境構築
ソリューション
  • 仮想化ソフトを利用して複数のバーチャル(仮想)マシンを1台の物理サーバー上で稼働させる環境をユーザーの資産として構築するソリューションを調査対象とした。
  シンクライアント環境構築
ソリューション
  • シンクライアント環境をユーザーの資産として構築するソリューションを調査対象とした。
クラウドインテグレーション
  • 特定のプラットフォーム(クラウド基盤)で完結するインテグレーション(単独インテグレーション)とクラウドとの連携を実現するハイブリッドクラウドに分類した。
  • サービスレイヤーはプラットフォームレイヤーに限定し「プロフェッショナルサービス」「マネージドサービス」に分類した。
    • プロフェッショナルサービス:コンサルティング、インフラ設計/構築
    • マネージドサービス:プラットフォーム部分の保守/運用
  単独インテグレーション
  • 各クラウドサービス上で提供されるインテグーションを対象とした。
  ハイブリッドクラウド
  • 異なるクラウドサービス間、クラウドサービスとオンプレミスなどクラウドサービスと連携を必要とするコンサルティング/インテグレーションおよび連携部分の統合運用サービスを対象とした。
−目次−
I. 総括編
1. クラウドコンピューティング市場分析(3)
1) クラウドコンピューティングサービスの市場動向(3)
2) オンプレミスからクラウドコンピューティングサービスへの移行(3)
2. クラウドコンピューティングの市場規模推移(5)
II. サービス市場編
A. パブリッククラウドコンピューティング(9)
A-1. PaaS/IaaS(11)
A-1-1. PaaS/IaaS(オートセルフ型)(27)
A-1-2. PaaS/IaaS(オーダーメイド型)(36)
A-2. DaaS(44)
A-3. SaaS(48)
B. 共同利用サービス(52)
C. プライベートクラウド(57)
C-1. プライベートクラウド(オンプレミス型)(66)
C-2. プライベートクラウド(ホスティング型)(69)
D. クラウドインテグレーション(72)
III. AWSが市場に及ぼす影響
1. 「AWS」のビジネス規模(77)
2. エコシステム(78)
3. 調査対象ベンダーの「AWS」ビジネスの位置付け(80)
IV. ユーザーアンケート編
A. 調査設計(85)
B. 調査結果(87)
V. 企業個票編
コンピューターベンダー
A-01. 日本IBM(111)
A-02. 日本電気(121)
A-03. 日立製作所(130)
A-04. 富士通(138)
SIベンダー
B-05. 伊藤忠テクノソリューションズ(147)
B-06. インテック(155)
B-07. SCSK(163)
B-08. エヌ・ティ・ティ・データ(171)
B-09. 新日鉄住金ソリューションズ(179)
B-10. 日本ユニシス(187)
B-11. 日立システムズ(195)
B-12. 富士通マーケティング(203)
キャリア
C-13. インターネットイニシアティブ(211)
C-14. NTTコミュニケーションズ(221)
C-15. KDDI(230)
C-16. ソフトバンクテレコム(238)
C-17. 東日本電信電話(244)
ISP/専業ベンダー
D-18. NECビッグローブ(252)
D-19. ニフティ(258)
D-20. ビットアイル(265)
外資クラウドベンダー
E-21. アマゾン データ サービス ジャパン(272)
E-22. グーグル(282)
E-23. セールスフォース・ドットコム(289)
E-24. 日本マイクロソフト(297)
CIベンダー
F-25. アイレット(307)
F-26. ウフル(310)
F-27. サーバーワークス(313)
F-28. テラスカイ(316)
F-29. 日立ソリューションズ(319)
−お問い合わせ・お申し込みについて−
調査資料名
2014 クラウドコンピューティングの現状と将来展望

頒価
220,000円(税抜 200,000円)

発刊日
2014年03月12日

報告書体裁
A4版 原本コピー簡易製本

ページ数
321ページ

担当部署
株式会社富士キメラ総研 第二研究開発部門
TEL. 03-3241-3490 FAX. 03-3241-3491

ISBNコード
ISBN978-4-89443-703-6

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