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本レポートは、2001年の発刊から数え、今回でシリーズ5回目の発刊となる。2005年の第三世代携帯電話は国内だけでなく、ついに世界市場でも花開くことになる。昨年末からヨーロッパ市場でも3G化が進展しており、技術的にも市場的にも、真に次世代携帯電話が始まるタイミングとして、2005年は位置付けることができる。実際の市場の動きとしては、日本ではLCDのカラー化、カメラの搭載が進む中で、WCDMAなど通信機能での強化も進んでいった。カラー化は、LCDが2インチになり、カメラは100〜200万画素へとカメラの性能は向上した。通信方式でも、NTTドコモでは、高機能WCDMAのFOMA900シリーズだけでなく、廉価普及版の700シリーズ(ライトFOMA)の投入を計画している。Vodafoneではグローバルキャリアとしての特色を活かすべく、海外UMTS端末の国内市場への投入を始めている。AUでは既に1x方式として3G化を進展させている。徐々にではあるが、EV-DOへの拡張も進んでいる。またEV-DOでは、その高速通信性(平均で600kbps)で他社に先駆けての「着うたフル」を開始している。
一方で、海外市場でも3G化の進展は、予想を遥かに上回るペースで進展したカメラ搭載の勢いで、UMTSの流れが動き始めている。カメラの画素数の向上など、ファンクションの面では日本市場にも引けを取らないほどの性能に追い迫っている。従来、日本向け端末との差は、2〜3年とも言われていたが、最近では日本市場でも、性能が頭打ちになってきたことや、海外市場での性能面でのニーズの高まりから、その差は一気に縮まってきている。具体的には、日本市場で投入されているFOMAの700シリーズは、2005年に世界市場で最も大きなニーズに対応していくスペックと同等とも見られている。700シリーズのコンセプトでもあるように「安くて、そこそこの高性能化された3G端末」こそが、世界市場での3G化の進展の鍵となると考えられている。また、同時に未開拓市場(BRICs)でも、これまで培ってきた技術を再構成することで、ローエンド端末の投入を行うとしており、数量としても大規模な成長が期待できる。
ただし、こういった動きは、今日に見られたことではなく、従来からも容易に想像できた動きである。実際のところ、昨年のレポートにおいても、各種デバイスにおいての予測を行っているが、大方が予測通りに進展していることになる。デバイスの進化、搭載機能の想定など、ある程度の限界にきているのではないかという閉塞感がある。先ほど述べた「安価なそこそこの性能の端末」は、デバイスメーカーにとっては、かつて高付加価値デバイスとして、注目を浴びていた携帯電話用デバイスの数々は、今後、頭ごなしに価格を抑えられ、技術的に進歩を強いられないといった成熟期の製品になっていくのである。利益率は低くなり、価格とデリバリーのみが重視されるコモディティ化が進展していくことになる。
今後は、高性能デバイスが低価格化していくことは間違いない。既に多くの端末メーカーからは、30〜40%の低価格化を各種キーデバイスメーカーに突きつけているのが現状である。そういった低価格化が強いられる中で、逆に低コストが実現できるからこそ、獲得できるユーザがどれだけいるのか?いかに多くの「パイ」を獲得できる可能性があるのか?そういった観点から、本レポートでは、各デバイスについての市場規模の現状から、今後の市場発展性についての分析を行っている。各デバイスを使うことで、どういった優位性が得られるのか?または、どのデバイスが儲かるのか?多種多様な観点から描いた本レポートを読み取っていただければと思う。
本調査資料では市場成長の著しい携帯電話端末における部品の調達状況の明確化および次世代携帯電話端末への移行にともなうキーデバイスの変化から、参入メーカーの戦略、生産動向、市場予測についての情報収集、整理を行っている。これを基に、携帯電話の方式別、タイプ別の生産予測を行うことで、携帯電話の高機能化ないし多様化の方向性について分析し、関連各社に有益な情報を提供することを目的としている。